”ひさしぶり”と”初めまして”
なかなか、遅くなりましてすいません。すこしでも興味をもって読んでみようと思ってくださった方には感謝感激です。
ストーリーは少し飛びます。
ズゴーーン!
地響きとともに2メートルほどはあるトロールは吹き飛んで生き絶えた。
「エリアボスかー。なんとかなるもんなんだね。このレベルだとこの狩場は余裕ってことだよね。ダンジョンにでも潜ろうかな〜。」
キーのLvはすでに30になっていた。
このレベルになるまで物理魔力と持久力そして魔力をあげていた。
魔力以外完全なる前衛職のスキルの振り方だ。
「あ!!また杖壊れちゃった……。新調しなきゃなー」
そもそも、杖は物理的に殴るものではないのでぶんぶん振り回すともちろん武器耐久値がぐんぐん削れる。
そんなわけで、キーは武器破壊と武器新調を普通のプレイヤーより頻繁にするはめになっていた。
「あぁ、私なにやってんだろ。これおかしいよね。」
ふと、キーは我にかえった
正直、キーはこの状況になれ、むしろそれを楽しんでいた。ひたすら、モンスターをぼこすかなぐる魔法乙女。
しかし、武器にかかる出費を考えると普通のプレイヤーよりお金をあまりつかえないため倹約生活を余儀なくされていた。
その上、Lv20の時に他のプレイヤーとパーティーを組もうとするも皆に寄生と勘違いされて嫌煙されていた。
もちろん例外も存在する。
(こいつ、ゴリラか?)
そんな男の声が頭の中で響く。
キーがパーティーを組めなくて頭を悩ませている時、最初にパーティーを組もうとしてくれていたロビーと再会した。
彼はすでにLv28となっていて、アルス族の仲間を連れていた。
アルス族とはエテル族(現実世界の人間の種族)、エルフ族、ドワーフ族などに連なる人族の中の1つの種族で魔法を使った技がとくいである。
エルフ族の様な耳を持ち、顔に色々な模様かある。
背はエテル族とあまり変わらない。
ロビーの連れのアルス族はフェデル=アムステルと名乗った。
眼鏡をかけた優男という風貌で、キーの嫌いなインテリアタイプだ。
ロビーはキーをパーティーに理由もなにも聞かずに誘ってくれた。
ロビーはフェデルにキーの事をすこし話した。
「キーさんは魔法使えないんだよ。でも、諦めずにLv20まで頑張ってきたんだね。大変だったですよね?僕達も少し手伝いますよ。これもきっと何かの縁ですから。」
キーはロビーの優しさに泣きそうになりそうだった。
フェデルはそれを聞いても別にキーの事を嫌煙するでもなく、ただ、淡々と
「いつも通り2人で狩るって考えればいいんだな。最低限自分の身を守れればいけるだろ。」
と言ってくれた。嫌な奴ではないようだった。
2人の優しさに涙腺を刺激されていた。いや、泣いてたのかもしれない。
1パーティーは5人までだがロビー、フェデル、キーの3人で狩を軽くしようという話になった。
と言うのも、2人は最初からキーを戦力として数えてなかったのだ。
2人の相性はとてもよく、敵もキー1人では苦戦するような強さにも関わらず。2人は朝飯前だというようにばさばさと倒していった。
キーは呆気に取られていた。レベルは面白いほど簡単にあがっていた。
そして、1番驚いたのはフェデルの戦い方だ。
フェデルはアルス族の特徴を生かした魔法つかいだった。彼は色々な魔法をつかっていた。
そして、彼は後衛として、戦闘を観察しながら自分もたたかい戦略を練っていた。
キーには全くなかった戦い方である。
2人の前に敵なしというように順調に進んでいった。
しかし、引き上げようとしたときエリアボスがでてきたのである。
Lv30のトロールキングだ
3メートルほどの身長で丸太のような腕鋼のような筋肉だった。
フェデルは不意をつかれたにも関わらず、冷静に作戦を立て戦いに挑んだ。
そして、それもとても順調だったのだ、トロールキングがなぜか、キーに標的をつけてしまったのだ。
2人とも今までの戦闘のせいでキーを構う余裕がなかった。
キーは実は今までの戦闘に参加出来ていなかったのでうずうずしていた。
トロールキングとの戦いにをみていて、凄いと思っていたが同時に暇だったのだ
そんな、いじけ半分のキーは小石をトロールキングにぶつけて遊んでいた。
そのため、フェデルのヘイト管理虚しく、トロールキングのヘイトがキーにいったのでる。
トロールキングの大振りの攻撃がキーを襲うがキーはやっと舞い込んだ戦闘チャンスに燃えていた。
そんなキーはトロールキングの攻撃をかましホームラン(杖で物理的に魔法でなぐるという今までの難度もやってきた事)をかました。
横腹に杖が当たりトロールキングは吹っ飛び生き絶えた。
エリアボスがいきなり現れてもピンチでも冷静沈着なフェデルは気が動転しながら不意に言ってしまったのだ
「こいつ、ゴリラか?ー」
(お分りいただけただろうか
嫌なやつである。いたいけな乙女に対していってはいけない言葉をはくとは)
キーはそんな事を思いつつ、フェデルを静かに殴ったのである。
そんなこんなで、ロビーとフェデルとはちょくちょく共にパーティーを組んでいる。
フェデルとは犬猿の仲ではあるが友人には変りない。
キーはフェデルとの初めての戦闘を思い出して少し不機嫌になりながら
女王都ヴァリアントラへ入った
永久中立王国ヴァリアントラ
基本的には魔族国と人族の国にそれぞれの町や都市は別れていて、人族は魔族国に入れないというように規制があるのだが
中立国もあり、そこでは全種族が入国できる。
その中でもヴァリアントラは1番大きな都市であり、中立国連盟のリーダーという設定である。
ヴァリアントラは初心者から上級者までそれぞれに対応したクエストも受けられるので冒険者はよく出入りする。
また、中立国であるため、商人プレーをしたい者やギルドを立てたい者にも人気である。
つまり、全プレイヤーに人気な都市である。
しかし、人気であるが故にギルドの建物や商館などといった、土地代はとても高い。
上位ギルドや上位商業ギルドしか土地を変えないというデメリットもある。
しかし、商業に至っては露店広場があり、そこで、だれでも商業ができる。(有料ではあるが安い)
キーは都心よりも離れた四方にある4つの門の誰とも遠い所にあるお店に入る
”酔酔山脈”
そんな木の粗末な看板が掛かっている、今にもカビの臭いのしそうな店は鍛治場である。
たんまり髭を蓄えたドワーフの店主がカウンターから顔をみせる。
「いらっしゃ……ねぇちゃん、またかい…」
ため息まじりにドワーフが言う。
「はい…杖を新調しにきたんです。おじちゃん。」
キーはもじもじしながら答えた。
「いったい、どんな使い方したらそんな早く壊れるんだい?」
「まぁ、いいや、杖を渡しなよ。明日には治ってるよ。」
「ありがとうございます。」
キーは杖を渡してその店を出た。
空をみあげたら、まだ、日は高い所にあった。