表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/115

一の話・九

「なに?」


信長、さらには蘭丸も不審な顔をした。


「私がどのような話をしようとも、本日殺されることはないのでございますね。私は明日までは間違いなく生き長らえるのでございますね」


修羅ノ介は念を押すように言い、顔を上げた。


「よかろう、明日まで、そなたを生かしておいてやろう」


信長が言うと、修羅ノ介は、


「ありがとうございます」


と言い、頭を下げた。

これを見た信長は、にやと笑った。


「わしはそなたを明日までは生かしてやろうと言ったが、それは今日は殺さぬということじゃ」


「はい」


修羅ノ介は静かな声で答えた。


「わかっておるのか?そなたが地獄に行き、わしの寿命を知ることが出来ずば、死ぬのじゃぞ」


信長の言に、蘭丸は声を押し殺して笑い出した。


「明日、天正十年六月二日がそちの命日になるのじゃ」


信長の言には凄みがあった。

だが、修羅ノ介に怯んだ様子はまったく見られなかった。


「言いたいことがあるなら、言うがいい」


信長が言うと、修羅ノ介はかすかに笑ったように見えた。


「私はかつて地獄に行った折、自分の寿命というものを見たことがございます。したがいまして、私は自分の命日というものを知っているのでございます」


「ほう、それはまさしく、明日であったであろう」


信長は片手で髭を擦りながら言った。

修羅ノ介はゆっくりと首を横に振った。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