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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
トレイズ編 第1章 「戦場は無くならない」
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闘技大会 開幕

遅くなりました^^;予想以上に短かったので追加したら深夜になってました!

「おはようトレイズ!!さあ闘技場に行くよー!」

「来たかルイス。準備は済んでる。」

「張り切って参りましょー!」

「強者との戦い...胸が滾るな...!」

「ふふっ!準備万端みたいだね!行こうか!」


朝の宿屋で銃剣を磨いていると、ルイスが勢い良く扉を開けて入って来る。呼び掛けに応じトレイズ達は荷物を持ち、宿屋を出て闘技場に向かう。闘技場は円形でトレイズもよく知る形をしていた。


「さながらコロッセオってとこか。」

「受付はこっちだよ。参加者名の記入を済ませないと失格になるから早めにやっておこうか。」

「いきなり本戦なのか?」

「本当は冒険者ランクやらなんやらで審査があるんだけど、カレンに頼んですっ飛ばしてもらったんだ。」

「なるほど。」

「それじゃトレイズとセルカのも書いとくね~。」

「頼む。」

「もう他の参加者も集まって来ているな。トレイズ、竜になっては駄目なのか?流石に失格になるだろうか?」

「当たり前だ。一応伝説上の魔竜なんだから少し大人しくした方が良いぞ?」

「むう...。」


セルカは竜状態に戻れない事を知って残念そうな顔をする。その時、周りにいた参加者達が一定の方向に向かって歩き出す。その方向には大声で声掛けをする帝国軍兵士が居た。


「闘技大会参加者は二階の選手控え室にてお待ち下さい!間も無く試合が始まります!」

「らしいな。行くか。」

「りょかーい。」

「イシュは特等席だったな?カレンからの許可証は持ってるな?」

「はい持ってます!トレイズ様頑張って下さいね!応援しています!」

「ああ。優勝とまでは行かなくても、表彰台ぐらいには登ってやるさ。」


兵士の案内通りに選手控え室に行きイシュと別れる。選手控え室は参加する人数の割にかなり広く、一人一人が間隔を開けて座ったり寛いでいたりした。トレイズはその中から明らかに自分に向けられた視線に気付く。視線を向けてくるのは全身をボロ布の様な物で包んだ人物だった。


(何だこの殺気は...?試合開始前から目を付けられるなんて考えて無かったが、俺なんかしたか?)


「第一試合が始まります!クリス選手は試合会場へ!」


殺気を向けられる理由を考えていると、視線を向けてきた人物は兵士の案内に従い一階の会場に降りていく。


「何だったんだ...?」

「トレイズ!こっちで試合が見れるよ!」

「さっきの奴のか。」


控え室な隣の部屋では鉄格子から下で行われている試合を見る事が出来た。会場には大剣を背中に納めている先程の人物に、鎧を付けた騎士風の美青年が相対していた。


「一回戦第一試合は皇帝陛下親衛隊副隊長『ケリド』選手対、謎の剣士『クリス』選手!皇帝陛下を御守りする誇り高き親衛隊騎士の鮮やかな剣に注目です!それでは試合開始!!」


「フードを取り顔を見せたまえ!相手の顔も見ず一騎打ち等出来ない!」


ケリドはフードを取るようにクリスと呼ばれた人物に呼びかけるが、クリスは呼びかけには応じず背中の大剣を静かに構える。


「やはり闘技大会では無粋な真似だったか...仕方が無い。来い!」


ケリドが勇ましく吼え、細い剣を抜刀して構える。しかしその時、クリスの構えていた剣がで縦に伸びる。突如として巨大となったクリスの剣を見てケリドや観客、そしてトレイズ達も驚きを隠せなかった。


「なっ...何だこれは...!」

「貴様に構っている暇は無い...。」

「お、女だと!?ハッ!?」


クリスが縦に構えた剣を横に振る。想定外だった女性の声に驚いたケリドは回避出来ずそのまま吹き飛ばされ、闘技場の壁に打ち付けられる。ケリドは気絶してそのまま力なく倒れ伏す。いつの間にか元の大きさに戻った剣を、クリスは何事も無かったかの様に背中に納める。


