未久①
『我々人が暮らす世界人間界と同じように魔法を使える魔法界と言うのがある、何年かに一度離れ離れの空間が繋がり子どもを迷い込ませ魔法使いとして魔法界に住まわせられる人間界に帰るには・・・・・・・』
私が小さい頃近所のおばあちゃんが話してくれたおとぎ話
魔法界と人間界、小さな私はファンタジーの世界に憧れて魔法界に行きいとずっと願っていた
そんな夢も9歳にしておとぎ話で叶うことのない嘘の話
と理解し、親友の山田綾花と初詣に行こう約束し家に帰っている途中に目の前が暗くなり気がつくと森の中にいた
「ここはどこ」
夢だと思いほっぺをつねるが目が冷めず
自分は誘拐されたのかと大声で
「誰かいませんか」
と問いかけるが反応がない人の気配もない
少女は立ち上がり歩くことを決めた
恐る恐る森の中に入って行くが広くたくさんの木や花木の実があるというのに動物の姿や足跡さえもない
だんだんと恐怖が強くなり少女は泣きだしそうになっり足を止めると少女の視線に屋根のようなものが見え少女は誰かいると走って屋根に向かった
少女が見た屋根は神社のような作りきなっていてバラバラに並んでいた木が円を描くように神社を囲んでいた
『もしかすると人がいるかも』
と神社に近づいたが人は見当たらず古びた神社だけ
神社の中には大きな赤い石
「もう、ヤダ帰りたいよ」
期待を裏切られ座り込み涙を流す少女
(こんなところで何をしてるんだ)
っと声が聞こえた
周りを見渡し人を探すが誰もいない
「だ、誰かいるの」
(誰かってお前の目の前にいるだろう)
すぐに反応が帰ってきた
少女の目の前に居るっと言わたがあるのは赤い石
(俺はその赤い石だ、赤い炎の神 焔)
エンと言う神は名前を聞かれたが神など信じられるわけがない
「神なんているわけない、どこにいるの」
(だから目の前だって・・・信じさせてやる)
神と名のる声が言った、その瞬間少女の周りに炎が現れた
「きゃあああ」
少女は驚きのあまりその場に腰をおろしてしまった
(驚いただろう)
目を丸くし少女は恐る恐る頷く
焔と名乗る神は突然語りだした
(数年前から魔法使いの人身売買が起きるようになってしまいこの場所に住んでいた赤い炎の魔法使い達も跡形もなく家を壊され連れて行かれた、それ以来炎の魔法使いになれるものがいなくこの場所に呼ばれたのに炎が適合しなく何十人もの子どもを灰にしてしまったよ)
悲しそうなに語っているが困惑し固まっている少女には一切内容が頭に入ってこず
『・・・・・ジンシンバイバイ、テキゴウシャ、ハイになる』
自分の知ってる怖いわ言葉だけが脳に入ってくる感覚に吐き気が襲う
カタカタと体が揺れ
声が出ずに目を見開くことしかできずにいた
焔はそんな少女を構わず話続けた
(まぁ、最初にこの世界にきた者たちはみんなお前と同じ反応をする)
クスクスと笑いだした
(お前は今まできた子どもの中で一番赤い炎の使い手に相応しいらしいな、周りを見てみろ炎で木花が燃えているのにお前の周りは何も燃えてない)
言われてみれば少女の触れている場所以外は山火事のように強く燃えている
「なんで」
困惑していると
(言っただろう、お前は魔法使いになれる者だ)
「・・・・・・・・・」
頭が真っ白になり自分の目の前にある炎
何度も夢が覚めろっと願っても
覚めずに現実なんだ
(そういえば、名前を聞いていなかったな)
あっと少女は恐る恐るに答える
「小山未久です」
(いい名前だな、未久寺の中にある石に触れてくれ)
無言でうなずき歩き出した
『寺だったんだ』
未久は短い階段を上がり重たいドアをこじ開けた
寺の中に入った
(その大きい赤い石だ)
「は、はい」
大人しく言うことを聞き
手を石の上に置いた
するとクククッと笑いだし
(あっさりと言う事聞くんだな)
ミクの素直な行動に焔は笑いだした
『私、なんか変なことしたかな?』
(お前バカだな笑)
恥ずかしくなり手で顔をかくした
(本題に戻す、未久よ炎の魔法使いになれこの世界で生きるために必要だ)
声だけのはずなのに焔の必死さが未久は感じた
『まったく意味がわからないけどこんなにお願いされると』
未久はお人好しな性格である
「・・・・わけがわからないけど家にかえれるだよね」
(すまないが帰る方法は私にもわからないだがもとの場所に帰れるまで私がお前を守る)
帰る方法がわからない未久はまた泣きそうになった
『帰れない、魔法が自分に合わなければ死ぬ・・・でもこのまま帰れずここで死ぬなんてももっと嫌だ』
覚悟を決め一度目を閉じ深呼吸をした
「わかったよ、魔法使いになってやるよ」
姿の見えない焔に強気の口調で言いかける
離していた手を赤い石に再度置き
「怖いからさっさとお願い」
決意を決めた未久に驚いた焔は問いかける
(・・・・・いいのか死ぬかもしれないぞ)
未久はイラッとした
『お前がなってくれって言うから決意決めたんだから早くやれよ』
はぁっとため息を出しながら
「死んだときは死んだときだ」
簡単に言う未久に数分間沈黙になった焔
(面白いなお前は)
焔が話し終わるといきなり石が光りだした
光りだした石と一緒に体が燃え上がるように熱く
息することさえも苦しくなった未久は目を閉じ
(ここまでの段階で力尽きてしまう者が多いが耐えれるか)
目を閉じているはずなのに未久には石ではない本物の炎が見えていた
『キレイ』
熱くて触れてはいけないはずなのに炎に手を述べたすると
『熱くない?』
手の平にある炎はまるで宝石だ
見惚れていると炎は動き未久の周りを一周した
まるで生きているように
炎はいきなり止まり
『・・忙しいなこの炎』
苦笑いで手を伸ばしてみると
炎は未久の手を避けて体内に入り込んだ
未久の体がポカポカとしてきた
『なに?』
未久の周りが光だした
(おかえり)
意識が戻ってくると自分を覗き込む
長髪の男性が居た
「だれ!」
男性は苦笑いを浮かべ
(声でわからんの??)
