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第4話「俺が魔王だって?ははは、ワロスワロス」

気づけば、俺が立っているのは湖ではなく、






「あり?ここはどこ?」





私はだれ?

・・・ではなく、俺がただいま立っているのはどこかの薄暗い廊下・・・・・。

昔何かの映画で見た、外国の古城の地下みたいな感じだ。







「もう何がどうしたってんだよ・・・。誰か助けてー・・・・・」







俺は、辺りを見渡してから弱気な声を出した。


いつのまに俺はこんな所に来ちまったんだ?

さっきの湖はどうした?

男の子は?

あの光は一体なんだったんだ?







「絶対なんかおかしいだろ・・・」







なにがどうしたんだ。

なんでこうなった。

どこからこんなおかしくなった。

おちつけ、おちついて考えろ。

どこから始まった?

どこからおかしくなったんだ?


俺は、ひとつ深呼吸をしてから、今ここに立つに至るまでの記憶を整理し始めた。


えーと・・・


ゲームのやりすぎで疲れて、寝ようと思って部屋のドア開けたら何故か乙女チックなわけわかんねぇ部屋がそこにはあり、訳が分からなくなった俺は一旦ドアを閉め、さっき見えたのは幻覚だと考えて、改めてドアを開けたその瞬間何故か俺の部屋から俺目掛けて溢れる水水水、当然俺はダッシュで逃げる逃げる逃げる、だがしかし俺の努力も空しく、あっという間に水流にのまれた俺は死を覚悟した・・が、何故か水の中なのに息ができ、水はまるで逆再生のように部屋に戻る戻る、当然生き物のような水に捕まった俺も一緒に部屋に吸い込まれる訳で・・・、そして目覚めると湖、背後には少年、悪役ごっこ、俺に向けられた呪文、光る俺の胸、そして気が付けば・・・・・ここはどこだってかーんじー・・・。



よし、まず第1のポイントから整理してみよう。


①俺はゲームのやりすぎで目が疲れていた。

これで、あの乙女チックな部屋は、ただの目の疲れによる幻覚だということができる。

だが問題は第2のポイントだ。


②俺を捕まえた水は冷たかった。

俺の目の疲れが最高潮にまで達していたのなら、無理やりだが、あの溢れる水も幻覚で、だから水の中でも息ができた・・という仮説ができあがる。だがしかし、俺は水を冷たいと感じた。それに、あの水の感覚はちゃんと覚えてるし、服も濡れているし、俺は水の中で足掻いたんだ。床に足もついてなかったし、その記憶はしっかりと残っている。だから、ここでおかしいところは・・・・・、何故俺の部屋から水が溢れ出たのかという点と、何故水の中にいるのに息ができたのか・・という点だ。







「・・・くっそ、わかんねぇ・・・・・」







考えてもわからないことは、未知の何かで説明するのが一番楽だ。

例えば宇宙人、新種の水、etc...

