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一の話・六

「そのようなこと、あろうはずがございませぬ」


すぐさま、蘭丸が口を挟んだ。

しかし、信長はそちらには顔を向けなかった。


「私は物の怪どもではありませぬゆえ、わかりかねまする」


修羅ノ介がそう答えた時、蘭丸は思わず声を漏らしそうになった。


「この男、否と言わぬとは・・・・・・。

お館さまにこのようなことを言っては、さすがに命はあるまい」


蘭丸は笑いを嚙み殺した。


「ほう、わしも死ぬやもしれぬ、そう申すのじゃな」


信長は口の端を歪ませた。

座したまま、さらに前かがみになった。


「わしは死ぬのか、死なぬのか、どちらなのじゃ、言うてみよ」


信長は目をぎらつかせ、修羅ノ介に迫った。

蘭丸はじめ、この場の者たちも、じっと修羅ノ介を見た。

しかし、修羅ノ介は変わらず平然としたままである。


「私は一介の御伽師でございます。

そして、御伽語りをしたに過ぎませぬ。

それが答えでございます」


修羅ノ介は深く頭を下げた。


「そんな話が通ると思うておるのか。

わしが死ぬのか死なぬのか、答えてみよ」


強い口調ではあったが、信長は激昂しているようには見えなかった。


「これはさすがにこの男も折れるであろう。

しかし、そうしたところで、この男の命がたすかるかどうか」


蘭丸は修羅ノ介に視線を向けた。

しかし、顔を上げて信長を見る修羅ノ介に怖気づいた様子は見られなかった。


「承知いたしました。ならば申し上げましょう。

実は、寿命を知る手立てというものがございます」


修羅ノ介は平然としたまま言った。

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