良い子はダメ
「『カイト』おら、起きろ」
朝からベネル師匠の声が響く。
「『オークのしっぽ』に食べにいくぞ。またせるな。」
「『カイト』あたしにも朝ごはんいく」
といいつつ『豚妖精』もついてきた。
(お前、俺の『マナ』が餌じゃなかったっけ?)
(ヒューモのご飯にも興味があったりして。てへっ)
(普通の飯で生きていけるなら、最悪リリースできるな。)
(何か黒いこと考えている。。ダメー)
「おはようございます。『べネット』さん」
「昨日は散財させてしまったね。ただ、村のもんに顔を売る良い機会だったろ」
「ん?何かあったのか?俺は聞いてないぞ」
話に混ぜて欲しそうにベネル師匠が入ってくる。
「あんた、二階で真っ昼間から飲んだくれてたろ。」
(あっ、あのダメな大人って。。。やはし。。。)
頭をゴンと殴られた。
「何をするんですか?」
「なんかちょっとムカついた。。。」
(意外と鋭いな。)
「パシーン」
べネットさんがフライパンを綺麗に振り抜いた。
(ナイス!!!)
「いてえ、何しやがるこの『オーク女』」
「もう一発必要みたいだね。」
師匠の見事な土下座が決まった。
(ねぇねぇねぇ、あれ何してるの?)
(愛情表現の一種?かな)
(僕もお兄さんにやって良い?)
(良い子は真似しちゃいけないやつだな。)
目をキラキラしている「エル」に釘をさした。
「あっそうだ、隣の『ネル』があんたの服を縫ってくれるって。後で顔出しておきな。」
「助かります。修行の後にでも顔出しておきます。」
朝ごはんはシチューとパンだった。一口『エル』に食べさせると、意外にもペロリと食べた。
(お兄さん、これ美味しい。マナの量は少ないけど、まあまあいけるかも。)
(にやり)
(また、お兄さん黒いこと考えてる。あの『フライパン』僕欲しいかも。。。)
(だから良い子は真似しちゃダメだって。。。)