仲間
二十四話目です。
「師匠!お帰りなさい。」
「あぁ、ただいま。」
「あれ?フィーさんは?」
「実は…………………
◇
………………ということなんだ。」
「じゃあ、のこのこフィーさんを連れてかれたんですか?」
「……………………。」
「なんで止めなかったんですか!」
「……………………。」
「ずっと、一緒に旅してきた仲間じゃないですか。」
「……………アイツが決めたことだ、それにアイツの問題だ。」
「なんですかそれ!?見損ないました師匠!私だけでも助けに行きます!」
「……………………。」
「師匠のバーカ!!!」
◇
これでよかったんだ、“アイツ”の問題だ。
ーーー本当にいいのか?ずっと、いっしょに旅をしたかったんじゃないのか?
したかったさ!でも、“アイツ”は笑ってた。止めなくてよかったんだ!
ーーーお前が“アイツ”の何を知ってるんだ?王女だってことも知らなかったくせに。
それは“アイツ”が言わなかったから!
ーーーそれでもお前は気付けたハズだ、鑑定で“アイツ”の本名を知ってたからな。
それは!
ーーーいつまで、自問自答しているきだ?さっさと助けに行け。フィーも、シェテも、シェテの過去を見たんだろ?“アレ”を発動したら、暴走するかもしれないぞ?
だって、“アイツ”は笑って!
ーーー本当にそうか?よく思い出せ。
あの時“アイツ”は…………………
……………………悲しそうに笑ってた。
あれ?“アイツ”は本当は?
ははっ。なんだよ俺の勘違いかよ。
ーーーやっと気付いたか?
あぁ、ありがとな。
ーーーいいってことよ、だってお前は…………………
……………………“俺”だからな。
あぁ、ありがとな、俺。
◇
自問自答が終わった。
「さて、一言文句を言わなきゃな。後、謝らないとな。」
さて、行くか。