第九回戦
六十四話目です。
『ファッホーイ! お前らぁぁぁぁぁ!!! お待ちかねの第九回戦だぁぁぁぁぁぁ!!!』
『今日もテンション高いですね。帰っていいですか?』
『今お仕事中なんだけど!?』
『今回のゲストは一般人から選びました、フィネアさんです。』
『よろしく。』
『可愛いぃぃぃぃぃぃぃ!!! 結婚して!』
『無理。』
『な、なんでや!?』
『………………………………。』
『せめて何か言って!』
『とにもかくにも9回戦の対戦カードです。シェテ選手と、ゼッカ選手ですね。』
『ダークホース同士の対決、フィネアちゃんどっちが勝つかな?』
『Zzzzz……………………』
『寝てる!?』
『ここで、“謎の幽霊”さんからの伝言で『フィー、夜更かしするなって言ったのに。』だ、そうです。』
『なんで幽霊!? そして“フィー”とは!?』
『フィネアさんの愛称みたいですね。』
『可愛い!』
『あ、そうですか。というわけで、試合開始。』
◇
「君、あの大男を倒してた娘だよね?」
「えぇと、はい。」
「お手柔らかにね。」
お手柔らかにですか、でも手加減はしたくなにですし、どうしましょう?
「いくよ? 【仙術:蟻地獄】」
フィールドの中心付近が、蟻地獄に変わる。
「うわぁ!? 危ないですよ!」
「まだまだ、【仙術:砂弾】」
砂に変わったフィールドの一部が飛んでいくが、シェテは危なげなく避ける。
「今度はこっちの番で……………あれ?」
動かなくなるシェテ、その足には蛇のような、鎖のような、砂が巻き付いていた。
「【仙術:砂蛇鎖縛】からの、【仙術:流砂大蛇】」
巨大な砂の蛇がシェテに襲いかかる。
「倒れたかな?」
次の瞬間、砂の大蛇が凍りつき、砕け散る。
「今度こそ、こっちの番です! 」
「一筋縄ではいかないね! 【仙術:流砂大蛇】三連!」
三匹になった大蛇が、再びシェテを襲う。
「同じ手はくらいませんよ! “柳流舞闘術”【岩砕弾】!!!」
フィールドを、踵落としで砕き、その際に弾けとんだ岩が、砂の大蛇の砂を吹き飛ばす。
「【闇沼】」
「しまっ!? くっ!【仙術:流砂大蛇】!」
「これで終わりです! 【魔拳:空弾】!!」
シェテの拳撃が大蛇に穴を開け、さらに、拳から放たれた魔力の弾丸が、相手選手の意識を刈り取る。
『決まったぁぁぁぁぁぁ!!! 勝者シェテちゃぁぁぁぁぁぁん!!!』
『いい戦いでしたね。』
『Zzzz……………はっ! 試合始まった?』
『もう終わっちゃったよ!? フィーちゃん!』
『…………………………。』
『何? どうかした?』
『“フィー”呼び許してない。』
『そんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
『残念でしたね(笑)。おっと、それではこの試合はどうでしたか? フィーさん……………フィーさんとお呼びしてもよろしいですか?』
『ふふん、どうせ許してくれないだろうね~。』
『いいよ。』
『WHY? なして!? なんで!? 私はなんで駄目なの!?』
『なんとなく?』
『なんとなくのうえに、疑問系!? ただ、単純に私が嫌いなだけじゃないの!?』
『そうかもしれませんね。』
『ひどぉぉぉぉぉぉい(哀)』
やった! また勝てました!