悪夢の日が始まった切っ掛け
今回も、主人公に名前はありませんが、登場人物が多かったのでそれぞれに名前があります。
登場人物、お店の名前、ストーリーは全て架空です。実在する団体名とは一切関係ありません。
今回は3話完結になってます。
宜しくお願い致します。
友好祭の興奮が治まらない私は、仕事が終わってから、在日米軍基地のゲートから近い酒場へ行くようになりました。フィリピン人の夫婦が経営している『Jones』と言うバーや、アメリカの黒人男性が経営している『verse』と言うバーを見つけたので、週末の金曜日の夜になると体がウズウズしてきて、外国人が集まる酒場に通うようになちゃいました。
英語をもっと話せるようになりたい、願わくば素敵な出会いがあれば・・・と思ったからだったのですが、それが私にとって悪夢のような日々になりました。
同じように、アメリカ人男性との出会いを求めて『Jones』に来ている日本人女性も多数いました。
その中で、顔見知りになって毎週の金曜日の夜にバーで待ち合わせて一緒にお酒を飲むようになった女性が2名いました。
因みにJonesには、白人のアメリカ人男性客が多く、時々黒人アメリカ人男性が来るような感じで、verseは、その逆で黒人男性客が多く、白人男性が時々来るような感じでした。
そして、その『Jones』では世話好きな日本人の中年男性が常連客で、私達にアメリカ人を紹介してやると言っては、何かしらコーラーや食べ物を半ば強制的に奢らされるようになりました。
その日本人男性は、55才位で英語が流暢に話せて素性を聞いたところ、昔はアメリカ人女性と結婚していて、アメリカに住んでいた経験もあると話していました。
その人は、皆にリッチと呼ばれていました。アメリカンネイムがRichardらしいです。自宅で犬の世話をしていて外国人相手にトリマーをしていると話していました。トリマーの資格を持っていて、アメリカのどこかの州のコンテストに優勝した経験がある実力者で、顧客も多いとか話していました。
そんな話よりも、どうやって私達に独身の現役軍人さんを紹介をしてくれるのかを聞くと、「日本人女性を探している米兵は沢山いるから安心して待ってろ。」ってな感じでした。
リッチは、神出鬼没で不定期にその『Jones』に現れて、近隣のバーの『verse』のお客さん又はリッチの友人からの情報を仕入れては私達が集まる『Jones』に金曜日の夜に再びやって来るらしいのです。
過去には、紹介して何組か実際に交際して結婚まで成立したカップルがいると自負していました。
私達は半信半疑で、リッチの言葉を信用せずに聞き流すようにしていました。
ある日、リッチが「お前の好きそうなタイプを見つけたから、明日の土曜日に『Jones』においで。」と私に言ったのです。一緒にいた顔見知りの女性客2名に私一人で来るのは気が重いと打ち明けて、翌日も真由美さんと奈々子さんにも来て貰う約束をしました。
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土曜日の夜、指定された時間よりも約30分程遅くその『Jones』に到着しました。
私は、仕事が終わってから家に戻り、ジーンズにTシャツ姿から着替えて半袖のAラインワンピースにヒール4㎝のサンダルを履いて行きました。
アメリカ人男性がバーのコーナーの席に8~10名程座っていて、その脇にリッチがウロウロして、私の到着を待っている様子でした。アメリカ人男性に向かい合うように私の知り合いの女性客2名と全く知らない女性達が混じって座っていました。日本人女性は総勢7~8名程いました。
その光景は、まるでお見合いパーティのようでした。
お店の中はそのお見合いパーティに参加目的で来たお客さん達以外にも数名のアメリカ人男性がカウンター席で飲んでいて、結構店内は混んでいて大騒ぎになっていました。
私は少しビビりました。こんな大勢でパーティするなんて聞いていなかったし、どうやってこの雰囲気の中に入って行けば・・・と思っていたら、リッチが店の外に出て来て私の腕を掴み店の中へ導いてくれました。
