動き出す魔王達
七十一話目です。
パーティーが終わり、何日かたった今日。俺は出発することにした。
「んじゃ、そろそろ行くな。何かあったら、ネアがくれた、通信機で連絡してくれ。」
「分かった。」
「了解です!」
「それじゃ、行ってくる~。」
「行ってら~。」
「行ってらっしゃ~い。」
俺は霊体化し、空を飛んでクラスメイト達の元へ、向かった。
「行っちゃった。」
「そうですね。」
「なんか、強そうなのがどっか行ってラッキ~。」
「そうですね。」
「「誰!」」
◇
「うぉぉぉぉぉ!!!」
ここは、【魔大陸】フェルゴ地域、静寂都市“スリーフェ”普段は、驚くほど静かな場所だが
『ズガァァァァァァァァァン!!!』
「逃げろ!」「殺される!」「なんで、【憤怒】がこんな所に!」
「壊れろ! 壊れろ! こんな、場所壊れてしまえ!」
【憤怒】の魔王が暴れていた。
「壊れろ! 壊れろ! 壊れろ! 壊れろ!」
「一応、俺の自治領だから、壊されると困るんだが。何故そんなに怒ってるんだ?」
「何者だ! 貴様!」
「【怠惰】の魔王、ベル・アンゲイン。近所迷惑だ、消えてもらうぞ。」
「成る程、オレは【憤怒】の魔王、カタロフ! 今から貴様を殺す男の名だ!」
今ここに、【怠惰】と、【憤怒】の戦いが始まった。
◇
ここは、獣人の大陸、とある荒野
「どうやら、彼等はしっかり、王都を混乱に陥れる事が出来そうですね。」
魔族であろう男は、嫌らしい微笑みを浮かべる。
「さて、私も始めるとしますか。」
男は自身の魔力を圧縮し始める。どうやら、何かの魔法を使うようだ。
「まずは、獣人王国、そして人間の国…………もうすぐです。もうすぐ全て私のものに……………ん?」
灰色の風が一瞬吹き荒れる。
「王都を襲った奴らは、お前の仲間か。」
「仲間? フハハハハ! そんなんじゃありませんよ、道具です。道具、便利なね。」
「ふざけるな!」
「やる気ですか? 王都が危ないのでは?」
「嘗めるなよ。王都は簡単には落ちたりしない! お前は自分が、フェノが倒す!」
「フハハ、いいでしょう。【傲慢】の魔王、“プラディル・カイザル”が貴方を殺してあげます。」
◇
■マコト視点■
【魔大陸】欲望の城
「着いたな。」
「えぇ、そうですね。」
俺達は、【強欲】がいるという城の前まで、やってきた。
「なんかドキドキする。」
「俺の剣が唸るぜ!」
「お前魔法使いじゃん。」
「お腹すいた。」
「サンドイッチ食べる?」
「おう! って、〔STR〕上がったぞ!」
「これが、戦う料理人の力………………」
「関係なくない?」
皆、結構余裕あるな、まぁ、Sランクの冒険者さん達に地獄の特訓させられたからな、あれよりヤバいのが考えられないんだよなぁ。
「安心したまえ諸君! この僕、勇者シンがいるんだ、魔王など簡単に倒せるさ!」
アイツは何があった? としか言えない。エルフの里に行ってから、爽やかイケメンに変わった。後、頬っぺたに、もみじをたくさん作ってたな。
「フフフ、魔王悪いが世界の平和の為に、倒させてもらうよ。この、勇者シンの名にかけて!」
嫌らしくは無くなったが、ウザイ、非常にウザイ、なのに現状一番強いという。
シン・シホウザトが、爽やかイケメンキャラに、地味に強いです。