迷宮都市へむけて。
八話目です。
「まずは、“迷宮都市”に向かう。」
「“迷宮都市”?」
「ん。」
迷宮都市がなんなのか分からなかったので、聞いてみると、この、ベルネ王国唯一の名所で、
“三大迷宮”と呼ばれる、ものがあるのだそうだ。
「で、そこ行ってどうするんだ?」
「……強くなりたい。」
「そうか。」
何かあるようだが、深くは聞かない、聞いてほしくないこともあるだろう。
「で、あとどれくらいだ?」
「三日ぐらい?」
「なんで、疑問文なんだよ。」
はぁ、とため息をつくと。何処からともなくゴブリンの群れが、
「おいおい、40匹はいるぞ。」
「まかせて。」
そう言って剣を抜く。
「はぁ!」
「すげぇ。」
“剣舞姫”の名の通り、まるで舞うように戦っている。回避や、移動はまるで、ステップを踏んでいるようだ。
「多い。奥の手使う。」
お、“あれ”を使うのか。
「【舞イ散ル流浪ノ刃】」
瞬間。フィーが消える、次の時にはフィーの周囲にいくつもの、刃ができる。そして刃が花が、“舞い散る”ように、いくつもの刃になって、飛び散る。ゴブリンどもは全員お亡くなりになった。
「終わり。」
「おつかれ。」
「ん。」
「んじゃ、行きますか。」
「分かった。」
◇
「で、こいつどうする?」
「どうしよう?」
迷宮都市へ向けて歩いていると。人がたおれていた。虎耳の獣人の女の子だ。
『がし!!』
「え。」
なんか突然フィーの足をつかんだ。
「ぐ、ぐぉ。」
え、な、なんて?
「お。」
「お?」
「お。」
「お?」
「おな。」
「おな?」
「おな。」
「おな?」
「おなか。」
「おなかがどうかしたの?」
「お腹が、すきすきハラヘリ〜ノ。」
ためて、ためて、最後テンションおかしすぎだろ!?
最後に出てきたのはいったい!?




