forever sky ーあの空は永遠に輝くのだろうー
百話目です! 最終話です!
「見つけた!」
ヒツキに上げる予定の『白炎封紅玉』を額に付けた狐を見つけた。
『白炎封紅玉』は、赤色の透明な石の中に、白い炎が揺らめいて見える宝石だ。
「〔土神の檻〕」
土の檻を使い閉じ込めるが
「なっ!?」
それをものともせずすり抜ける。霊体なのか?
「霊体には、霊体だよな。」
全身を霊体化して、狐を追う。時折霊体にも効果のある炎を撃ち込んでくるが、遅いので簡単に避けられる。
「よし! 捕まえ………え?」
捕まえようとしたら、狐が消えた。そして、少し離れた場所に現れる。怪しいと思ったので、【神眼】で確認すると、案の定幻だった。
「本体は………そこだ!〔混沌の沼〕」
闇の霊術を使い、特殊な沼を本体の狐の足元に創りだす。
「それじゃ、宝石貰うぞ。」
狐の額にある宝石を取り出し、狐を解放する。後一つ。とりあえず、今まで手にいれた宝石を、指輪に嵌めていく。………これで、よし!っと。
最後の【宝石獣】を探すため、立ち上がった時。ナニかの視線を感じる。
ゆっくり振り向くと、木々の間から差し込んだ、日の光に照らされ、キラキラ輝く銀色の羽毛をした、空色の瞳の鳥がいた。その額には最後の宝石。蒼銀色に輝く『白夜瑠璃』があった。
「もっと、時間かかると思ってたんだが。」
じっと此方を見ている鳥に、先制攻撃を当てようと思う。
「〔雷神の槍〕」
雷の槍が飛んでいく。鳥はそれを避けもせずに、その身体で受ける。
「どうだ?…………なっ!?」
槍が当たった鳥は、その身体を銀色の炎に変える。そして、直ぐに元の鳥の姿になった。
「成る程。不死鳥か……」
不死鳥が一声鳴いて、銀色の炎を飛ばしてくる。それを避けると、不死鳥が、飛び去っているところだった。
「逃がすか!」
全速力で、不死鳥を追う。しかし、速さは同じぐらいなので、差が縮まらない。身体が炎に変わると、減速するようだが、直ぐに元の速さに戻る。
「う~ん。どうするか?……………ん? もしかして………」
気になる事があるので、不死鳥に向かって、雷の槍を飛ばす。槍が当たった不死鳥は、身体が炎に変わる。
「やっぱり!」
身体が炎に変わる時、額の宝石だけは、炎に変わらなかった。ソコを狙えば!
「よし!〔雷神の槍〕」
不死鳥に雷の槍が当たり、炎に変わる。その瞬間俺は、輝く宝石を手が火傷するのも構わず、掴み取った。
そのまま飛び去って行く、不死鳥を見送り、手を開く。そこには、『白夜瑠璃』があった。
「これで、完璧だな。」
最後の宝石を指輪に嵌める。
後は、フィー達に渡すだけだ。
◇
「よお! お疲れ。」
「無事、見つけられたみたいだな。」
「ミッションコンプリートだな。」
「……………。」
四人で笑いながら、“幻夢の樹海”を出ると
「「「「「「「待ってたよ♪」」」」」」」
なんか、ニコニコ笑顔の女性陣が………ちなみに、目は笑っていない。
前までなら、逃げるところだが、今は都合がいい。
「えーと、先ずはコユキからかな?」
「え?」
コユキに、指輪を箱ごと渡す。
「あ、あの開けていいですか?」
「ん? おう。」
「では………わあ!」
箱を開けたコユキが笑顔になる。他の三人がソレを見て、箱を覗きこみ、驚く。
「ありがとうございます!」
「コユキだけ?」
「いや、師匠は『コユキから』って、言ってました。私達の分もありますよ!」
「そうね、あるわよね? レイ。」
「おう。ほらっ。」
フィー、シェテ、ヒツキにも、指輪を渡す。
アルタ達の方を見ると、各自かなり喜ばれている。
「フェノ様、このために?」
「………………。」
「でしたら、言ってくれれば………」
「……………。」
「サプライズ………そうですか。」
「あ、ありがとう、ベル。」
「いや、まぁ、突然で悪いな。何かの記念日でもないのに。」
「いいのよ。貰えた事が大事だから。」
「ま、喜んでもらえたようで、何よりだ。」
「………ベル。」
「アルタ、似合う?」
「あぁ、すごく似合ってる。」
「うふふ。ありがとう。」
「いや、似合ってて良かった。」
「似合ってなくても、嬉しいよ。」
うんうん。上手くいったようで、何よりだ。
「「「「「「「本当にありがとう」」」」」」」
女性陣の言葉に、ホッとする俺達。
「「「「「「「…………でも。」」」」」」」
ん?
「おあずけ。」
「そーです! 我慢したんですよ!」
「この一週間、私達がどんな気持ちだったか分かりますか?」
「後悔させて上げるわ。」
「ふふふ。フェノ様、覚悟してくださいね。」
「ベル。ゆっくり話合いましょうか?」
「アルタ、凄いオシオキして上げる♪」
一瞬で顔が青くなる俺達四人。
各自の奥さんに引きずられながら、俺達は同じ気持ちだっただろう。
『きっとあの空は何時までも輝くのだろう。』
そう現実逃避しながら、これから待っているであろう出来事を想像し、静かに涙を流した。
ーthe endー
作「終わったぁぁぁぁぁ!!!」
霊「ここまで見て頂き、誠にありがとうございました。」
作「『幽霊は異世界ではモンスターのうちに入るのだろうか?』は、これで終わりですが、二作品目はまだまだ続きます。」
霊「作者。」
作「何?」
霊「三作品目も考えてるそうだな?」
作「…………………(汗)」
霊「ギルティ!」
作「結局こうなるのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
『ピチュン』(作者死亡)
一応終わりです。今まで見て頂き、誠にありがとうございました。