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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第2章「七剣姫編」
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遅くなりました!色々忙しかった...。今回も宜しくお願いします!

「猊下!どういう事なのです!シュレアに戦争を仕掛ると言うのは!アスカントの偉業を、千年の平和を壊すおつもりですか!それに、我等には戦を仕掛ける理由が無いではありませんか!」


教皇の部屋に慌てた様子で入って来た鎧を纏う凛々しい男の声が響き渡る。


「来ましたかアルビオ。はい、理由はあるのです。だから聖騎士隊長の貴方を呼んだのですよ。」

「理由とは何なのですか!」

「聖女奪還です。今朝、上級巫女五人全員が死亡しているのが見つかりました。その時駆け付けた者が言うには、死にかけの巫女の一人が『聖女は今シュレアに捕まっている。聖戦に勝ち聖女を解放せよ。』とだけ喋り息絶え、声は別人の物だったと。これは紛う事無き神託です。」

「神託...!?だがそれだけでは決定的証拠にはなりません!」

「いえ、私の持つこのメダル。これが指し示す位置は魔大陸ではなくシュレア、しかも王都でした。つまり、聖女様は王都に囚われているのです。」

「まさかメイファ様が持っていた首のコインは!...猊下貴方という人は!」

「これも聖女様を守る為です。アルビオ、貴方なら分かると思いましたが。」

「分かるはずが無い!貴方を動かしているのは聖女様への想いでは無い!ただの独占欲だ!...今回の戦、私は辞退させていただきます。」


アルビオの言葉にキュレアデアは一瞬驚く様な表情をする。


「貴方の聖騎士長としての地位を剥奪すると言ってもですか?」

「ええ結構です。元よりそんな物飾りでしか無いのですから。」

「なっ...では...。」

「私は私のやり方でメイファ様を救ってみせます。...今までお世話になりました。私が疑問を感じたのなら、私の神はもう死んだのかもしれませんね。では。」


そう言いアルビオは部屋から出て行ってしまう。一人になった部屋でキュレアデアは椅子に深く腰掛けながら溜息をつく。


「主の考えに背いてまでもこの感情を抑え切れないという事は、私の神もまた死んでいるのですね...。」




「ヨハン!ティエレ!居るか?」

「なんだ騒々しい。」

「済まないが今すぐ出発するぞ。直ぐに支度を済ませてくれ。」


アルビオの珍しい慌て様にヨハンとティエレは驚く。


「どうした?何かあったのか?」

「メイファ様は王都に居るらしい。教皇猊下はメイファ様奪還の為に戦争を起こす気だ。」

「戦争を?本気か?」

「恐らく猊下はやるだろう。あの時会った死神殿...彼女に会えればどうにか出来るのだが...。」

「我等でメイファを助け、なおかつ戦争も止めるのか!良いだろう!」

「全く、面白そうな事になって来ましたねえ。」


三人は各々準備を済ませ必要な物を買った後、シュレア王国に向けての旅に出たのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「中々、深いですね...!まだ二階層にも来ていないのに。」

「団長が粗方殲滅したのだが...恐るべきスピードで修復されている。壊した箇所を見つける方が難しいなこれは。」

「ダンジョンってのは生きてるって言うからな。俺達も分からないことだらけだ。」


俺達は先程のゴーレム戦の後、次の階層に行くべく進んでいた。しかし意外に深く二階層の主にはまだ会えていなかった。


「ふむ...今気付いたが、少し前に来た時と構造が変わっているな。」

「そうなのかい?」

「雑魚が湧かずボスだけが出る構成になっている様だったが...。」


ボスラッシュか。でも一階層目からあのゴーレムは少し難易度が高くないかな...?


