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アマテン短編集  作者: アマテン
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現実世界 学校 いじめ リベンジ

金沢・・・主人公

田中・・・自殺未遂を起こした生徒。

西条優・・・担任


ここは東京にある高等学校。2年1組のクラスで緊急ホームルームが開かれている。教壇に立っているのはこのクラスの担任の西条優だ。


「先週田中君が自殺未遂をしました。今もまだ病院で眠っています。今まで何故自殺をしたのか原因がわかりませんでしたが今回とある人物からこのクラスで田中君をいじめていた人物がいることが分かりました。素直に名乗り出なさい」

 しかしクラスの誰も手をあげない。それを見た西条はため息をつきつつ話を進める。


「しょうがないか。だったら皆にはこのアンケート用紙に匿名で田中君をいじめていた人物の名前を書いてもらう」


 普通ならアンケートなんてとっても書くはずはないが


「君だったんだね。金沢君。これから生徒会室に行こうか?」


 こうして(茶番の)アンケート投票が終わり、金沢一(俺)が自殺未遂をした田中俊介のいじめの犯人として吊し上げられた。


 西條先生に連れられていかれた生徒指導室には生徒指導の西本先生、校長先生が座っていた。俺が中に入ると早速校長先生が話し始める。


「彼がそうかね?」

「はい。クラス内でアンケートを取った結果、金沢君の名前が彼以外の全員が書きました」

「そうか・・・では金沢君何か言うことはあるかね?」


やっとか、結構長かったな。俺は携帯を取り出し机の上に置き話し始める。


「まず今までの話は録音さしてもらってます。いいですよね?」

「!?何をしているんですか?止めなさい!」


 西条先生が僕の携帯を奪おうとすると西本先生がその手を止める。


「いいじゃないですか、西條先生。きちんとした方法なんだから特に問題はないでしょう?」

「そうですな、西本先生。何も問題はないから録音してもらっていいよ、金沢君」

「ありがとうございます。さて俺が彼をいじめていたかですが俺はいじめていません」

「何を言っているんですか?君以外のクラス全員が君がいじめていたと言ってるんですよ?」

「でもそれは彼らが言ってるだけで状況証拠だけですよね?俺がいじめていたという画像や映像でもあったんですか?」

「そ、それは・・・」

「第一,アンケート自体意味がないですよ。もし仮に誰かが嘘をついてるとしたらどうするんですか?それに俺が今ここで僕が真実を話したかもどうかもわからないし」

「確かにそうですね。しかし君が疑われているのも確かです。なのでこちらできちんと調べるので金沢君、君には自宅謹慎をお願いしたいのですがいいですか?」

「いいですよ。ただもしクラスメートに話を聞くならその場面をカメラで撮ってください。別に後でデータが欲しいとかではなく証拠として残しときたいんです。別に問題はないですよね?」

「わかりました」

 

こうして僕はいじめの犯人という疑いをもたれ自宅謹慎となった。


 俺は一度教室に戻り荷物をまとめて教室から出ていこうとすると


「何か言うことは無いのか金沢?」


 ある生徒が話しかけてくる。彼の名は安良田誠、親が政治家、アナウンサーで文武両道のこのクラスの中心人物だ。

 俺は一度安良田の方を向くと教壇の前に戻り最後になるであろうクラスの皆の顔を見ながら最後の挨拶をすることにした。


「じゃあ最後に少しだけ話そうかな。長くならないから安心していいよ。俺は身に降りかかる火の粉や敵対した人には容赦はせずに徹底的に叩き潰す。そして今日今からここにいる人は全員敵だ。最後に全ての真実が公にされる時まで首を洗って待ってな」


