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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
トレイズ編 第1章 「戦場は無くならない」
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初出勤

今回も宜しくお願いします!!

「なあ聞いたか?第七混成部隊の訓練の話。」

「聞いたぜ。なんでも、あのならず者みたいな連中が新しく赴任して来た隊長と鬼ごっこしてるらしいな。」

「それだけじゃないんだよ。俺はそれ訓練の途中だったんで見てたんだが、狼人(ウェアウルフ)の男を小さくて可愛いエルフの娘が追い掛けてたんだよ。なんつーか、壮観だったと言うか。」

「何だそれ...。」


昨日の鬼ごっこが他の兵士達の間で噂になっている頃、本部内会議室では各部隊の隊長や将校達の会議が行われていた。


「これより定例会議を始める。礼。」


豪華な鎧を付けた老人の号令で長いテーブルにて他の席に座っていた他のメンバーも礼をし、第七混成部隊隊長としてその場にいたトレイズもそれに倣う。


「さて、見ない顔が居るな。」

「ああ、自己紹介がまだだったな。第七混成部隊隊長として来たトレイズ少佐だ。宜しく頼む。」

「貴様、将軍に向かって何だその口の利き方は!」


トレイズが椅子に座ったまま周りに挨拶をすると、他の部隊長だろう男が椅子から立ち激怒する。


「落ち着きたまえコレン君。私はグリッジル・セイルデン大将。この帝都本部の指揮官だ。さあ君達も自己紹介をしてくれ。」

「......了解しました。コレン・ワッツ中将だ。第一大隊の隊長をしている。余り関わりは無いが、宜しく。」


コレンと名乗った人物はまだ若く、金髪を揺らしながら不満そうに自己紹介を済ませる。


「アハハ、怒られてやんの。」

「うるさいぞ。次お前だろ。」

「あ、俺の番か。第二大隊の隊長、シミュル・ミュンスター少将っすわ。まあ適当に?宜しくね~。」


グリッジルに窘められたコレンをからかうが、コレンは慣れた様子であしらう。コレンは正統派の軍人といった感じで堅牢そうな鎧を身にまとい、シミュルは脆そうな軽鎧にマントという出で立ちだった。


「そんなんでいいんですか少将...。あああ、第三魔術師団団長、キュレル・リッジ大佐です!猫人(ウェアキャット)です!」

「第四機械化隊隊長、ロンス少将だ...。口下手なのでな。程々に頼む。」


適当に自己紹介をしたシミュルを呆れた様子で見ていた猫人(ウェアキャット)のキュレル大佐は、この会議で唯一の亜人族だった。

ロンスは白衣のままで出席しており、目にクマを作りながら眠そうに挨拶をする。


「第五衛生兵大隊の隊長を務めさせて頂いております、シュトルヴ・ニルム・ハルルス中将と申します。今後共お会いする機会は多いかと思われますので、宜しくお願い致しますトレイズ様。」

「第六突撃隊隊長ガイド・ロムニ少将だ!まあウチの隊員と第七の奴らはいつも仲悪いからな!一層気を付けようや!」


シュトルヴは腰まで届く美しい白髪に白のコートを着ており、仕草も優雅な美しい女性だった。ガイドは豪快に笑いながら自己紹介をする。その巨大から突撃隊と言う文字が非常に似合っていた。

グリッジルの呼び掛けで席に座っていた他の部隊長達が次々と自己紹介をして行く。流石実力主義とだけあって色々な人物がいた。


「トレイズ様はどの基地からの派遣なのですか?我々には何の通知も無かったのですが...。」

「それ、私も気になってました!」

「ふむ、確かに何処からの派遣とは私も聞かされていないな。」

「あれ?大将が聞いてないの?それじゃ俺達わかんないわけだ。」


シュトルヴの疑問にキャレルが耳を揺らしながら同意し、グリッジルとシミュルもそれに続く。


「言ってなかったのか...。俺とセルカはカレンから直接依頼されて来た。『第七混成部隊を何とかしてくれ』ってな。」

「皇帝陛下からの直接依頼とは...。」

「第七混成部隊の指導...皇帝陛下も流石にしびれを切らしたか。」

「あ、でも昨日の鬼ごっこ見てたらすげえ面白そうだったなー。」

「お、鬼ごっこだと?」

「アレは隊員の実力を測る為に実施した訓練だ。間違っても遊んではいない。」

「確かに隊員も見るからに必死そうだったから、あれはあれで効果ありそうだったな~。」


皇帝からの直接依頼と言う言葉に部屋は少しざわつくが、グリッジルは冷静に分析をする。しかしシミュルの一言にコレンが反応し、再びざわつく。


「さて、自己紹介も済んだ所で会議に戻ろう。さて、シュレアやアスカント、他の小国についてだが......」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ああ疲れた...。」

「お疲れ様ですトレイズ様。」

「会議なんて殆どした事無かったからな...慣れない事はするもんじゃない。」


大会議室から出たトレイズは、軽く伸びをしながら扉の近くで待機していたイシュと合流する。そして職場である第七混成部隊の区画に戻ると、何故か隊員達が綺麗に整列していた。


「「「ご苦労様です隊長!姐さんもお疲れ様です!」」」


整列していた隊員はトレイズとイシュに気付くと、深く頭を下げながら大声で挨拶をして来る。


「何してんだ?」

「見ての通りコイツらを訓練している。なかなか素直な奴らだ。期待出来る。」

「セルカの姉貴の為ならやれるぞ!!」

「俺も『姉貴を守る会』に入ったからな。これからは第七の時代だ!」

「やるぞおおお!」

「何だと!?やめろ!その会には入るなー!!」


何故かテンションの高い隊員達がセルカのファンクラブに入った事が分かると、セルカは止めに入るが隊員達には何故かその言葉は耳に入らない。


「急にやる気を出して来たな...。」

「ふふふ...可愛いらしいじゃないですか。いい事ですしね。」

「まあ、そうだがな。さて、俺達も訓練に参加するか。」

「はい!」


隊員に制裁を加えているセルカの元に行き、それを鎮めるためにトレイズとイシュはゆっくりと歩いて行く。


明日もこの時間位になります。遅れたらすいません...。

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