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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第2章「七剣姫編」
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そのまさか

あけましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします!


8000pv越えました。ありがとうございます!

「すぅ。」

「うぐぐ...息が...ぶはっ!」


毎日の様に繰り返されるクリスさんによる深夜のハグから命からがら脱出する。

毎度毎度その豊満な胸のせいでこっちは死にかけてんだよ...!何で俺を抱き枕にしないと愚図りだすんだよ全く...。


「ようやく寝れる......あれ、窓開けて...無い...!!」

「あっ...!」


こ、この人は確かクアンタだっけ...?何でここに...!?窓は閉めていた。つまり...。


「何で入ってきたんですか!」

「違...うんだ!わた、私はその...うう...」

「それは私も聞きたいところだな。」

「クリスさん...起きてたんですか。」

「当然だな。ああ因みに、お前が無理矢理私のハグから抜け出した辺りから起きていた。」

「なんじゃとて!?」

「ハグ!?」

「え!?」


何で今の単語に反応したんだ...。


「伝言...伝言を伝えに来た。明日、もう『今日』だが団長は留守の予定だ。置き手紙で連絡をと思っただけで決してやましい事があった訳では無い!これだけは言っておくよ。」

「窓から入れれば...。」

「そういう事にしておく。」

「夜分遅くに申し訳無い事をした。本当に済まない。それではセイエイ君、おやすみ。」

「え、ええ。おやすみなさい?」


そう言うとクアンタはそこから入ったであろうベッド横の窓から降りて行く。降りた瞬間姿が消えた...怖いなあ。


「さて...寝るぞ。こっちに来い。」

「え、やだっ...ぐああああ...。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝、アルハムオススメの宿屋で目を覚ました俺達はその宿屋の一階、その食堂で朝食を取っていた。