「彼女が話していた日本人だよ。誰かお持ち帰りしたい奴いるか?」とリッチが言って笑いの渦が起きました。リッチからすると冗談で言っただけで、それがウケた様子でしたが、私にしたら『何、この雰囲気・・・?』と警戒心がMAXになり全く打解けれませんでした。そんなアメリカンジョーク(?!)なんて笑えないって思いました。
数分間その場で立ち尽くしていたら、白人男性が傍にやって来て「こっちに座りな。」と言って席を用意してくれました。彼は背が178㎝位で中肉中背の眼鏡を掛けたハンサムで、金髪に青い目をした紳士的な男性でした。彼は皆にMikeと呼ばれていました。
男性陣も女性陣も年齢はバラバラで、20代前半から40代前半までが混合していました。
男性陣は、白人の中に2人ほど黒人のアメリカ人がいました。女性陣は全て日本人でした。
お見合いパーティは、時間と共に盛り上がって席を移動しながら、徐々に1対1で話す機会がありました。
日本人女性の中には、その日会ったばかりの男性にお持ち帰りされていた人もいました。
大体がこのバーの常連客だったみたいです。私は週に1度、金曜日の夜にしか行っていなかったので詳しくは知りませんでした。
私は、数名の男性から手渡された携帯電話と名前が書かれたメモを貰って、その日はお開きと同時に帰宅しました。
金曜日の夜にこのバーに来た時に、数回程見かけていた男性も2人ほど居ました。
そのうちの一人は、この近所のマンションに住んでいると言ってました。
身長が165㎝くらいの筋肉質で目が深い青色の瞳をしていて、髪の毛が栗毛色でショートヘアで刈り上げ姿なのに少し天然パーマぽく両サイドがクルクルしていました。彼は皆にDebiと呼ばれていました。
もう一人の男性は、基地内のDormitoryと言う単身者の寄宿舎に住んでいると言ってました。
身長が168㎝くらいのガッチリした体型に、金髪の角刈りで瞳がコバルトグリーンで澄んだ色の目の持ち主でした。彼は皆にJと呼ばれていました。
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翌週の金曜日の夜にも『Jones』に行き、仲良くなった女性客2名と落ち合いました。
その女性の名前は、1人が真由美さんで34歳と、もう1人は奈々子さんで36歳でした。
2人は、昔金融関係の仕事をしていた時からの友人らしく、転職後もずっと友人関係が続いていて時々真由美さんが住んでいる街で飲み歩いていると言ってました。
彼女達に、前回のお見合いパーティについて話を聞いたところ、彼女達は白人よりも黒人好きで既に彼氏らしきパートナーがいると話してくれました。
正式な彼氏では無く、体の関係だけの付き合いで割り切って交際していると聞いて私は驚きました。
それでも、甘い言葉を囁いてくれる黒人男性が好きで、時々クラブに行っては黒人男性を捕まえていると言ってました。
私は、まだ20代前半でそんな大人な世界のお付き合いは到底無理だと思っていました。
別に処女では無かったけど、やっぱり誰とでもHするって気にはなれませんでした。
やはり交際をしている彼氏とHした方が気が楽だし、Hしている時間も苦痛ではないと自分なりに思っていたからかも知れません。
そこに、リッチが突然現れて、「この前のアメリカ人男性の中に気に入った奴はいたか?」と唐突に私に話し掛けて来ました。私は少し考えて「Mikeかな?」と答えました。
そしたら、「Mikeもお前を気に入ったって言ってた。だから、取り敢えず、お試しで寝てみろ。」と言われました。
その一言にすごくビックリしました。真由美さんも奈々子さんも私をお子様扱いをしながら笑ってるし・・・。
「イイかぁ、男なんて結婚を考える前に、女との性行為で体の相性を見るのが先なんだ。それをいつまでも拒んでいたら、交際どころか国際結婚なんて出来ないぞ。」とリッチに言われました。
そして続けて、「Mikeは、16号沿いのマンションに住んでいるって言ってたから、今から電話して行っても良いか聞いてみろよ。お前、Mikeの携帯電話貰ったんだろ?」と言われました。
