いざ、出陣
遅れました!書けないものですね。
7000pv達成していました!有難うございます。一層頑張りますが...書ける時と書けない時の落差...。
「うおお!聖女様ー!!」
「アレが聖女様か!噂以上じゃないか!」
「アルビオ様ステキー!」
「聖騎士の出陣だ!」
朝美華達は準備を整えて馬に跨り、他の聖騎士達と共に出陣の列に並ぶ。白い鎧を着けた美華とアルビオは最前列に居たので国民からの声が真っ先に聞こえた。
「凄いね...アルビオは人気なの?」
「分かりませんが、部下達から聞く限りはそうらしいのです...。」
「頑張ろうね。私も死ぬつもりは無いし。」
「はい...!今のメイファ様はより一層お美しい...。」
「アルビオったら...やめて。」
馬上で話を交わしながらアスカントを出発し、今回の戦場となる『グリナ王国』を目指す。
適度に休憩を挟みながら移動して行き、日が暮れると適当な所で野営の準備を始める。専用のテントで美華はアルビオに入れられた紅茶を飲んでいた。既に日は落ち外は暗くなっており、空には満天の星空が広がっていた。
「メイファ様、今日はお疲れでしょう。早めにお休みになられて下さい。」
「分かった。でも後少しだけ星を見たいな。私の住んでた世界では星が見えなかったから。」
「星が見えない、ですか?」
「うん。工場から出る煙で空が曇って星が見えないの。だから、今は少しでも長く空を見ていたい。」
「その様な事が......では、私は見張りに戻ります。ではメイファ様、お休みなさい。」
「うん。」
アルビオはそう言いテントを出て行く。美華はその後、眠りにつくまで星空をずっと眺めていた。
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早朝、野には聖騎士による清廉とした列が出来上がっていた。その列には勿論聖女である美華と聖騎士長のアルビオ、そしてヨハンとティエレの姿もあった。
「出発だなアルビオ。」
「ああ。...聞け!我らはこれより聖女と共に聖戦に赴く!誰一人として死ぬ事は許さない!堕天使を討ちこの世界に平穏をもたらすのだ!我らが主の為に!」
「「「我らが主の為に!!」」」
士気を上げた聖騎士と美華達はグリナ王国を目指す。一時間程進行した後、前方離れた場所で戦闘が既に始まっていた。
「アレは...第二大隊!押されている...全軍最大戦速で第二大隊の援護に向かうぞ!メイファ様、旗を。」
「分かった。...行くよ!」
指示を受けた美華は畳んでいた旗を取り出し、片手で高く掲げる。風ではためく旗には主神教のシンボルマークである盃を持つ男性が描かれていた。
「行くぞ聖騎士達!聖女様の掲げる御旗に続け!!」
「早速戦闘か。フッ、ルテチオンの新兵器を試すとしようか...!」
「堕天使は居ませんか...残念です。」
アルビオの号令で聖騎士達は馬と共に敵に突撃して行く。第二大隊もそれに気付いた様で聖騎士の為に道を開ける。
「聖騎士が来てくれた!」
「あの旗を持っている方は!?」
「聖女...!聖女様だ!」
「聖女様だって!?主の前で情けない姿は見せられん!押し返せえええ!!」
それまで不利だった第二大隊の騎士達は聖騎士の援護、そして旗を掲げる美華を見て士気を取り戻した。
「下がっていろッ!!"ルテチオン・ロングブレード"!」
「なっ!?鉄の腕が!」
「に、逃げろ!」
「敵前逃亡は死けっ」
「アルビオッ!背中は任せた!」
「ああ!」
ヨハンの出した機械の腕には鉄の大剣が握られており、それを見た兵士は慄いて逃げて行く。それを見た指揮官らしき男は兵士を止めようと叫ぶが、大剣の一振りに巻き込まれ他の兵士ごと両断されてしまう。次の腕を呼び出すまでのディレイをアルビオは洗練された剣技でフォローして行く。
「女が戦場にィ!!」
「...向かってくるなら容赦はしない。」
「何を!?ぐああっ!」
馬から降りた美華に斬りかかってきた兵士の四肢と首を鋼糸で時間差を付けて斬る。
「次は誰?」
「クッ!悪魔めええ!」
「本物が居るのに...褒め過ぎですよ?」
「ああっ!どこからぁ!?」
次に来た兵士の台詞を聞いてきたらしきティエレはその兵士を力一杯蹴り飛ばす。吹き飛ばされた兵士は他の兵士も巻き込んで飛んで行く。
「てっ、撤退!」
「逃がしません...おや?メイファ様、宜しいのですか?」
「逃げるなら追ってはダメ。指導者が悪い可能性もある。」
「それは考えてもいませんでしたな...分かりました。」
別の場所でも戦闘は中断されたらしく、ヨハンとアルビオもこちらに来る。
「兵士達が去って行くな。私達も被害の確認の必要がある。」
「ああ。被害状況の確認等済み次第、今度はこちらから叩く。士気が万全の内に堕天使を早急に仕留めなければ...。」
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グリナ王国 玉座
荘厳な玉座に一人の老いた王が鎮座している。その横には黒い髪の美丈夫が立っている。そこに扉を開けて一人の兵士が飛び込んで来る。
「どうした?」
「国王に伝令ッ!アスカントから聖騎士が!本隊は第二大隊攻撃を断念し撤退!」
「何故だ!?我々の有利だったはずでは!?」
「それが...鉄の巨大な腕を振り回す男に黒い鎧を着けた両刃剣の男とーーー」
「待て、今何て言った?」
王の横に居た男が兵士の報告のある部分に反応する。
「黒い鎧を着けて、両刃剣を持った男?」
「は、はい!あまりの強さに手が付けられないとの事です!」
「面倒な事になるぜ王様。」
「その男を知っているのか。」
「恐らく、だがな。当たってたらヤベェ。報告を続けろ。」
「ハッ!報告によると旗を掲げた美しい女性の兵士が前線にたった瞬間、今まで死に体の騎士達が奮起したとの報告も来ております!聖騎士達はその女性を"聖女"と、呼んでいるようです。」
兵士の報告に対して王は鼻で笑う。
「聖女だと?どうせ見た目だけの飾りであろう?それを叩けば勝てるではないか!」
「いえ...それが...。」
「ん?」
「その"聖女"が一番強いそうです...立ち向かった兵士は瞬きの間に肉片になっていました...。」
「...キンケド王、俺が出る。異論はねえな?」
「アルル、やれるか?まだ安定はしまい。」
「フン、人間なんかにはやられねえさ。行ってくる。」
「死ぬな。これは命令だ。」
「王様も発作か何かで死ぬなよ?」
アルルと呼ばれた翼を持つ美丈夫はそう言って玉座の横から離れる。そのまま報告に来た兵士と共に玉座の間から立ち去る。
「『黒蠅』...こりゃあもう運命ってヤツだ。今度は俺が殺してやる...!」
アルルは背中から二枚の黒い翼を出現させ、邪悪に微笑む。
早急に美華視点は終わらせるつもりでいます。