デート前
八十九話目です。
「えー、では、レイの結婚を祝って!」
「「「「「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」」」」」
父さんの号令とともに、乾杯する俺達。にしても、今日は凄いご馳走だ。
「いやー! めでたい、めでたい! 今日は良い日じゃ!」
「本当ですね、旦那様。」
そうかな? よく分からん。
「レイさんが帰って来たのも驚きですけど、お嫁さんを四人もつれてくるなんて。ねぇ、ミカゲさん。」
「そうだな、ツクヨ。」
俺もびっくりだったよ、気付いたら奥さんが四人なんて
「そういえば、兄様はいつもまでいるんですか?」
「そうですね。兄上、いつまでいるんですか?」
「ん? 三日間だな。」
ツキネとハカゲの問いに、正直に答える。すると
「それなら兄様、明日はデートに行ったらどうですか?」
ツキネ、それは俺も考えた、フィーとシェテを案内するついでにな、だが、直ぐに分かった。そんな事したら、俺は確実に疲れる。肉体的にも、精神的にも、だから、黙っていたんだが。言ったからにはおしまいだ。
「「「「デート。」」」」
HAHAHAHA。気付かず終わらないかな? と、思っていたが、駄目でした。これは、確実に明日はデートだ。うん。
◇
地球にきてから二日目の朝が来た
「あれ? 兄上まだいるんですか?」
そう。フィー達はもう出掛けた、しかし、俺は残っている。
「なんでも、待ち合わせがないデートは、デートじゃないらしい。」
「成る程。今頃皆さん、ナンパにあってそうですね。」
「かもな。それじゃ、そろそろ行って来る。」
「兄上、頑張ってください。」
「おう。」
家を出て、待ち合わせ場所の駅前に向かう。にしても、シェテは虎耳どうするんだ? 尻尾は隠せるとして。あ、帽子かな?
そんな事を考えながら歩いていると、駅前に着いた。四人の居場所はだいたい分かる。視線が集まってるからな。
「いた。」
見つけた。四人並んで待っている。にしても、あの服選んだの誰だよ
まずは、フィーだが、服とスカートが一体化しているワンピースタイプだ。しかし、服が身体にフィットしていて、スタイルが丸わかりだ。男どもが不埒な視線を向けている。
次に、シェテだが。頭にはベレー帽みたいな帽子をして、虎耳を隠している。ショートパンツを履いており、一部の男どもはその美脚に釘付けだ。
お次はコユキ。清楚な感じの服を着ていて、まるでお嬢様だ。おそらく、男どもにとっては一番話し掛けにくいだろう。しかし、チラチラ見ている男は一番多い。
最後にヒツキ。ある意味一番ヤバい、胸を強調するような服を着ていて。しかも、おへそが見えている。シェテと同じくショートパンツを履いているが、ヒツキの場合はエロさを強調する結果になっている。
ハッキリ言おう、こいつらナンパ出来るヤツいるなら出てこい! ナンパ師でも気後れするわ! こんなタイプの違う美少女四人いたら、見るだけでお腹いっぱいです!
いやいや、俺今からあの四人と一緒に、デートするの!? 無理無理、嫉妬の視線で死ぬわ!
「だがしかし、行くしかない!」
俺は覚悟を決めて、歩き出した。