今日の今日?って言われても意味わからない私は、取り敢えず勢いでMikeに電話をして、「明日、私の仕事が終わってから会えますか?」と質問してみました。彼は「大丈夫、16号沿いのラウンドワンの駐車場に何時に来れる?」と聞かれたので、「多分、夜8時過ぎには行けると思います。」と答えてしまいました。
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そして約束した翌日に待ち合わせ場所でMikeに会って、彼が先導するマンションの1室に初めて行きました。2LDKの広めの間取りに、土足で生活をしていて玄関で靴を脱がなくても良い状態で、キッチン脇のリビングルームに面して奥に寝室があり、クイーンベットが窓側に面して置いてありました。
窓から見える夜景が綺麗だったけど、彼がカーテンを閉めて私をベットサイドへと手招きしました。
心の準備が出来ていない私はその場で足踏みをしていたのですが、彼が急にお姫様抱っこで私を抱えてベットの上に連れて行かれました。
家に来た時点で、同意した事になるんだ・・・とこの時に気付きました。
もう、逃げられない・・・・拒否も出来ない・・・体を委ねる決心をして初めて交際もしてない男性とHしちゃいました。
一晩で彼に2回も求められて、久し振りの痛さと高揚感で自分を忘れてセックスを楽しんでいました。
ベットの上で朝まで一緒に過ごして、日曜日の昼頃に目が覚めた私は、彼がシャワーを浴びて出てきた姿を見て、我に返りました。
Mikeは、これから出掛けると言ってたので、私は帰り支度を済ませてさっさと彼の家から去って自宅に戻りました。
一人であの夜のことを考えると、まるで娼婦のような行動をしてしまった自分自身を責めました。
でも、この夜の出来事を切っ掛けに、私はbutterflyになってしまったのです。
Mikeとも時々会ってはHだけする関係で、それ以上関係が発展することはありませんでした。
しかも、Jonesのお見合いパーティで知り合った日本人女性の由希子さんともMikeは体の関係を持っている事を後で知りました。
その衝撃に耐えられなくなり、毎週末になると外国人が集まる酒場Jonesへ足を運び、始めは真由美さんと奈々子さんとの会話をしながら、楽しくお酒を飲んでいても、帰り際に白人男性に誘われると断らずに付いて行くようになってしまったのです。
Debiにも声を掛けられてホイホイと自宅まで付いていきHしちゃったし、Jにも声を掛けられてホイホイと基地の中にあるDormitoryにも付いて行き、Hしちゃいました。
他の常連客の白人男性のPaulや、黒人男性のJoeとかAndrewとかにも気軽に応じてしまったのです。
その上、人の肌恋しさに飢えてしまい、会ったばかりの白人男性とも体を重ねて、自分の寂しさを埋めるようにもなりました。男性依存症って言うのか、セックス依存症って言うのか分からないけど、そんな感じに陥ってしまいました。
それがバーの常連客の人達で噂になり、いつの間にか私のあだ名はButterflyと名付けられました。
そして、私達の間で「もしかしたらリッチは、アメリカ人の男性に日本人女性を紹介して、その紹介の報酬料として1人いくらかでも貰っているのかも知れないね。だから、あんなに必死になって紹介しているのかもね?」と話が出てました。
バーの常連客で仲良くなった日本人女性の京香さんと話すチャンスがあったので、「リッチは紹介料として報酬を貰っているのではないかとの疑惑話が私達の間で出たのだけれど・・・何か知ってますか?」と聞いてみたのですが、彼女は「そんな事は知らないけど、このバーに来ている人達は真面目な交際相手を望んでいないよ。単にセックスフレンドを探しているだけだよ。私も殆どの白人男性とセックスしたけどね。あなたも陸軍所属のOfficerのBrianを知っているでしょ?あなたも彼とセックスしてみたら? 彼はSM好きで、ふざけて体を縄で縛ったりするんだよね。楽しいいよ。」と衝撃な告白をされました。
主人公は、今後どうなって行くのでしょうか?
次回で完結となります。
※英語のバタフライの意味は蝶々なのですが、このストーリー上の意味では、『八方美人』や『男性から男性に渡り歩く女性』という意味で使っています。
宜しくお願い致します。