 そう言い残すと俺は教室から飛び出し家へと帰った。家に帰るとまず今海外で仕事をしている両親へ連絡することにした。


「どうしたの、一?」

「あ、母さん、今大丈夫?」

「ええ、何?」


俺は先ほどまでの話をしてこれからのことを話すと


「私達も今すぐ戻ったほうがいい?」

「必要ないよ。たしか2週間の予定でしょ?」

「ええ」

「だったらちょうど全部終わってるはずだから」

「わかったわ。頑張りなさい」


 さて、両親へのあいさつも終わったから少し食料の買いだめをしとくかな。


 それから1、2日は特に何もなかったが3日目からネットやニュースでこのいじめによる自殺未遂の話が取り扱われるようになった。ネットでは


「この殺人者が」

「卑怯者」

「飛び降りた学生の親に謝れ」


などが溢れていた。俺は今後のためにアカウント名やコメントのスクショを保存しておく。これだけでPCの容量はなかなか膨れ上がった。しかし真実を知らないのによくここまで人を落とし込めるな。

 次にTVだが学校の生徒や先生がモザイクをかけられてだがいろいろ証言していた。


「まさか彼がいじめをしていたとは思いませんでした」

「彼もストレスがあったのかもしれません」


 まあクラスメートとか先生はモザイク処理していても誰かはわかるんだけどね。もちろんこの映像も保存済み。そして僕の家の外だが様々な会社の記者が周りの事を気にせずに僕の名前を叫びながら扉を叩いている。ちなみに俺が今いる部屋は完全防音で外の音は聞こえず隠し扉を通って別の場所から外に出ることができる。え?音が聞こえないのに何で外の風景が分かるって?それは家の四方に監視カメラをしかけてるからだよ。これで記者の顔や壁に落書きをした人の画像もくっきり映ってる。

 俺はこんな風に証拠を集めながら何をしていたかというと


「俊介、おばさん、おじさん学校から連絡がきたよ。3日後学校で話し合いがあるんだって」

「ええ、私の方にも来たわ。でも大丈夫なの、一君?」

「任せてよ、おばさん。全ての準備は終わったから。おばさんは被害者側で全ての真相が表に出ることをその目で見といてよ」

「一、ありがとうな」

「俊介、それは言わない約束だろ。俺だって俊介が自殺するまで追い込まれてるって気づかなかったんだから。3日後すべてが明るみに出たら俊介も表に出れるから」

 

俺は自殺未遂をした田中俊介とその母親と父親とビデオ会話で会話していた。そう、この計画は俊介が自殺をする前から考えていたいじめを立証する計画に+αでいろいろ加筆したものだ。さて、勝負の時だ。

 3日後、僕は学校に向かうために家から出る。そこには多数の記者がおり、俺にマイクを向けるが両隣にいた二人の男性と女性によって遮られた。


「取材許可は取ってるのか?取ってないなら道を開けな」

「これから彼は学校で全てを公にするんだから。取材は後でもいいでしょ」

「これ以上,足止めするなら法律にひっかかりますよ」

 

 俺の右隣には産帝新聞の男性と女性の記者が、左隣には弁護士の男性が。この3人は僕が雇った人物で部屋の隠し扉から入ってもらった。普通なら引きこもった俺の話を簡単に信じてもらえないだろうがある切り札を切ることでこちらの味方になってくれた。

 学校に着くと会議室に通された。そこには学校側として西條先生、西本先生、校長先生の他に何人かの先生とクラスメイト、弁護士、被害者側としておばさん、おじさんがいた。そして学校の支持者で国会議員の安良田の父親もいた。さて役者はそろった。逆襲の時間だ。

 俺は連れてきた記者と弁護士の紹介をすると学校側のいじめの証拠や証人、映像による証言など以前指摘した状況証拠だけでなく物的証拠も出してきた。


「さて、金沢君何か申し開きはありますか?」


と司会進行役の西条先生が俺に意見を述べてくる。

やっとか、無駄な話が長くて眠くなったよ。さて見してあげよう。ホントの証拠というやつを。俺は弁護士の先生にプロジェクターにパソコンをつなげてもらって話し始める。


「まずはいくつかの映像を見せます。こちらの映像は俺が学校のいくつかの場所にカメラを仕掛け映像を撮ったものです。最初に行っときますけど女子更衣室や女子トイレなどには仕掛けていないから」


