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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第2章「七剣姫編」
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遅くなりました!今回も宜しくお願いします!

副首都ルクエから王都への旅は想像以上に険しい物だった。だが俺とルリィさんにとっては、である。流石にクリスさんとガングさんは旅に慣れているらしく、色々な作業を素早く片付けていた。


「今日は何処に泊まるんです?僕、野宿はもう嫌ですよ。」

「心配するな。私の見立てでは、もうすぐで村に着くはずだ。旅人向けの商売をやってる村だな。」

「良かった...。」


宿泊施設のある道の駅って所かな?どちらにせよ、見たことの無い虫に怯えることは無さそうだ。


「セイエイ、何の心配をしてるんだ?魔物ぐらい今更気にする事は無いだろう?」

「ガングさんは何も分かってないです!夜はほんとに虫が多いんです!女の子にとって肌を狙う虫は天敵なんですから!」

「そ、そうなのか?」


ルリィさんに怒られたガングさんは申し訳なさそうに後頭部を掻く。虫が無理という訳ではなく、この世界の虫がどんな毒や武器を持っているのか分からないから怖いのだ。


「む、恐らくあそこに見えるのが村だ。」

「見えました。あの村で宿探し、ですね。」

「それに日銭です!」


俺達は急ぎ足で見えた村に入って行く。その村は旅人向けの商売をやっているだけあって中々活気があり、亜人族の多さが目立っていた。


「いい村ですね。宿屋は...アレですかね。」

「そうだな。予約を取っておくか。」


この村でも宿屋は酒場とセットの作りだった。恐らくだが、酔って眠ってしまった冒険者や旅人をそのまま寝室に入れるのだろう。そして起きた時に宿代を請求するのだ。上手いやっちゃで。


「すまない。一日宿泊したいのだが、大丈夫か?」

「はい。何名ですか?」

「四人だ。部屋は三つに分けてくれ。」

「三つにですか?分かりました。お名前を控えますので、こちらにお名前をお願いします。」

「了解した。」


クリスさんは手早く予約の手続きを済ませているが、あの部屋の編成どう考えても俺が抱き枕になるじゃないか。


「それでは夕方辺りにまた来る。...そうだ、ギルドは何処だろうか?」

「ギルドなら、ここを出て左に進んで行けば見えますよ。」

「ありがとう。...さて、行くか。」


クリスさんは鹿の亜人族の店員にギルドの場所を確かめて戻って来る。


「依頼なんてあるのか?」

「ゲイルウルフぐらいはいるだろう。それでも一日の宿代ぐらいにはなるからな。」

「他に無いと酒は無理そうだな。」

「お酒買う余裕ぐらいはありますけど、程々にして下さいね?」

「本当か!わかってるわかってる!流石はルリィ、元・敏腕受付嬢は違うね!」


ガングさんは酒が飲めると分かると途端に顔を綻ばせる。


「ガングが呑むなら私も...。」

「ダメです。」

「ダメですね。」

「ダメだな。」

「何故だッ...!?」


アンタが一番呑んじゃいけないんだよ。


夜の酒の話をしながら歩いていると、ギルドと思われる施設の前に着く。俺達はギルドに入り掲示板の前で依頼を探す。


「何か依頼は...これは?」

「ふむ、木の伐採か。しかもなかなか報酬が良いな。これを受けよう。」

「魔物より盗賊とかの方が多そうだし、警護は長期になるし、こんな依頼ばっかりになるのも当然と言えば当然か。」

「良いんじゃないですか?たまにはこういうのんびりした物も。」

「ま、そうだな。」


受付嬢に依頼の紙を持って行き手続きを済ませると、早速木の伐採に向かう。村の外には林があり、そこから木を採っているらしい。


「丸太を五本...ですか。今気付いたんですけど、今木を切れるのクリスさんとガングさんだけじゃないですか?」

「手刀でどうにかならんのか?」

「なりませんよ...。切った木を受け止めるぐらいしか出来ませんかね。」

「なら俺達に任せとけ。ルリィは...召喚したらエラい事になるのだけは分かる。」

「木を切る子ぐらい居ます!」

「度が過ぎるんだ。度が。だから今回は無しだ。」

「あう...。」


クリスさんは腰の剣を取り、両手で横に構える。


「フー...ハァッ!」


力を込め一瞬で剣を横に振り、木を横一文字に切る。木は風に吹かれてようやく倒れ始める。


「よっと。」


倒れた木をそのまま受け止め、手っ取り早く担いでその辺に置いておく。


「何かすぐ終わりそうだな。よっと。」

「そうだな。...ハァッ!」

「よっと。でも何で冒険者向けの依頼何ですかね...。」

「人手が足りないんだろうな。...よっと...ん?」

「...この木、動いてません?」

「ホントだ...って、トレントだ!気付かなかったぞ!?」

「道理で冒険者向けな訳だな!敵は一体だ!行くぞ!」


クリスさんは指示を飛ばすと共に突撃し、俺とガングさんで巨大トレントを抑える。


「丸太になれッ!」


先程の丸太の様にトレントはクリスさんの斬撃によって真っ二つになってしまう。二つに分かれたトレントは倒れ、ただの丸太になる。


「やった!一撃でしたね!」

「クリスがやると呆気無いですね...。」

「全くだ...。」

「当たり前だ。残り四本だ。手早く済ませて追加料金を請求しに行くぞ。」

「了解です。」


その後は巨木にそっくりなトレントが出ることも無く無事に丸太を切り終わった。依頼書には丸太をまとめて置いておけばいいと書いてあったので、そのまま置いてギルドに報告する。


「依頼達成ご苦労様です。こちらが報酬と、ギルドの情報紙です。」

「情報紙か。何時ぶりだ?」


クリスさんは報酬と共に文字の書かれた古紙の様なものを持って来る。


「クリスさん、何ですそれ?」

「ギルドからの呼びかけや何かあった時に配られる情報紙だ。読むか?」

「ええ。」


情報紙...号外とか回覧板みたいな物だろうか?見た目は新聞だ。

その情報紙には大きな見出しでこう書かれていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


七剣姫(セブンソード)大躍進!五騎士入りも近いか』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「『七剣姫(セブンソード)』?えーっと...魔人族の女性冒険者とその旅団が大型のドラゴンを討伐...か。」

「見せてみろ。...ふむ。」

「シュレア王国に魔人族の旅団ですか...。しかも実力もあるらしいですよ。」

「名前が載っていないのを見ると、どうやら通り名だけの様だな。訳あって名乗らないのかは知らんがな。」

「クリスさん!早く行こうぜ!腹が減った!」

「私も喉が渇いてー!」

「分かった。では行くか。」

「ええ。...まさかな。」


情報紙にあった魔人族の女性冒険者は気になったが、単に魔人族にも凄い人がいるだけだ。別段気にする事でも無い。


「早くしろ!」

「あ、すいません!今行きます!」


情報紙を丸めて屑箱に捨て、先に行くクリスさん達を急いで追いかける。


...魔人族の女性。一人心当たりがあるけどなあ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『次回予告』


どうも清英です!相変わらず自由奔放な下戸女神に振り回されながらも、何とか王国に。

そこで出会うシュレア王国"勇者"アルハムとその配下の『円卓の騎士』。結局キャラが濃いじゃないか!?


次回『円卓の騎士』 宜しくお願いします!

次回予告はどうやればいいんだろうか!初挑戦ですので何卒。明日も上げたい(迫真)

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