暗躍
二十八話目です。
レイ視点と言っていたな、あれはほんの少し嘘だ!最初はフィーの妹の、リディア視点です。
「あれ、あなたは確か?」
お部屋に戻ると、昼間お姉様と一緒にいた、男の人がいました、どこから入られたのでしょう?
「よぉ、やっぱり俺のことが見えるのか。」
? どういうことでしょう?
「あの、“見える”とは、どういうことでしょう?」
「あぁ、それについてはそのうち分かる。」
ますます分かりません。
「それより、お妃様はどうしてるんだ?」
何故そんなことを聞くんでしょう?まぁ、お姉様が一緒にいましたし、話ても大丈夫でしょう。
「お母様なら、今ご病気でして、私もどこにいるか分からないんです。」
「病気か…………なるほど“そういうこと”になってるんだな。」
「あの、“そういうこと”とはいったい。」
「俺は今から、お妃様の所に行く、ついてくれば、分かるんじゃないか?」
そう言うと“扉をすり抜けて”行ってしまいました。もしかして幽霊?少し怖いですが、気になりますので、ついていきます。
◇
■レイ視点■
さてさて、早速お妃様の居場所を探りますか。
「何処にいるか分かるんですか?」
フィーの妹ちゃんにそう聞かれたので、正直に。
「知らん!」
「じゃあ、どうするんですか。」
「分からなかったら、“視”ればいい。」
「“視”る?」
「リディア様どうかしましたか?」
「あ、いえなん「ちょうどいい。」でも、え?」
「【憑依】」
ふむふむ、何も知らないと。
「【憑依】解除っと。」
「なにをしたんですか?」
「記憶を“視”た。」
「え!?そんなことができるんですか!?」
「まぁね。」
◇
「さて、やっと居場所が分かったな。」
「何処なんですか?」
「“魔封じの塔”って所にいるらしい。」
「“魔封じの塔”ならこちらです。」
◇
「ここが、“魔封じの塔”です。」
「そういえば、なんで“魔封じの塔”なんて、名前なんだ?」
「ここでは、“魔力”が使えないんです。」
「なるほど、【魔法】や、【魔力刃】、【魔力纏】なんかが、使えないんだな。」
「はい、そうなんです。」
「…………………もしかして、お妃様って、魔法の達人だったりする?」
「はい、よく分かりましたね。」
「まぁ、こんな所に閉じこめる必要があるんだ。魔法の達人の可能性が高いと思ってな。」
「すごいですね。」
「まっ、とりあえず入りますか。」
「おや?王女様どうかされましたか?」
ここは、目的を黙ってなんとか侵入を……………
「ここに、お母様が閉じこめられていると、聞いてきました!いますぐ解放してください!」
言っちゃったよ、どうしよ。
「な!?おい、どうする?」
「こいつも、捕まえちまおう。」
「そうだな。」
「あわわ、どうしましょう。」
「はぁ、ったく〔インドラ〕」
「「ぐぁぁぁ!!!」」
「すごいです!でも、ここでは魔法は使えないハズじゃ?」
「魔法じゃないからな。それより、早くお妃様を助け出そう。」
「はい!」
◇
「ここだな、ほいっと。」
『ボンッ!』
「何?」
「お母様!」
「リディア!助けに来てくれたの?」
「はい!」
「それで、彼は?」
「あぁ、俺はフィー………フィネアと一緒に旅してた者です。」
「へぇ〜、あの娘、幽霊と一緒に旅してたのね。」
「分かるんですか?」
「えぇ、他の幽霊も見たことがありますからね。…………それより、フィネアを助けに行かなければなりませんね。」
「そうですね、とりあえず俺が知っている情報を話ます。」
◇
「…………と、いうことです。」
「ガーネル様が!?なんで。」
「事情は分かりました、早く助けに行きましょう。」
『ガァァァァァァァァァ!!!』
「ッツ!?この声は?」
「マズイな、………………すみません、俺の仲間がピンチのようなので、向かいます。これにて失礼!」
そう言って壁をすり抜け、シェテのもとに向かう。
「待ってろよ、フィー、シェテ。」