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『光と風』

作者: 詩織





学校が終わるとすぐビーチに飛び出して


観光客に木彫りやアクセサリーを売りにくる


子どもたち


「ヤスイヨ」


「ゴセンルピア」


丸覚えの日本語を口々に繰り返す



バリ人は 愛想笑いをしない


物を売る小さな子どもたちも


妙に威厳みたいなものがあって


胸を張って まっすぐに 


こちらを見つめる。










 

光 満ちて流れる水に


葉影が揺れる。


潮騒の音に重なり合う


ガムランの調べ。


見上げるほどの


ブーゲンビレアの大木に


宿る神々の声。


空 いっぱいに


びっしりと花を咲かせ


垂れ下がる無数の枝は


滝のように見える。


花びらの上で飛び散る


しぶきが光り


木陰にいくつもの


陽だまりをつくった。





時おり風に揺れて


散りゆく花に美しい


綿毛のような光の波が


ころころところがって


笑う子どもの額を濡らした。


こどもが笑う


ひかりと遊ぶ


こどもが笑う


ころころ♪ ころころ♪


挿絵(By みてみん)

ブーゲンビレア



「うーん、サンゼンルピア?」


「NO,ヨンセンルピア、、、」


「ん、OK!」



商談成立、


「ナンサイ?」


「9、nine。」



急に、はにかんだ様な顔をして


小さく微笑んだ。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵な詩ですね。
2019/10/08 12:12 退会済み
管理
[良い点]  一読して、さすがだと思いました。  フランスですか?  なにげない風景。  なにげない子供たちのようす。  実に感性のある巧みな言葉で上手に描いています。  うまいです。  
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