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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
美華編 第1章 「生きて行けるなら」
71/107

分かってた

突然ですが新章です。今回も宜しくお願いします!

2005年 10月 中国 某所


空き家やシャッターを閉めた店ばかりが目立つ寂れた町、その安い宿の一室に少女は居た。紫色のショートカットで、服装は紺色の生地に金糸で装飾の施されたチャイナドレスというボロボロの宿には似合わない物だった。明らかにガラクタなベッドで少女が片足を曲げて座っていると、扉が静かに開き痩せ気味のスーツを着た中国人の男が顔を出す。


美華(メイファ)、準備が出来た。行くぞ。」

「......分かった。」


美華(メイファ)と呼ばれた少女はベッドから立ちそのまま宿屋を出る。宿屋の前には寂れた町には似合わない黒い高級車が止まっていた。呼びに行った男と少女は慣れた様子で車の後部座席に乗る。


「...(ティエン)、次のターゲットは?」

「共産党のお偉いさんだな。少しウチに舐めた真似したってんで、上の人からスキャンダルで頭冷やさせろってよ。」

「......すぐに体を触ろうとしたらソイツは殺す。」

「そろそろお前、不味いぞ?...せっかくそんななんだから、玉の輿にでも乗れば幸せだと思うんだがなあ。今からでも遅くは無いぜ?」

「...私には、私なりの生き方がある。」

「ったく...そんなんだから...。」


美華は流れて行く窓の外の景色をぼんやり眺めながら天の質問に適当に返す。暫くすると、車は高級ホテルの前で止まる。


「このホテルのこの部屋で待ってろ。眼鏡の小太りのオッサン以外の奴が来たら少し探ってからなら、殺してもいい。」

「......分かった。」


美華は部屋番号の刻印された重厚な鍵を受け取り、ホテル内のエレベーターに乗ってその部屋に向かう。事前に言われた通り部屋の中で静かに待つ。


(ドレスの裏にナイフも隠してあるし切断用のワイヤーもある。銃を持ってこれなかったのが痛いな...。)


ベッドで足を組みながら隠してある武器の確認していると、扉が開き眼鏡の小太りの男性が入って来る。


「君が美華(メイファ)ちゃんだね?」

「...そうだけど。」

「話で聞くよりずっとずっと美人じゃないか!これは役得だ!」

(!...この匂い、媚薬!?そういう事か...なら...。)

「ふふふ...。」

「美華ちゃんも乗り気で...カハ!?」


微笑みながら近付いて来る美華を男は抱き寄せようとするが、腕が触れる直前に喉仏辺りを隠しナイフで掻っ切られて絶命する。男はそのまま喉から血を噴水の様に出しながら倒れる。


「...汚らしい。」

「なんだ!?...ッ!プランBだ!」

「...不味い状況だわ。」

「ぎゃあっ!」


扉を勢い良く開けてきた男は血を噴き出しながら倒れる男を見た後、美華に銃を向けながら後ろの仲間に指示を出す。しかし、いざ引き金を引こうとした時に美華の投げたナイフが頭に深く刺さり絶命する。


「相手は女一人だ!撃ち殺せ!」

「...!吹き飛んでて。」

「た、退避ッ!」


一人の男を殺した後に入って来ようとした男に向けて太もものベルトから取り出した小型の爆弾を投げる。後ろに控えていた男達も急いで逃げようとするが、ドアを吹き飛ばす勢いの爆発に何人かは巻き込まれそのまま絶命してしまう。


「この女ぁ!」

「...逃げなきゃ。」

「逃がすな!撃て撃てェ!」


男達の持つ小機関銃からけたたましい炸裂音と共に無数の弾丸が放たれる。美華はそれを辛うじて避けた後に奥にあった部屋に入る


「...もうダメかな...少し早いけど、私も行くね...!」


男達の足音が迫る中、美華は少し悲しげに笑い手を固く握り締める。死を覚悟した時、美華の足元に円の中に幾何学的な模様の描かれた図が現れる。


「あっ...何、これ?魔法陣...黒魔術?」


美華が突如起きた現象について考えていると、その魔法陣は怪しく光出しその光はやがて美華も包んで行く。


「や、なにこれ......!!」


光は更に大きくなり、光が消えた頃には美華の姿は何処にも無かった。



「オラッ!!いい加減覚悟しろクソガキが...ってああ?何処に行きやがった...!?」

「どうした?」

「テ、天の兄貴!あのガキ何処にも居ないんです!畜生...仲間も何人か殺られちまった...。」

「...何としても探し出せッ!見つけらんなきゃテメェらの首は飾りモンにしてやるからな...!!」

「わ、分かりました!」


子分と思われる男は部屋から出て何処かに走って行ってしまう。美華が居たはずの部屋に残った天は独り言を静かに呟く。


「良かった...のか...?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん...どうなったんだろ...。」


目覚めると美華は真っ白い大理石の様な素材で作られた広い部屋に寝ていた。顔を上げて立ち上がると、目の前には何やら細かい装飾の施された老人が立っていた。老人の目は輝き、まるで聖女を見る様な目でこちらを見ていた。


「...何?」

「貴女が聖女かあっ!!」

「!?」

間話書きたかったのですが、アイディアが少し足りないと感じ実行には至れませんでした。

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