社交場は知らない
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
今回は残虐趣味。所謂、被虐加虐ネタです。
女性が鞭で打たれるのが嫌な方はブラウザバックお願いします。
私は布団の上で寝転ぶ女を見下していた。薄い寝巻きを一枚だけ。体には皮膚に食い込む様な麻縄。目隠し。猿轡。最早捕虜と言っても差し支え無いだろう。
足先で縄を辿り、彼女の体を愛撫する。頬を辿り、喉仏を往復し、胸の谷を滑る。ぞんざいでありながらも、今はまだ暴力的ではなく、ただ焦らす様に。そうすると堪え切れないと言うように身を捩った。
妻であるこの女は大層な被虐趣味の持ち主だった。苦痛と快感の違いが分からない。鞭で打たれて啼き、踏まれて善がる。今宵も自ら縄を咥えて懇願してきたのだ。痛め付けて欲しいと。
「さて、どうしてあげようね。鞭で打たれるのは飽きてしまったかな?」
声が出せないので、懸命に首を横に振る。その拍子に体が動いて更に縄がきつく食い込む。あられもない姿がより刺激的になった。
「そう。ではお望みのままに」
私は近くにあった鞭に手を伸ばすと掌に叩き付けた。空気の裂ける音。肌にぶつかれば、跡を残す程に締まった音がする。彼女の様子を伺うと、身を捩り、芋虫の様に此方に近づいて来た。待ちきれないのだろう。さて、ではお望みの通りに。
足で女の体をうつ伏せにさせ、思い切り鞭を振り下ろす。肌に打たれた瞬間に、女の体が跳ね上がる。快楽を逃がす動作だとはすぐに分かった。
「ぁ……」
「よしよし気持ちいいね。もう一つ欲しいかい?」
機能している五感は聴覚と触覚のみ。私の声はきちんと聞こえているようで、またも懸命に首を縦に振る。可愛い私の奴隷。全て、全て、私の望むまま。
今宵は彼女が望むままに、柔肌に傷を付けた。肌の下は真っ赤に腫れ上がっている事だろう。そしてその行為は彼女が痛みで失神するまで続けられた。全ての拘束具を外し、顔を見ると快楽で溶け落ちている。
「夫人は誠にお美しい」
「全て完璧で非の打ち所がない」
翌日は退屈な社交界であった。権力に群がる家畜達が媚びへつらい、賛美をつらつらと述べては私達の元を去って行く。上辺だけしか見ない道化共。
お前達は知らないだろう。この華やかなドレスの下が、真っ赤な蚯蚓脹れだらけだという事を。青あざ塗れだという事を。そして何よりそうされて極まってしまう、はしたない性癖の持ち主だと。あぁ、だがお前達は知らなくて良い。これは私達だけの秘密なのだから。
「……少し……戻っても宜しいでしょうか」
「ん? あぁ、そうだね」
疲れを癒すのはより強い刺激でなくては。
周りは二人の表面しか知らないんだろうなーと。
傍から見ればどうしようもなく終わった関係ではあるけれど、互いの利が一致しているので、何も問題はない。
でも傍から見ればやっぱり異常だから、二人だけの秘密にしてる。そんな関係です。
この二人しか知らないってところが更に燃えるのだと思います。
二人とも愛し合っているんで何でも良いです。