現実世界 幼馴染 ざまあ
古堂 一・・・主人公
姫島 リリア
三国 健真
岡田 亜優
浅川 栞
岡田 幸成
浅川 真理
岡田の父
岡田の母
浅川の父
浅川の母
担任の先生
「亜優、好きだ。付き合ってくれ」
僕は遊園地の近くにある夜の公園で幼馴染の岡田亜優に告白をする。遊園地でもいい感じだったから作戦通りに進むはず。亜優の答えは
「ごめんなさい。すでに付き合っている人がいるの」
えっ?
「あはっはは、なんだその顔」
僕が茫然していると公園に笑い声が響き渡り、近くの樹の裏から男性と女性が出てくる。男性は三国健真、女性は浅川栞、二人とも僕の幼馴染だ。健真は亜優の側によると亜優の胸をもみながら見せつけるようにキスをする。公園内にぐちゅぐちゅとディープなキスが数秒流れた後満足したのか健真がこちらに顔を向ける。僕は健真に話しかける。
「健真、どうして?」
「どうして?くく、お前が高校生になって東京から帰って来てからずっと考えてたんだよ。自分が好かれていると勘違いしている幼馴染が失恋した時ってどんな顔するのかってな。それが異性の幼馴染だったらどうなのかってな」
僕はそれを聞いた瞬間地面に手をつき顔を下に向ける、ある感情を見せないように。その様子を見ながら健真は話を続ける。
「結構順調に進んだぞ。まず俺と付き合ってる亜優と栞を近づけるだろう。数回優しくするだけで亜優が好きだから協力してくれって俺に相談するんだからな、お前ちょろ過ぎだろう。笑いをこらえるの大変だったぞ。それから俺の指示通りにお前が亜優とデートを重ねるのを見るのは爆笑ものだった」
「そして今日告白するって聞いて最後の締めをしようと思ってな。お前がこの公園を歩きながら告白する場所を探しているのを見ながら栞と野外プレイしてたんだけどすごい興奮した」
「もう、やめてよ。健真君」
「いいだろ、栞。お前も乱れまくってたじゃねえか。これからホテル取ってるから亜優も可愛がってやるよ。今のアイツの顔を思い出しながらやると興奮するぞ」
僕は地面に水滴を落とす。
「おいおい、泣いてるのかよ、一。お前も来るか、ホテル?好きだった女のアへ顔を楽しめるぞ、ぎゃはっははは」
健真の笑い声が公園内に響く・・・・
「はい、カット」
「あ?」
突然公園内がライトに照らされ女性の声が響き渡る。ライトの光が弱まるとこちらに向かってくる集団が。
「「「え?お母さん、お父さん」」」
その集団には俺の知り合いの健真・栞・亜優の両親もいる。その表情は無表情だったり、怒りで顔を赤く染めている。そこから一人の女性が俺の側によりタオルを差し出す。
「名演技よ、一。『幼馴染に裏切られて悔しさで涙を流す哀れな男』を演じ荒れていたわ」
「ありがと、リリア」
彼女は姫島リリア。俺が東京で出会った女性で俺の許嫁。俺はリリアからタオルを受け取り顔を拭くと・・・
「くくくくっあはっははははは。あー、笑いをこらえるの大変だった」
「一、一体どういう事だ」
「全部説明してやるから、ちょっと黙れよ、健真」
俺の一睨みで健真・栞・亜優はビビッてしまい黙り込む。うん、これで邪魔は入らない。
「さて、まず前提として健真達3人が付き合ってるのは知ってた」
「「「なっ」」」
「そもそも俺がこの街に返ってきたのは成幸と真理から相談されたから。『お姉ちゃんたちが健真兄ちゃんと肉体関係を持ってるんだけどどうしよう?』だって」
成幸は亜優の弟、真理は栞の妹で現在中学3年生。
「「「っ」」」
「健真たちはさあ栞たちの家でヤッてて成幸たちが気付いていないと思ってたの?まさかその緊張感を楽しんでいたとか?」
3人は目を逸らす。はじめの言う通り成幸たちがいる時にしてそのドキドキ感を楽しんでいたからだ。その仕草で図星だとわかった僕はため息をつく。
「はぁ。お前たちにわかるか、成幸たちの気持ちが。恥ずかしくて親に相談もできない二人は悩みに悩んで幼馴染である俺にLINEで相談してきたんだよ。俺はすぐに成幸たちと会って事情を聴いたら幼馴染の周知を聞かされたんだよ」
