幕間その7 柳家の非日常“狐お嬢様襲来”
幕間その7です。
タイトル見ても分かるようで、分からない。
今日の柳家は、子供三人の学校はお休み。久しぶりのゆっくりとした、休日になる………………
………………ハズだった。
「え!日月お嬢様が来るのか。マジか、母さん。」
「えぇ、そうらしいです。」
「久しぶりのゆっくりした休日が…………」
「兄上、日月お嬢様が、来るって本当ですか?」
「あぁ、葉影、そうらしい。」
「そうですか、………………伊月様は?」
「いや、お嬢様一人だけらしい。」
「そうですか、じゃあ、兄上頑張って下さい。」
「おい、待て葉影。逃げるきか?」
「お嬢様一人なら、兄上でなんとか出来るでしょう?」
「いやいや、無理無理。」
霊と、葉影が言いあいをしていると
「兄様!日月姉様が来るって本当ですか!」
「そうだが、……………はっ!お嬢様の相手は月音に任せよう!」
「前回は、ツキネとお買い物に行ったから、今回は、レイと行きたいわ。」
「…………日月お嬢様。」
「久しぶりねレイ!後、特別に“日月”呼びを許したのです。“日月”と、ちゃんと呼びなさい!」
『従妹』:“柳川 日月”(ヒツキ・ヤナギガワ)
備考:霊の従妹。皆からは、お嬢様呼びされている。力関係は、“柳川家”>“柳家”
霊のことが大好き、いつか伴侶にしようと思っている。そして…………
「ここなら、いいわよね。」
そう、言って、狐の耳と、九つの狐の尻尾をはやした。
……………九尾の狐である。
「さぁ、買い物に行くわよレイ!」
「お嬢様を呼び捨てには出来ません。後、その格好で行くんですか?」
「コスプレってことにすればいいのよ!」
「駄目です。バレたら俺、殺されるんですから。」
「むぅ、レイが殺されるのは嫌ね…………ふぅ、引っ込めたわよ、これでいいでしょ?さぁ、買い物に行きましょう!」
「はいはい、じゃあ、行ってくる。」
◇
「買い物とは、やはり、良いものね!」
「エエ、ソウデスネ。」
「どうしたの?棒読みになってるわよ。」
「イエイエ、ソンナコトハアリマセン。」
「そう?」
「ソウデス。」
「ならいいわ。」
「あ!カフェがあるわよ!入りましょう。」
「ハイ。」
「うふふ。(もしかして、“あ〜ん”とか出来ちゃったりするかしら…………いえ、やってやるわ!)」
「あれ?柳くんじゃないですか?」
「むっ!」
「あぁ、深山さんか、こんにちは。」
「はい、こんにちは。……………ところで、隣の女性は?」
「え?あ、あぁ、い、従妹だよ、従妹の日月。“柳川 日月”っていうんだ。日月こちら俺のクラスメイトの“深山 小雪”さん。」
「従妹………そうですか。(彼女じゃなくてよかった。いや、まだ分かりません、探りをいれないと。)」
「日月………レイに日月って呼ばれた。えへへ。」
「あ、二人共ちょっと、お手洗いに。失礼。」
◇
「柳くんとは、どういう仲なんですか?」
「ふん!そ、添い寝する仲よ!(前に一度、レイが寝た後に布団に潜りこんで、朝、起きる前に出たから気付かれてないと思うけど…………。)」
「な!?わ、私は、ほっぺにちゅー、した仲ですよ!(前にお見舞いに行った時、寝顔を見てたら我慢出来ず一度だけ…………気付いてないと思いますが……………。)」
「な!?私のほうが従妹だから、仲がいい!」
「クラスメイトの私のほうが、仲がいいです!」
「「むむむむむ!」」
「お待たせしました。……………あれ?二人共睨みあって、どうしたの?」
「「なんでもない!」」
「あ、ソウデスカ。」
「レイ!行くわよ!」
「はい、というかなんで、腕を組むんですか?」
「わ、私も一緒に行きます!」
「え?まぁいいですけど、深山さんも、なんで、腕を組むんですか?」
「「なんでもない!」」
「あ、はい。」
◇
「ただいま。」
「お帰りなさい、兄上。大丈夫ですか?」
「ハハハ、葉影、女性には気を付けろよ。」
「はい、なんとなく分かりました。」
小雪と、日月はこの後、仲良くなりました。