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呪いの魔女はわりと毎日忙しい  作者: 護郷いな
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あなたの後ろにいるの。

すべてを思い出し気持ちが沈む。

と、それに連動して光も小さくなった。


「   か」

はぁ。沖くん無事だったかな〜

確か最期、声が聞こえた気がしたけど幻聴だった?


「   のか」

長生きしておばあちゃんになってみたかったな〜


「おい!聞いてんのか!」


ひとり思考に耽ていた春子は横で何やら五月蝿く喚く男を胡乱気に見つめる。


神を前にして今さら己の持つ理屈や常識など意味をなさない。

それは〝マメ〟として存在している時点で身をもって証明されている。

だから今さら目も何もないのに、そこにある物が視覚として普通に捉えることができようと、そこで〝ナゼ〟を考えるのは無駄だと春子は思った。


そして先程の話から察するに、

とにかく()はあの時死んで、この神域という場所で心配される程、爆睡していた。という事のようだが...。

一体。何故そんな事になったのか...。



『(でも)神様方ご心配おかけしすみません。意識もハッキリしましたのでいつでも行けます。』

寝起きすぐは呆けていた頭も今は完全に覚醒すると、春子は何となくな状況を理解し謝罪と覚悟を口にする。


しかしその時、間髪入れずに〝「待て」〟と声がかけられると春子はそこに居る()()()()()()()()()を見た。


「何処に行くつもりだ。この神域から勝手に出る事は許されない。」


(え?)

いや...何処って死んだ人間が行く所っていったら2つあるでしょ。


勿論私は天国のほうで!


そして勝手に行くつもりはないっていうか?そもそも道知らないし?


だから...。

そこまでの案内をこの若草色の髪を持つ無表情だがイケメンな神様か(見切りをつけられそうになった事はこの際忘れよう。うん)

こちらのゆるくウェーブがかった髪がまるで星を纏っているかのように煌めいている絶世の美女神様に案内してもらいたいな〜。


そんな思考、願望ダダ漏れで春子がチラチラと交互に美神を眺めているとすかさず抗議の声が上がる。


「さっきからずっと失礼なヤツだな!俺だってイケメン神だろうがッ!見ろこの筋肉ッ!!」


それに春子は無言で返した。


するとここで小さな笑い声を漏らした美女神が口を開く。

「自己紹介が必要だったわね。私は〝創造の神〟そして髪色が若草色の彼は〝精霊の神〟それからトキなんちゃらは〝時渡りの神〟あと最後に後ろの彼は〝死の神〟よ。」


『死神ぃ!!?』

突然の爆弾発言に春子は視線をギュインと後方に向ける。


するとその人物はいた。

〝そこ〟にいた。

ちょっと距離はあるが真後ろに顔が見えないほどフードを深ーーーく被った何かがいた。

何かとは何かで頭部の形からしておそらく人型、しかしそれ以外の情報は黒い布で覆われていて今は確認できない。


ホントいつからそこにいたのか...。


春子が暫く驚き呆けていると創造の神が話を続ける。


「そして残念だけれど、あなたは今のままでは天国へは行けないの。」


再度投下された爆弾発言に春子はまた勢いよく視線を創造の神に戻す。



わりと普通に生きてきた一般人なのに

天国に行けない?

え。じゃあどんな人が天国行くの?

普通に生きてきただけだからダメなのか?

何かしら徳を積んでおくべきたったのか...。


ハッ!!そういえば()は沖くんを殴り飛ばして...まさか〝死〟。

つまり()は人__「違う。誰も殺してないし、ついでに()とやらは生きてる。」


え。そなの?よかった〜...ん?では何故に?


春子が誤解する前に時渡りの神から否定が入ると、

それに()()としたのも束の間、次には再び頭に(?)を浮かべる。


「それを今から説明したいのだけど、その前に〝死の神 〟」

創造の神に何やら呼ばれた死の神はそこで微かに躰を揺らすと次の瞬間、その身に纏った布の何処からか150cmくらいある人形を〝ずるり〟と取り出し、その場に置く。


え。今どこからコレを?背負ってたの?

というかコレ...。

どこからどう見ても〝()()()〟....てかサイズ感おかしくない?


春子はそこに出された藁人形が何も無しに自立していることも不気味で内心ツッコミを入れると、次にこんな物を出させた創造の神に視線を移す。


するとその視線に気付いた創造の神が春子に向かってニコリと笑みを浮かべた。

「とりあえず〝()〟があった方が話がしやすいから〝仮の器〟に入ってそれから詳しく話をしましょう。」 




いや入るって...藁人形(コレ)に?


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