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違う場所で同じ月を見ている  作者: 佐藤琉奈
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香那の結婚

そう言えば少し前から香那の付き合いが悪いと思っていたら、どうやら結婚するらしい。

相手が店に来たお客からの始まりだったから、なかなか言えずにいたとか。

「香那~。とうとう結婚かぁ、寂しくなっちゃうけど幸せになってね!」本当に心から香那には幸せになって貰いたい…

友人として、ライバルとして長い間この店でお互いに頑張ってきた香那。


「結婚かぁ~」私はどうだろう。

男性がイマイチ信じられないとゆうか、心の中のモヤモヤしている物を綺麗にしてくれる人と巡り合わなければ、このままずっとひとりかもしれない…

店の支度をしながらTVを付けっぱなしでボーッと眺めていると《期待の新人 ボーカル&ダンスユニット Departurez》とCMがおそらく彼らのデビュー曲とともに何回か流れていた。


その日の夜、店を退店した香那といつもの"B"へ

「香那おめでとう!」「香那さんよかったね!」

祝福の言葉が溢れている。ああ、本当に香那は結婚しちゃうんだ。やっぱり少し寂しい…

親友とも戦友とも言える香那の幸せはもちろん祝福するんだけど、何か私の心の片隅でひとり取り残されたような、ポツンと上から大きな雫が垂れてきたような、冷たく寒い感情が大きくなろうとしている。ダメだ、笑顔でいないと!


最後のお別れを言ったあと、少ししたら香那の旦那さんになる人が迎えに来た。チラッと顔を見たら「あー!」あのお客さんだ。あの人なら香那を幸せにしてくれそうな気がする。

香那。本当におめでとう。自然な笑顔で見送った。


香那が帰ったあと、健吾が寄ってきた。

「沙也香さーん。俺と結婚しよっねっ!」

ちょっとふざけている感じで笑って

「ぜーったいムリ~!」と言ってやった(笑)

「俺マジで傷ついたんですけどぉ~www」

みんなで大笑いした。

バックには《Departurez》のデビュー曲が流れていた。

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