声?と男性の声を思い出すと
「焔さん?」
正解と笑いながら
「良くやったな未久」
何かわからかいけど褒められた
体に変化ないかと聞かれた未久は顔や体を触ったが
変化はない右手首に触ると
チャリン
っと音がした見てみると見覚えのない赤の宝石でできたブレスレットが
「なにこれ」
未久は取ろうと思い少し力を入れて引っ張っても
まったく取れない
(それは取れないぞ)
未久は焔を見つめ
(そのブレスレットは魔法使いになった証拠だ、魔法使いになったものはネックレスなどの身につける物が与えられる例外もいるがな)
魔法使いの証拠だと言うブレスレットを見つめ未久は
『まるであの炎みたいだな』
っと見惚れていたら焔は
(未久、この世界にはたくさんの魔法使いがいる悪い者もいるがお前の助けになってくれる仲間ができるだろう)
まっすぐと未久を見つめながら
(私はあっちの世界で言う神だ、沢山教えてやりたいことがあるがルールによりそれはできないだから少しでもお前のためにある者に迎えにこさせたぞ
目を覚したらその者に着いていき魔法を教えてもらえそしてまた私に会いに来い新たな力を授けよう)
寂しそうに笑う焔の顔を見て未久は懐かしく思った 『昔もこんなことがあったような』
思っているとだんだんと未久は眠けに誘われうつろうつろとした
(おやすみ、未久いやお・・・・)
焔の言葉を最後まで聞けず未久は眠りに着いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん、」
目覚めるといつも見る白い天井だった
未久は体をおこし周りを見渡した
『いつものベッド
ぐっちゃぐちゃの机
漫画だらけの本棚
あれはやっぱり夢だったんだ』
っと安心しホッとした
いつものように服に着替え部屋から出て顔を洗いと進めるとふっと鏡を見た
すると右手首に赤いブレスレットがついていて
「嘘でしょ」
未久は洗面所から飛び出て
「パパ、ママ」
と叫んでも反応がない
『お休みでまだ寝てるだ』
と考え妹の部屋、弟の部屋など確かめ
『遊びに行ってるんだ』
最後に親の部屋に入ったが
誰もいない時計を見ると朝の6時だった
「こんな時間に遊びに行かないよね、なんでいないの」
家の中に居ることさえも怖くなり
未久はいつも履いてる靴を履き外に飛び出した
家の前は何時でも車が通る
近所のおじちゃん達も散歩しているはずが
誰もいない、車も通ってない
まるで未久独りだけになってしまったようだった
未久は道路を渡り人を探しはじめた
「すみません、誰かいませんか?」
数十分歩いたがカラスなどの鳥もいない
近くの森を通り過ぎようとしたとき
ガサ
物音が聞こえた未久が振り返ると
巨大な猫が見つめていた
「猫?」
猫は未久を見たまま爪をだし未久を襲いかかったが
未久は何とか避け走り出した
『どうなってるの何なの』
わけわからないまま歩いて来た道を巨大な猫が通れない道を選び逃げた
「ここまで来れば」
森から数メートル離れた公園に着き腰をおろした
すると後ろからニャーと聞こえた
「・・・・・・・え」
振り替えろうとしたとき猫が未久の服を持ち高く投げ食べようとした
「いやあああああ」
未久は誰もいない公園で叫びを上げた
ドン
何かが倒れた音がした
投げられた未久が落ちたところはふわふわしていて気持ちよく未久はつぶていた目を開けると
未久は倒れた猫の上に着地していた
?「おおい、さっさと逃げろ燃えるぞ」
声をかけられわけもわからず避けると
パチン
音が聞こえるとすぐに青い炎が猫を包んだ
『これって魔法?』
?「小山未久って君のこと?」
何故か名前を知っていた男の子が話しかけてきた
「あなたは?」
続く