宇宙人がどんなことをできるのか俺は知らない。

だからもしかしたらああいうこともできるのかもしれない。

新種の水は・・・・・・・嗚呼、なんか面倒になってきた。


考えても今俺がここにいるって事実は変わらないし、家に戻れるわけでもない。


俺はおちつくため、また深呼吸をした。

そして、静かに体育座りをする。







「ふー・・・。よし、まずはここが何処かだ」







日本・・・だよな?まさか。

どうやって来たかは置いといて、とりあえず、ここは家から近い城で・・・・・えっと・・・・・・・







「ええい!どっかの城だどっかの城!!その地下廊下!!そうでなければすげーかっけー秘密基地だッ!!地下アジトだッ!!くっそー絶対抜け出してや・・・」


「いいえ、違いますよ。ここは確かに城です」


「やっぱり!!・・って、誰だッ!!」







前方から、ゆらゆらとこっちに向かってくる灯りが見える。

コツコツという、規則的な誰かの足音、前方から響く、男の声。







「決して怪しいものではございません。貴方をお迎えにあがりました」


「俺を、迎えに・・・・・?」







俺を迎えに来たというその男の声は、優しそうで、おちついていた。

声を聞いた限りでは、俺に害をなすような悪い人物には感じられない。








「ちょっとここら辺は足場が悪くて、今そっちに行くので待っててくださいね」


「あ、ああ・・・」








しかし待て、もし、あの宇宙人の仮説が当たっていたとしたら、今俺を迎えに来たと言っている目の前の男は危険ではないだろうか。

なんせ、俺は宇宙人の姿を知らないのだ。

会ったこともないので、顔も、声も、何もかも知らない。

と、いうことは、この目の前の男が宇宙人・・・という可能性も充分ありえる話では?







「止まれええええええええッ!!」







気づいた時には、もう叫んでいた。

俺の声が、長い廊下に響き渡る。

男は静かに足を止め、こちらを見た。

この薄暗い廊下の中でも、男が持っているランタンのおかげで、もう充分男の顔は見えている。

眩しいほどの黄金色の髪の毛に、整った相貌・・・・・、どっからどう見ても美形だ。

通った鼻筋、俺を見る優しい目、緩んだ口もと、・・目の位置は俺より高く、悔しいくらいに完璧な容姿で、俺は一瞬気圧された。


だが一瞬だ一瞬!!たかが一瞬されど・・・・じゃなくて一瞬ッ!!

さわやかで男前なお兄さんなんかに負けてたまるかっ!!


そして俺は、そのさわやか青年に向かって人差し指をどんと一本突き出した。







「い、今から言うみっつの中から答えろ!!い、いいな!!いちー、自分は宇宙人であるー!にー、宇宙人から俺を救うため現れたヒーローであるー!さーん、一般人ー!さあどれだ!!選ぶがいい!!早く選べ!・・じゃなくて、選んでくださいぃぃっ!!」







俺があくまで弱気に選択を要求すると、男は苦笑しながらこう答えた。







「んー、あえて言うなら、”どれでもない”かな?」







な、なにっ!?まさか神様だったか!!

それだけはないと思ってたのに!!







「あーやっぱりここは天国かー!あんた神様だったんだなー!俺を迎えに来たんだろー!」


「俺が神様?まさか」


「へ?違うの?」


「ええ。それに、ここは天国なんかじゃありませんよ、陛下」


「は?」







んん?

まあ、これで俺が死んでないっていうのははっきりしたよな?

こいつは宇宙人でもヒーローでも一般人でも神様でもないらしいし・・・危ないやつでもなさそうだ。

とりあえず俺は生きてて、今は危ない目にあってるわけじゃない。

でも、またちょっとわけ分かんないや。

さっき聞きなれない単語が聞こえたんだが・・・。


へいか?


それは、兵家?閉果?平価?一体どれがあってるんでございましょう?

しかし(わたくし)の名前はいずれも違いましてよ?

もしや・・・


もしや、陛下?


いえいえ、そんなまさか。

私の名は室井(むろい)勇人(ゆうと)、極普通の平凡な男子高校生のはずですもの。







「俺の名前は室井勇人です。ヘイカではありません」


「いいや、貴方は確かに陛下ですよ」


「いやいや、そんなにこやかに貴方はヘイカですとか言われてもね。俺は勇人だから」


「そんなこと言わないで下さいよ、陛下」


「人違いです」


「人違いなんかじゃありません。貴方は確かにこの国の」


「人違いで・・ッ」


「この国の魔王陛下なんです!!」







だからマオウでもヘイカでもねーって・・・・・。
































































誰か夢だと言ってくれ。

最初から、何もかもがいつかは覚める夢だと。

受験生なのでしばらく勉強に専念してきます。

なかなか次話投稿できないかもしれません;;

ですが頑張って進めていくのでこれからもよろしくお願いします!!

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