「次、広い所に出るね。皆準備を。」

「おうよっ!」

「ええと次は...よしっ!」

「行きますよ!」


五人で一斉に広い空間に出ると、そこには骨で出来た巨大なドラゴンが居た。見えているのか分からないが、骨だけの竜はこちらを見て突進して来る。


「なんだありゃ!?」

「ボーンドラゴンか...!竜の果てが何故こんな所に...?」

「来ますっ!退避を!」

「わわー!?」

「何やってるルリィ!避けろ!」


俺達は何とか突進を回避する。ルリィさんもガングさんが抱きかかえたおかげで無事だった。


「ありがとうございます...。」

「大丈夫だ!それよりルリィ!何か呼び出してくれ!」

「わ、分かりました!来て!"アクタイオ"!」


ルリィさんが名前を呼ぶと本から青い竜が飛び出して来る。竜は一度伸びの様にした後、跳ねる様に飛び回る。


「お嬢ー!!お久し振りです!!本の中からお嬢の様子は見ていましたがハラハラドキドキの連続でしたよ!」

「えっそうなの?...じゃなくて!アクタイオ、今はあの骨の竜を倒さなきゃいけないの。力を貸して!」

「勿論ですとも!行きますよおー!」


アクタイオは体に水を纏わせ骨の竜に向かって凄まじい速度の突進を放つ。


『グガガガガ...。』

「こうもあっさりとは...アレッ!?」


骨の竜は一度バラバラの骨になった後、直ぐに集まって竜の形を取る。


「どうなってんだあアレ!」

「バラバラにするだけでは決定打にはならないらしい。一つ一つパーツを粉微塵にするか...もしくは、一撃で蒸発させれば大丈夫だろう。」

「そんなモン今は無いぞ...。」

「仕方無い。バラバラにしながらパーツを粉々にして行こうか。行くよッ!」

「はいっ!」


アルハムは手に持ったエクスカリバーを持ちながら何かを呟く。すると、エクスカリバーが輝きを放ち始める。


「吹き飛べっ!"インパクト"!」


エクスカリバーから放たれたヒカリの衝撃波は骨の竜の張ったバリアの様な障壁に激突し、骨の竜はまたもバラバラになり吹っ飛んで行く。


「今だよ!」

「了解!てやあっ!」

「こういう事か!頭良いぜお前!」

「一撃で解体出来るとは...ふむ。」


俺達は吹き飛んだ骨の方に行き、手当たり次第に目に付いた骨を粉々にしていく。骨は意外に硬く、攻撃している間に骨はまた竜の形になる。


「早!でも少し小さくなってる...?」

「本当だ。この調子で...何か構えてるぞ!?」

「不味いな。避けろ。」

「そんな事言ったってー!?」


大きく顎の骨を動かし、骨の竜は口にあたる箇所から黒い熱戦を放つ。


「熱ー!?」

「ボーンドラゴンは魔力で体を保っているからな。あれぐらいの魔法、造作も無いだろう。」

「次は頭狙わねえとヤバいじゃねえか...。」

「もう一度行くよ!魔力解放!"シャイニングブレイカー"!!」


エクスカリバーから放たれる光を前にしても骨の竜は怯むこと無く魔法陣の様な物を展開し、それを見事弾いて見せる。


「アイフィールドか!?」

「貸してみろ。」

「え!?」


クアンタはアルハムからエクスカリバーを勝手に取ると、詠唱等も無しにギミックを解放する。


「力任せに......叩き潰すッ!」


光り輝くエクスカリバーを片手で持ちながら骨の竜に渾身の斬撃を叩き込む。骨の竜はまたもバラバラに吹き飛んで行く。


「フッ、剣はこう扱う物だ。」

「アイエエ...。」

「早く返してくれっ!」


『心骨』と言う骨の竜の体を保つ役割の骨をクアンタが見つけ潰した事で、ようやく俺達は骨の竜に勝利する事が出来た。


「弱点があるなら最初から言えよ〜!」

「アレは私でも見つけるのは困難だ。しかもボーンドラゴンはあの通り再生が速い。仕方無い。」

「なんにせよ勝ったんです。」

「自分、何も出来ませんでした...。」

「大丈夫よアクタイオ!貴方とアレは相性が悪かっただけよ。また何かあったら宜しくね!」

「ありがとうございますお嬢...!ではまた!皆さんも達者で!」


ルリィさんに励まされ元気を取り戻したアクタイオは俺達にも挨拶をしながら本に戻って行く。


「さて...行きま、ぐえっ。」

「悪いなセイエイ。急用だぞ。」

「うおおっ!?クリスさん、アンタ何時からそこに!?」


俺は唐突に現れたクリスさんにアームロックをキメられる。油断していただけに死んだかと思った。


「たった今だ。」

「ゴホッ...それでクリスさん、急用というのは?ゴホッ。」

「いやそこは怒れよ...。」

「それがだな...。」


クリスさんは少し溜め、一度アルハムを見た後に口を開きこう言った。


「アスカントからシュレアに宣戦布告が来た。近々戦が始まる。セイエイ、私達はその戦を監視するぞ。」

「宣戦布告...!?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ルリィです!宣戦布告...アスカントは平和主義だと思っていたのにどうしてでしょうか...。それにクリスさんの言う戦争の監視って...?


次回、『真・セブンソード 前編』!こんな私にも、何か出来る事があるはずです...!

少し更新遅くなりそうです...。休日にやりたい...!

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