「し、勝者は『クリス』選手!!親衛隊副隊長がまさかの初戦敗退!序盤から波乱の幕開けだ!」


正体不明のダークホース登場に観客席は一斉に沸く。しかし、出場する側のトレイズ達は緊迫感に包まれていた。


「ルイス、今のはなんだ?俺にはさっぱり分からなかった。」

「ボクにも分からないな。魔剣かなあ?」

「そうか...セルカはどうだ?」

「一度見た事がある兄様の慕う方の使う武器にそっくりだ。たしか......『天上神』、だったか?」

「なんだと?」

「まさかあの人が来る訳...そうか、トレイズを見定める為だ!」

「俺をか?」

「きっとそうだよ!あの人自分で確かめないと気が済まない性格だし。絶対トレイズと当たるように対戦表弄ってるよあの人~!」

「やるしかないんだろ?」

「多分...。こうなった以上、止められるのはカレンだけかな...。」

「自分の力を試せる良い相手じゃねえか。俺はやるぜ。」

「死なないでよ...?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「続いて一回戦第二試合は彗星の如き勢いで金ランクにのし上がった若き魔法剣士、『ロッシェ』!対するは我らが"姉貴"『セルカ様』だー!!」

「「「ウオオオオオ!!」」」


「な、何だこの紹介の仕方は!?」

「貴女が噂に聞くセルカ様ですね?話に聞くよりずっとお美しい!貴女と会えるなんて僕はなんて運が良いんだ...!セルカ様、いやセルカ姉様(・・)!僕と結婚して下さい!」

「するか!!」

「ではお付き合いから!」

「しつこい男は嫌いだ!」

「ならば貴女に僕を認めて貰わねばなりませんね!行きますよ!」

「ええい面倒な男だ!叩き潰すッ!」


ロッシェは幾何学的な装飾の施された長剣を取り出し、勇ましく前に突き出す。


「魔力充填完了...!行きますッ!」

「来い!」

「"プロミネンスピラー"!」


ロッシェの剣から炎の柱が噴き出し、突撃して来るセルカを迎撃するべく迫る。


「フフッ...甘いな!」


セルカは手を横に一振りするのみで炎の柱をかき消し、ロッシェに迫る。


「凄い...!だが!」

「良いぞ!なかなかやる!」


ロッシェはすぐさま反応し、セルカの拳を剣で受ける。ロッシェは剣の刃の部分で受けているにも関わらず、何も付けていないセルカの拳に押されていく。


「一体どうなってるんですかそれ!?」

「伊達に生きてはいないのでな!」

「クッ..."ディスチャージ"!」

「ムッ!」


ロッシェが魔言を唱えると、剣から電流が放出され近くにいたセルカを襲う。セルカは腕に電流を何発か受けるも、何食わぬ顔で向き直る。


「"フレイムエンチャント"!"ウィンドブレイド"!」

「そよ風でオレは靡かん!"我こそが悪夢ジーザス・コンシュマール"!」


セルカは放たれた風の刃を正拳突きで霧散させ、右手を上に掲げ魔言を唱える。セルカの頭上には炎の槍が何本も作られる。


「ハハハ...魔法を使えば勝機は有ると思っていたが...これは、想像を超えてきましたね...。」

「さあ来い!見込みのある男は好きだぞ?オレが欲しければ来るがいい。」

「やってやる!やってやるさ!うおおお!」


ロッシェは炎を宿した剣を持ち、覚悟を決めた面持ちで突撃を敢行してくる。セルカはそれを迎え撃つべく槍をロッシェに向けて飛ばして行く。


「"ファイアボール"!ハアッ!ぐああ!」

「どうした?まだまだあるぞ?そらそらぁ!」

「ハァ...ハァ...。フッ!」


次々と飛来する炎の槍をロッシェは魔法と剣で撃ち落としていくが、地面に当たった槍の爆発で吹き飛ばされてしまう。素早く起き上がり飛んで来る槍を撃ち落とすも顔には疲労が滲み出ており、かなりダメージが蓄積している様だった。


「ハッ!せえい!...ここまで来れば!」

「甘い!」

「今だ!"閃光一撃(リュウール)"!」

「何!?」


ロッシェは飛来する槍を二本撃ち落とした後、飛び上がりセルカに切り掛かるも、後ろに下がられて避けられる。しかしロッシェはそのまま剣をセルカに向け魔言を唱える。剣から眩いばかりの光が放たれ、剣の向く先に居たセルカを襲う。


「ば、馬鹿な...!」

「良い。実に良かった。もし余力が残っていれば...少しは痛かったかもな。この大会が終わったらオレの所に来い。来たら鍛えてやる。フンッ!」

「ぐふっ...!」


セルカの拳は鎧をヘコませながらロッシェを気絶させる。


「勝者は『クリス様』だー!!姉貴の圧巻の魔法が炸裂し、新星に実力差を見せ付け見事な勝利!!」


「セルカが勝ったか。」

「次の次がボクで、その次がトレイズだね。」

「まだ少し先か...。武器の調整でもしておくか。」

「そうだね。」


その後ルイスは対戦相手を素手で倒し、余裕で次の戦いに駒を進めた。そして、いよいよトレイズの運命を決めるとも言える初戦が始まる。

明日も遅くなりそうです。場合によっては日付変わってからになりそう...。

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