「それからリリアも交えて相談を重ね俺達は高校生になって地元に帰ってきたわけ。本当は少し様子を見て健真たちに話を聞こうと思ってたんだけど変な計画を建ててるから利用してやろうと尾も思って今回の計画を組んだってわけ。ちなみに今まで健真たちの行動は全部取ってるから。もちろんホテルに行ったり野外プレイをしてる時の動画もね。安心しなよ、すべて両親に渡してるから。同級生のそんな姿コレクション趣味はないし。しかしアレか?健真達はサルなの?盛りすぎだろ」
「これで大体の事は話したかな。じゃあ今回の視聴者を紹介しようか。まずは健真・栞・亜優の家族、リリアの家の人達、そして担任の先生。先生、今日はありがとうございました。これからについては後日お知らせします」
「いや、こっちこそ彼らの本性を見せてくれてありがとう。いろいろおじさんには報告するよ」
担任の先生は理事長の息子で外面はいい健真たちの本性を見せて学校での信用度を無くすためだ。逆切れして変な噂流されても嫌だし。先生はそのままリリアの家の人達に送ってもらい帰宅する。
「俺がやりたいことは終わったから、これからはおじさん・おばさんからの頼み事かな。じゃあ移動しようか」
俺達はリリアが用意した車に乗ってここから20分ほどでつくリリアの家の系列の建物に向かう。ちなみに男性・女性分かれて乗り込む。
~男性組~
座席は健真・健真のおじさんで一席、向かいには岡田のおじさん・俺・浅川のおじさんの順で座っている。助手席には成幸が座っている。
「じゃあ、お願いします」
「わかりました、一様」
この車は前方の運転席・助手席と後方の席は音が遮断されており専用の電話で通話する。
「さて、これからの話し合いで健真に言い訳をさせないためにこれから会場へ着くまでとある動画を見てもらうから。おじさん、約束通り会場に着くまで殴るの禁止だよ。それと殴るのは一発までだから」
「わかってる。ここまで用意してくれたから約束は守るよ」
車内に流れたのはこれまで記録した健真たちの野外プレイ。おじさん達には悪いけど健真を追い詰めるために必要なんだ。さすがに成幸には見せれないからね。健真は自分の醜態が流される車内で親たちに失望・憤怒の目を向けながら体をちぢこませる。
~女性陣:リリア視点~
車に乗り込んだ後私は栞と亜優の母親にある物を渡す。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、リリアちゃん」
「それって一体?」
「これは妊娠検査薬よ。あなた達ゴムもつけずにしてたでしょ?最近調べた?妊娠してるどうかで今後の動きが変わるもの」
さてこれからの20分間だけど嘘とはいえ一に言い寄っていてストレスたまってからたっぷりお返ししないと。ここからは子供には見せられないから真理は助手席で待機よ。社内には栞たちの野外プレイが流れるわ。
「止めてよ」
「いやーー」
「「黙りなさい」」
栞・亜優は叫び始めるが両脇にいる母親に黙らされる。
「私ね、まだ処女でマウストゥマウスのキスも一としてないのよ。だってせっかくの愛しい人との記念となる行為よ。最高のシチュエーションでしたいじゃない?」
突然の私の話に二人はこちら見つめる。
「その場の雰囲気にもよるけど高校3年生の二人での卒業旅行で行く遊園地のメリーゴーランドの前でマウストゥマウスの初キスをしたいわね。それで初キス記念日にするの。そして大学では同棲して2年生の時にまた旅行に誘うの。その時の夜景の見えるホテルで初エッチをするのよ。さすがに恥ずかしいから記念日にはしないんだけど一生消えない記念になるわ。もちろん妊娠対策はきちんとするわよ。そういうのは2人が働き始めて2年目ぐらいに始めたいもの。少し少女チックな考えがあるかもしれないけど絶対に叶えるわ。で二人はどうだった?そんな素敵な初キス・初エッチだったかしら?」
