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第三部 壊す者 ― The Game of Judgment 第一部・二部あらすじ
【第一部】
十一歳の夜、レナはすべてを失った。
三人の少年が村を襲い、母は「生きて」と言い残した。
幼馴染のソラトは「走れ」と叫んで囮になった。
孤児となったレナは偽名で魔術学院に入学し、Eクラスの最下位に身を置く。
静かに卒業すること。それだけが願いだった。
その均衡を壊したのが、金髪碧眼の転入生──レオン・ヴァレント。
優しく、強く、そして──どこか、おかしい。
合鍵。位置追跡の疑惑。レナに近づく者が、一人ずつ消えていく。
それでもレナは、彼の温もりを拒めなかった。
レオンの正体を、レナは知らない。
そしてレオンもまた、隣に座る少女の正体を、まだ知らない。
【第二部】
学院周辺で生徒が消え始めた。
異形の魔物が現れ、偽物の赤魔石が出回り、不安が学院を侵食していく。事件の渦中で、レナの血が──本来隠すべき力が、衆目に晒されかける。
守ろうとする者がいる。
利用しようとする者がいる。
研究対象として、欲しがる者がいる。
「英雄」と呼ばれた少年の動機は、正義ではなかった。
何が本物で、何が偽物なのか。
その問いが、レナの日常を塗り替えていく。
そして、新たな影が動き出す──
レナの血を狙う者の足音が、静かに近づいていた。