 弁護士の男性にアイコンタクトで促すと映像が流れる。まず校舎裏の人目が付かない場所で俊介をいじめている何人かの男性や女性の姿が映っていた。


「こんなのでたらめだ。偽造した証拠に違いない」


いきなり安良田や数人が立ち上がりこちらを批判してくる。それはそうだろう。だってその画面に映っているのは安良田含む幾人かのクラスメートだからだ。俺は安良田達の話は無視してさらに映像を流す。男子トイレ、体育倉庫、屋上、そして生徒指導室。それらの映像にはクラスメートの他に西条先生の他に幾人かの先生の姿も移っている。そう、西條先生、校長先生以外のここにいる先生全員だ。彼らは映像に自分が移ると顔が青ざめていく。


「早く、止めなさい。こんなの名誉棄損です」

「まだ彼の証言は終わってません、座りなさい。他の先生方も、生徒たちも。誰もこの部屋からは出てはいけません」


 西条先生含む他の生徒は映像を止めようと動こうとしたが校長先生の一言でピタッと止まってしまった。俺はそれを見てさらに別の映像を見せる。


「次は以前クラスで行われたいじめの犯人を匿名で投票してさらしだすアンケートですが、それに関する映像です」


 そこにはとある部屋で僕以外の生徒が集められ、俺に投票するようにいじめの主犯たちに説得というなの脅迫がなされていた。


「証拠を撮るのは簡単でしたよ。だっていつも先生が密会に使う教室は一緒だったから。さて俺が撮った映像はここまでですが、ここでおかしいことが起きてますよね?何故いじめに参加していないのに俺がいじめの犯人の様な証拠があるのか。さすがにこれらについては俺では調べられないので公的機関に頼みました」


 すると会議室に5人ほどの警察官が入ってくる。


「私たちは金沢君と田中夫婦に相談を受けていろいろ捜査していました。その結果安良田君、君が父親に頼んで証拠をねつ造した証拠が多数出てきました」

「これで俺の反論は終わりです。何か意見はありますか?」


 こうして俺に関するいじめの冤罪事件について決着がついた。ここからは後日談。産帝新聞の独占インタビューによっていじめについての真相が発表され、俺の疑いは完全になくなった。さらに俺がわたした家の周りの映像が証拠となり、壁に落書きをしたり、張り紙を張る、家の周りの迷惑を考えずに横暴な取材をした記者については続々と逮捕者が出た。

 実際の犯人である安良田達だが俊介の両親に訴えられ、証拠隠滅や証拠ねつ造などの悪質な裏工作が印象を悪くし少年院送りとされた。脅迫によりアンケートで俺に投票した他のクラスメイトは、状況から罪にはとわれなかったが学校では白い目で見られ針のむしろらしい。

 そして証拠隠滅や偽造に力を貸した安良田の父親は国会議員を辞め警察に捕まり、いじめに加担した先生も捕まった。

 被害者である俊介だが田舎の学校に転校して元気に暮らしている。俺もよく連絡を取っているが最近恋人ができたらしい。それも俊介の後を追いかけて田舎の学校に転校したクラスメイトらしい。これには驚いた。

 詳しく話を聞くと彼女は元々俊介が好きだったが、先生や安良田達が怖くていじめられていた俊介の味方になれなかった。俊介が別の学校に転校することを知った彼女は残り少ない高校生活を俊介の近くで贖罪するために両親を説得して田舎の学校に転校した。そこでいろいろあって恋人関係になったそうだ。

 そして俺だがとある推薦により転校することになった。それが探偵育成学校だ。こうして俺の第2の学校生活が始まる。



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