リリアの質問に彼女たちの瞳には涙しか映らない。彼女たちはそんなことは考えずにただその場の流れで自宅又はラブホテルで健真と体を重ねていたからだ。もちろん妊娠対策もしていない。彼女体は震え自分の羞恥を聞きながら車が到達するのを待つ。
ドガ
「うっ」
ドゴ
「ぎゃあ」
健真の顔面に栞と亜優のおじさんの拳が突き刺さり吹き飛ばされる。おじさんたちはまだ殴り足らなさそうだが俺の約束通りに1発で許してくれている。女性陣達は今ドキドキ妊娠チェック中だ。この結果でいろいろと変わるからな。
少し待ってると女性陣達が入ってくる。おじさんたちはすぐにおばさんたちに話を聞く。
「どうだった?」
「二人とも妊娠していたわ」
「そうか」
おじさんたちの顔は暗い。ああ、やっぱい最悪な結果になっちゃったね。じゃあ最後の締めだ。
「僕とリリアが話を進めるよ。栞と亜優は産むの?」
「「健真君どうしよう?」」
「え・・・と・・・」
突然のことで3人は答えが出ない。普通なら一生の事だから家族観で話し合ってこれからの事を考えるんだけど、今回は自分たちが招いたことだからね。この場で決めてもらうよ、すでにおじさんたちに話はしてるし。
「3人に5分だけあげるから産むか中絶するか考えて。おじさんたちはその答えに沿ってこれからどうするか決めるから。よく考えてね」
それから5分後
「答えは決まった?」
「ああ、育てるよ」
3人はうなずく。ふーんそっちの選択肢を選んだんだ。どっちを選んでも大変なんだけどね。
「だったらこれからどうするか話そうか。ちなみに健真たちに拒否権はないから」
「これは私達も認めてることだ。絶対に守らせる」
「まずは健真たちには学校をやめてもらう」
「は?なんで」
「なんでって健真は二人+子供二人の養育費を稼がないといけないだろどのくらい必要かわかってるのか?その顔だとわかってないようだな。おじさん」
「まず3人にはマンションで暮らしてもらう。家賃は8万だが半分は健真の親である俺達が払う。食費として3人で一食1000円で済ませるとして一日3食、1月30日=1000×3×30=9万、ガス・水道・電気代・携帯代などもろもろで5万円、3人の生活費としては最低18万、さらに生まれてくる子供の事を考えて月8万の貯金がいるだろう。これに関しては岡田・浅川家がそれぞれ2万計4万負担するとして3人には最低22万円稼がないといけない。だが普通の中卒の子供3人では稼ぐのは難しい」
「そこで私の出番ってわけ。一応栞・亜優にはキャバ嬢、三国君には夜間作業で働けば稼げるかもしれないけど生まれてくる子供にかわいそうじゃない。そこで私のの家の系列の1年に一週間だけ陸に上がるマグロ漁業で働いてもらおうと思ってるの。後は栞たちには入れ替わりにパートで働いてもらえばある程度貯金もできて生活もできるはずよ」
これからの事を聞いた健真だが自分の父親に縋りつき
「父さん、どうにかしてくれよ?学校も辞めたくないし、働きっぱなしで遊べないい」
まだ甘いことを言っている。
「ばかやろ。全てお前がしたことだろ。まだ栞ちゃんか亜優ちゃんのどちらかと付き合っていて妊娠させたなら学校を止めなくてよかったかもしれない。それに一君の絶望した顔がみたいだと?どこでそんなに歪んだんだ。俺達は普通に愛を込めて育てたはずだぞ。でも親の責任としてほっとくわけにはいかない。だから心を鬼にしてお前たちが逃げれないように厳しい条件に決めた。これがラストチャンスだ。健真、お前には俺達から完全に離縁する書類にサインしてもらう。もし今からの仕事から逃げ出した瞬間役所に出して縁を切る」
健真はとうとう膝をつく。
「ありがとう、一兄ちゃん」
「ありがとうございます。リリアさん」
「成幸・真理もおつかれ。また何かあったら気兼ねなく相談しなよ」
「そうよ。あと本来恋愛はいいことだから彼女たちを悪い見本にしてきちんと愛をはぐくみなさい」
こうして成幸たちの依頼も終了。