飲み過ぎた日
「沙也香さん、3番テーブルの恵理さんが対応しきれてないのでなんとかヘルプお願いします。」
スタッフが申し訳なさそうに頭を下げてくる。
あーまただ… 揉めそうな席やエロい客、かなり酔っ払っている席に必ず呼ばれる。いつもの事だ
「はいはーい。」
スタッフや女性キャスト達に信用されているからなのか、もしくはめんどくさいのを押し付けられているのか、どちらかでしかないだろう。
3番テーブルに着いた瞬間笑顔に切り替えた。
「香那~おつかれ~ ねーねー飲み行こ!」
明日は休みだしなんだか飲みたい気分だった。
「行こ行こう!久しぶりじゃん!どこにする? "B"でいっか」
"B"とは店が終わったあとたまに行く朝方まで営業しているバーだ。常連客同士で仲もいい。正人と知り合った場所でもあった。
「お疲れ~♪ カンパーイ!」
「仕事が終わったあとのお酒が1番おいしいんだよねぇ~♪ マジで今日疲れたわぁ」
1時間後ぐらいに正人や他の常連客も合流して、朝方までワイワイ騒いでいた。
後ろでBLACKPINKやKPOPの曲が流れていた。
昼頃に目が覚めた。ううう、気持ち悪い…とゆうか頭がガンガン痛い… さすがに飲みすぎたかな…
帰る途中で買ったおにぎりを食べたあと頭痛薬を飲み、もう一度横になった。
◎彼と一緒に得体の知れない悪と戦った時の夢の話
私達は空を飛び回ったりすることは出来ないが、地に片足をつけた勢いでジャンプする能力が優れていて
相手がジャンプする時に腕を掴んで引っ張ることで更に遠くに跳べるコンビネーションで上手く戦っていた。
その場所は薄暗く荒野という言葉が合いそうな一帯で、お互いに黒いマントとガンツスーツのような物を着て、自分の身長の半分近くもある斧を振り回し、とても調子が良く倒していた。
特に何事も無くこなしながら彼の腕を握り、私が地を蹴ってジャンプし、彼が私を引っ張り上げたその時、思っていたところとは全く違う方向にすっ飛ばされた… !!!
その瞬間、彼のニヤリと笑った顔を見逃さなかった私は「やられた!」と思いながら可笑しくて堪らなかった。
彼は余裕がある時にちょっとした意地悪をする。さてどんな仕返しをしてやろうかと考えながら敵を倒していた。
やっと彼の姿が見えたので、彼に気付かれないように息を潜めながら、彼がジャンプをした瞬間に足をグッと掴んだ。!!
その時の彼の驚いた顔が可笑しくてまた笑いが込み上げてきたんだけど、彼も笑いながら私の頭を軽く小突いた。
一段落したので古びた空き家を見つけて肩を並べ休んでいた。
彼が私の頭をグシャグシャと「お疲れさま!」と言っているように撫でて、そのまま私の肩に腕を置き一緒に寝そべってモノクロの月を眺めていた。
なんだか腕枕みたいだったけど、夢の中なのにとても疲れていて、でもすごく楽しかったと思いながら横の彼の顔を見たら、あなたも満足そうな微笑みを浮かべ目を閉じていた。
モノクロの月のはずが私達だけ白い光で照らされているように感じた。