“ふぁんとむ”VSフィー
四十五話目です。
フィー視点です。
◇
■フィー視点■
「ククク、またハズレですね。」
「めんどい。」
ふぁんとむが出した球体が、ふぁんとむに分身したせいで、どれが本物かわからない。
「こちらからいきますよ? 【シャドウニードル】」
地面から出てきた漆黒の刺をよける。
「素早いですね〜、これならどうです?【シャドウトルネード】」
「【シャイントルネード】」
光の竜巻と、影の竜巻がぶつかり合う。二つの竜巻が消えると。
「おや? 逃げましたか「【輝剣:極光】」おっと、危ないですね。」
「当たらない。」
ふぁんとむは、動きが素早く攻撃がなかなか当たらない。
「ククク、【影分身】」
また、ふぁんとむが分身する。
「めんどい。」
「アナタでは、ワタシに勝てないと分かりましたか?」
「そっちも、私を倒せない。」
「ククク、ならばお見せしましょう。ワタシの十八番であり、ワタシが“カゲ”の名で呼ばれる所以となった技を……………………………
………………………【トコヤミノセカイ】」
一瞬で周囲が暗転し、漆黒の暗闇に包まれる。
◇
「ここは?」
そう思ったフィーの肩に、痛みが走る。
「何?」
「ククク、分からないでしょう?」
「ッ!? どこ!?」
ふぁんとむの声が聞こえたが、上下左右、さまざまな方向から聞こえるため、場所の特定が出来なかった。
「ここは、ワタシが創った影の世界、光が届かない、漆黒の場所。」
今度は、足に痛みが走る。
「ククク、このままじわじわと、苦しめてあげましょう。」
◇
どうする? どうすればいい? こんな時は
『いいか、二人共今から、目が見えなくなった時の戦闘について教える。』
『『は〜い。』』
『いいか目は見えなくとも、聞こえる、匂いは分かる、他の五感は使えるんだ、大事なのは集中力だな。』
『なるぼど、なんとなく分かりました。』
『よし! じゃあ、石を投げるから目隠しして。』
『『え、石?』』
『顔とかは、狙わないから安心して、どこから石が来るか感じとるんだ。』
『『が、がんばる。』』
『おう、じゃあ、始めるぞ。』
よし、相手の動きを感じとる。
「ククク、いきますよ〜。」
……………………右!
「? おや、避けましたか、運がいいですね。」
次は上。
「ッ!? 何故?」
分かる、何処から来るのか、上か下か、右か左か、分かる。
「ならば、【シャドウダンス・ブラッディパーティー】!!!(全方位からの攻撃なら、どうです。)」
来た!
「【舞イ散ル流浪ノ刃】」
「な!? ぐはっ。」
暗闇が晴れる。
◇
「はぁ、はぁ、なかなかやるじゃないですか。」
「そろそろ、終わらせる。」
「ククク、ですが。」
「?」
『バキッ』
「ッ!?」
「その剣は、限界のようですね〜。」
「……………………………。」
「武器がないなら、ワタシの方が有利ですね。」
「(“アレ”をやるか。)」
懐から、紙を取り出すフィー、その紙には不思議な模様が描かれていた。
「そんなモノで、何をするつもりですか?」
「召喚! 【光の大精霊 サンクリエ】」
『はぁ〜い、呼ばれて、飛び出て、じゃじゃじゃ、じゃ〜ん。フィーちゃん何かようかな?』
「時間を稼いで!」
『りょ〜かい。』
「精霊召喚ですか、ですがそんなモノでは、ワタシは倒せませんよ。」
『聞いてなかったの?』
光の精霊は、可笑しそうに笑う。
「何ッ!?」
「ミーの仕事は、君の足止めだよ!」
「『我ここに求めるのは………………」
◇
「ッ!? 詠唱、させるか!」
『やらせないよ〜【シャインランス】』
「ちっ!」
「『絶望を断つ刃、希望を紡ぐ刃……………』」
『【シャインバースト】』
「くそっ!」
「『音の無い空間で、水に波紋が広がる………』」
「やらせるかー!」
「『我が名は、フィネア・ベル・アレクル。アレクルの名を継ぎし、選ばれし者。今ここに、蒼く輝くアレクルの宝を……………』」
『よし!』
「【武具召喚:碧流刀 アル・レイン】」
まばゆい光がフィーを包み、光が収まったとき、フィーの手元には、一振りの刀があった。
◇
『フィーちゃん、ミーは限界だから後は、がんばれー』
「うん、ありがとう。」
「ふっ、そんな剣でなにが出来ると?」
「剣じゃなくて、刀。それと……………
…………………ついてこれる?」
次の瞬間、フィーの姿はかき消え、ふぁんとむの左腕が切り落とされた。
「なんだと!?」
自信の腕を、影で形成しながら驚愕するふぁんとむ。
「駄目みたいだね。」
居合いの構えで、ふぁんとむに迫るフィー。
「くそっ!」
フィーからの、攻撃を避けつつ自信も攻撃を加えるふぁんとむだが…………
「遅い。」
「くっ!(なんて速さだ、かくなる上は………)」
「?」
「【シャドウバインド】」
影が、フィーの身体を包む。
「ククク、これで避けられず、逃げられません。」
ふぁんとむが、フィーを嘲笑う。
「私の大好きな人なら…………………」
「?」
ふぁんとむは、何故ここで、フィーの好きな人が出てくるのか理解出来なかった。
「私の大好きな人なら、勝つためになんでもする。」
フィーの周囲に、いくつもの光球が浮かび上がる。
「なっ!?」
「自分を犠牲にしても、【シャインバースト】」
『キィィィィィン』
「ふぅ、自分を犠牲にするとは、でもワタシを倒すことは出来なかったようですね。」
そう言って歩き出すふぁんとむ、だが、嫌な予感を感じ振り向くと……………
………………煙の中からフィーが現れた。
「なっ!?」
「“アレクル流王剣術”」
「くっ! 【シャドウ……………」
「【雨紅威朱】」
フィーの居合いの技が、ふぁんとむを切り裂く。
「がっ、ワ、ワタシの負けですか。」
ふぁんとむが倒れる。
「ふぅ、コユキを追わなきゃ。」
ふぁんとむVSフィー
勝者フィー
こんなに長くなったのは、初めてなきがします。
【雨紅威朱】は、“うぐいす”と読みます。




