解決
五十六話目です。
「すいませんでした！」
純白のドレスを着た、同い年ぐらいの少女が土下座した。
立ち上がると、少し後ろに戻り助走をつけて。
「ホンッット、すいませんでしたぁぁぁ！！！」
ジャンピング ＤＯ・ＧＥ・ＺＡ をした。
「本当、靴でも、なんでも、舐めますんでどうか、命だけは助けてください！ お願いします！」
どうして、こうなったんだっけ？
◇
時は少しさかのぼる。
さぁて、コイツらどうしよう？……………………
……………………………尋問しよう！
「尋問の時間だ！」
「キリキリはくといいですよ！」
「その通り。」
聞きたい事は呪いの解き方と、他の仲間がいるか、いるんなら何人なのか、話してくれるかな？
「フッ、私は何もしゃべりませんよ。」
「ボ、ボクもしゃべらないんだな。」
「わ、私だってしゃべらないんですから！」
しゃべらないだと！？ なら仕方ない、アレをやるしかないな。
「フィー！ シェテ！ 拷問プランＦだ！」
「ご、拷問プランＦ……………………」
「そ、そんな、それはあまりにも可哀想です！」
「えぇい、うるさい！ 責任は全部俺がもつ、準備しろ！」
「「さー！ いえっさー！」」
『い、いったいどんな拷問なんだ。』
『ワクワク』
『ドキドキ』
骸骨うるさい。
◇
「はぁ、はぁ、も、もう限界なんだな。」
太ったヤツは、息も絶え絶え、堕ちるのはすぐだな。
「ば、バカ諦めるたら終わりよ！『じゅるり』」
包帯女は、涎を垂らしている、こっちもすぐだな。
「ひ、卑怯ですよ！」
仮面の男は、目を血走らせている、こいつもすぐだな。
「フハハハハ、早めに諦めたほうがいいぞ、辛いんだろ、んん？」
俺は、口を大きく開けて…………………………
………………………魚のムニエルを口にした。
「うんまー！ フィー！ 美味すぎて、舌がとろけるわー。」
「ありがと。」
「本当ですよ！ 胃から全身に、幸せが広がります！」
「照れる。」
「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」」」
俺達は今、フィーが作った海の幸フルコースを味わっている、店を開ける美味さだぜ！
骸骨達も、後ろで食べている。
「ほらほら、食べたいか？ ホレ、あ～ん。」
「「「あ、あ～ん……………」」」
「やっぱ、やーめた！『ぱくっ』うんまー。」
「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………」」」
『な、なんて恐ろしい拷問なんだ。』
『目の前にある美味しい料理を食べられず、なおかつ目の前で美味しそうに食べられる…………恐ろしすぎる！』
『鳥肌がたつぜ。』
フハハハハ、この拷問で堕ちるヤツはいない！ 絶対にな、フハハハハハハハハハハハハハ！！！
「あぁぁぁぁぁ、もう限界なんだな！ なんでも話すから食べさせてほしいんだな！」
「何を言ってるんですか！」
「そ、そうよ！」
「ほう、では何故、呪いをかけた？」
「こきつかえる召し使いが欲しかったんだな。後、誰が最初に呪いをかけられるかゲームしてたんだな。」
な、なんだとそんな理由で、
「そんな理由で、呪いをかけていただと！？ 許せん！ 食べさせるのは無しだ！」
「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！」
『『『『『『『ひ、ひでぇ。』』』』』』』
骸骨うるさい。
「さぁて、次は仲間が他にいるか、何処にいるか、話してもらおうか？」
「だ、誰が話す「師匠、料理無くなりそうです。」か…………え？」
「ん？ そうか、ならさっさと食べようか。あぁ、可哀想だなぁ、話せば食べられるのになぁ。」
「あぁぁぁ、話す！ 話すから！ 食べさせて！」
「ず、ずるいですよ！ 私も話します！ 食べさせてください！」
「ボクも話すんだなぁぁぁぁ！！！」
よし、堕ちたか。
◇
「なるほど、姫が一人アジトにいるんだな。」
「その通りです。『モグモグ』」
「アジトまでの道のりは？」
「食べ終わってからでお願いします。『モグモグ』」
「罠とかありますよね。」
「あります。何処にあるかも話します。『モグモグ』」
よしよし、これでバッチリだな。
「んじゃ、骸骨達コイツら見張っておけよ。」
『『『『『『『あいあいさー。』』』』』』』
俺達は、アジトがある島に来た。何処に罠があるかも聞いたので、さくっと避けたり、扉を開けたりして、“姫”という人がいる場所まで来た。
「フィー、シェテ油断するなよ、アイツらも、“姫”って人が、どんな能力を持ってるか知らないらしいからな。」
「分かった。」
「はい！」
『ギギギィィ』
「よく来て下さいました、歓迎いたします。」
純白のドレスを着た少女が、微笑む、さぁて、どんな歓迎をしてくれるのかな？
そして少女は……………………
「すいませんでした！」
土下座した。
◇
話は冒頭に戻る。
「え、え～と。」
「許してくださぃ…………………」
声が、消え入りそうになっている、でも俺達まだ何もしてないんだけど。
「呪いを解いて。」
おぉ、フィーさんズバッと言ったね。
「へ？ 呪いってなんですか？」
どうやら、“姫”という人は呪いについて知らないのか。
「も、もしかしてうちの部下が、そんな事を……アイツら少しおどかすだけでいいって言ったのにそんな事してたの？ 後でお仕置きね。」
「どうやら、この娘は関係ないみたいだな。」
「だね。」
「骸骨さん達どうしましょう？」
「骸骨なら私がなんとかします！ ですから安心してください、神霊様とお連れ様！」
「「「え？」」」
「あ、私【種族】が“幽霊”でして。」
なるほど、そういう事か。
「んじゃ、後はよろしく…………………え～と？」
「あぁ、私“イノ”といいます、何か困ったことがあったら、何時でも言ってください！」
「そっか、ありがとう。」
その後、骸骨達の呪いは、1000年以上前からかかっている事が分かった、骸骨達はそれを忘れてたようだ、やっぱりバカだな。んで、イノに雇ってもらったようだ。
あの三人は、お仕置きとして３ヶ月の減給になったそうだ。
さぁて、獣人の大陸へ向けて再び出発しますか。
