78/115
四ノ話・三
「何ごとか」
秀吉さまが問うてみると、家臣の一人が言うことには、近くの領民が山で沢蟹取りをしておりました際、おかしな者を捕らえたとのことでございます。
早速その者は、秀吉さまと官兵衛さまの前に引き出されました。
「何じゃ、これは」
運ばれてきた木の檻の中にいる者を見た秀吉さまは、たいそう驚かれました。
しかし、それも無理からぬことでございました。
檻の中には、異形の姿をした化物が一匹、ぽつんとたたずんでいたのでございます。
修羅ノ介は、そこまで語ったところで、いったん止めた。
その場の者みなが、何も言葉を発せず、静かに修羅ノ介が語るのを待った。
少しの間の後、修羅ノ介は再び語り始めた。