「今日はどうします?」

「私は仕事がある。お前達はダンジョンにでも行って来い。有事に備えて訓練をしておけ。」

「了解です。」


有事?なんか怖い。


「なら僕は武器を取って来よう。ギルドで待ち合わせでいいかな?」

「分かりました。」


アルハムとクリスさんは各々の目的の為に宿から出て行く。


「さて、俺達も行きましょう。」

「そうだな。」

「行きましょう!」


俺達は宿屋から出て王都の冒険者ギルドへと向かう。ギルドで暫く待っていると、大剣を背中に担いだアルハムが歩いて来る。


「やあ、待たせたね。」

「大丈夫...その背中の剣は?」

「特注の剣で『聖剣エクスカリバー』って言うのさ!今日はこれの試用も兼ねてのダンジョン探索だよ。」

「エクスカリバー...。」


アルハムの持つ大剣は細やかな装飾が施されており、色々なギミックも搭載されている様だった。


「コレを試してみたくてウズウズしていたんだよ。さあさあ行こう!」

「は、はい!」


俺達は王都にあるダンジョンの中でもかなりの難易度を誇るダンジョンに赴く。その名も『太古の秘跡エンシェント・サクラメント』。


「良かった。今日は人が居ないね。」

「何か気になる事でも?」

「口調だよ。それに、この聖剣の事も余り広まるのも良くない。」

「なるほど。」


冒険者の居ないダンジョンを進んで行くと、突然広い空間に出る。さながら岩で出来た闘技場であり、その闘技場には巨大なゴーレムが居た。


「おっ、まずは一回戦って所か?」

「むむむ...つよそうですね...。」

「来ます...!戦闘態勢!」


ゴーレムはこちらに気付くなり真っ直ぐ拳を放って来る。直ぐに退避するが、外れたにも関わらず衝撃波は凄まじい物だった。


「僕が行く。セイエイ君、君もだ。」

「了解です!ハアッ!」

「さて、俺も行くかな!」

「出て来て!"アヌビス"さん!」

「ええっ!?」


ルリィさんは何時もの本を手に、呼び出す守護獣の名前を呼ぶ。さんを付けて呼ぶ辺り敬意を持って接するべき相手なのだろうが、その名前は清英も聞いた事のある物だった。


「...ルリィ嬢、すこし前にも言ったが急に呼び出すのは困る。」


本から出てきたのは、金や青い金属で出来た鎧を纏い腰に剣を差したジャッカルの頭の男性だった。


「ごめんなさいアヌビスさん。でも貴方のお力が必要なんです!」

「ルリィ嬢に頼まれて私が断る事など出来ないと知っているだろう。この様な事はなるべく無い方が良いのだが...。仕方が無いか。では歪な石の人形よ、行くぞッ!」


アヌビスは腰の剣で巨大ゴーレムの右腕を鮮やかに切り落とす。断面は綺麗に平たく、切れ味の凄まじさを物語っていた。


「アヌビスって...ミイラの神...?」

「ほう、私の名前を知る者が居るか。そう、私はアヌビス。死者の旅を司る神。もっとも、今はルリィ嬢の使い魔だ。」

「でも神様が何でルリィさんの本に?」

「どういう訳か面倒な錬金術の王に勝手に登録されたのだよ!久方振りに文句を付けようと思ったらばいつの間にか私の主はルリィ嬢になっていた。ルリィ嬢に文句を言うのもお門違いだと思ってな。それに彼女は危なっかしいから常に見ていないと気が気で無い。」

「何となく分かるなあ...。」

「だろう?...無駄話が過ぎたな。行くぞ少年!」


ゴーレムは既に腕の修復を終わらせており、再度こちらに突撃して来る。


「いよっとお!」


横から来たガングさんは飛び上がるとゴーレムの頭に飛び乗る。


「オラァッ!」


そのままゴーレムの頭を持った槍で力任せに粉砕する。呻くゴーレムから離れ着地したガングさんはこちらに向かってサムズアップする。


「なかなかやる。私も良い所を見せねばな。」

「ガングさんやるぅ!」


アヌビスは素早くゴーレムに近付くと、その右足を根元から切断する。ゴーレムは体勢を維持出来ず後ろに倒れる。


「トドメは俺が!ぶっ壊れろおおおッ!」


俺は飛び上がりゴーレムに向けて力を込めて拳を放つ。拳はゴーレムの体を貫通する。


「あれっ。抜けない!?」

「セイエイっ!」


貫通したガントレットがゴーレムの体に引っかかり抜けなくなる。突然の事に慌てた俺に向けてゴーレムの怒りの一撃が飛んで来る。


「フッ!」


すんでの所でゴーレムの腕が何者かの攻撃により吹き飛ばされ、俺は助かった。


「油断は禁物だ。何をやっている。」

「ありがとう...ございます。貴方は?」

「お前も知っている『魔族解放戦線』副団長、エクシアだ。」

「副団長...。」


エクシアは目元の辺りだけを隠すマスクを付けた白髪の男性だった。両手には違う意匠の施された剣を持っていた。


「セイエイ、お前の名前は知っているぞ。あの『極星』の付き人とは大変だろうな。」

「え、ええ。」

「話の途中すまない、エクシアと言ったな?ただならぬ力を感じるが、何者だ?」

「そちらも人では無いな。私はただの日雇い労働者と言った所だ。」


唐突なアヌビスの質問にエクシアは興味あり気に返す。質問したアヌビスは少し考えた後に踵を返しこう言う。


「...そうか。また会う時は宜しく頼む。...さらばだ少年、また会おう。」

「あ、お世話になりました!また今度!」

「アヌビス様お疲れ様でした。」

「ああ。私の力を借りたくば何時でも呼ぶが良い。ただし、父上や母上を気軽に呼び出すな?どんな見返りを要求されるか分からんからな。」

「大丈夫ですって!」


そう言ってアヌビスは光の粒子になりながら本の中に帰って行くが、アヌビスの父上ってオシリスだったよな...?まさか呼び出せるの?


「何だセイエイ、その怪しいのと知り合いか?」

「あ、『魔族解放戦線』の副団長のエクシアさんです。」

「よろしく。」

「おおよろしく!んで何だ?同行するか?さっきもセイエイを助けてくれたしな!」

「それが目的でもあったから丁度いい。クアンタからお前の世話を頼まれている。"守れ"、とな。」

「ええ...。」

「あいつはお前を気に入っている。私もお前の事は気になっていてな。団長に直談判をしに来たと聞いている。」

「アレはクリスさんが直接乗り込もう何て言ったからですよ!」

「ハハハッ、冗談だ。では先に行くぞ。私はお前を成長させねばならん。」


最後の言葉は良く分からなかったが、何にせよ死なずには済みそうだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


エクシアだ。今の私に過去等必要は無い...。

それなら、いっそ口調とか名前も変えてみるぅ〜?......いや、やはり止めておこう。


次回『レベルアップ』。セイエイ...お前の望む未来を見せてみろ...!

感想レビュー等お願いします!今年も宜しくお願いします!

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