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6話 3.1415

 泉ちゃん……。

 再び、意識がまどろんでいく。

 悲しい、苦しい、楽しい、嬉しい。今の私はどんな気持ち?

 ああ、でも、忘れかけていたけど、あの日の出来事はやっぱり悲しい、苦しい、何より怖い。


 でも、なんだかよくわからないけど、その記憶が段々霞んでいく。波紋が広がる水面の様にぐにゃぐにゃと歪む記憶。それと同時にオーロラみたいに広がる光景。


 それは、絵本の世界の美少年が、そっくりそのままな美少年を池から引き揚げ、嬉しそうに互いの手を絡め頬擦りをする光景。そして二人を祝福するように池の周りを囲む白い毒花の、青臭く甘やかな香りが充満していく。まるで記憶を、それに付随する悲しみを、優しく包み隠していくかのように。


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