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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
トレイズ編 第1章 「戦場は無くならない」
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蛹の夢 part2

遅くなりましたが今回も宜しくお願いします!

今更ですが趣味兼宣伝用(?)としてTwitter始めました。色々適当に呟くつもりです。


@CharlesHSansonでやっていますので宜しくお願いします!



「試験内容はゴブリンの規定数の討伐だよ。簡単だね。」

「銅に上がる位ならこんな物なんだ。」


『試験会場はゴブリンの被害に悩む町からの依頼でゴブリンのよく出る森になった。ボク達の他には色々な人がいたよ。年齢の近い子のグループや出稼ぎに来たらしき大人。』


「お前らか?期待のルーキーってのは。」

「ん?誰?カレンの知り合い?」

「僕もこんな人知らないけど?」

「こんな人言うなよ...。ま、まあいい。俺はマルク。突然で悪いんだが、俺をお前らの所に入れてくれないか?」

「何でさ?」

「一人だと後ろからバッとやられて死んじゃうかもしれないだろ?それに、俺もルーキーだからな。良いだろ?」

「そんなんでよく昇格試験まで来れたよね...情けない。本当は?」

「そんな事言うなよ。...ん?」

「お兄さん少し目線がいやらしかった。それに......笑顔、少し怖いよ?」

「どわあっ!!危ねえ!」

「ル、ルイス!?」

「今の、避けるんだ。」

「バレてるんならそう言ってくれよ~!まだ死にたくねえってのに!」

「お兄さん何者なの?」

「俺は皇帝陛下の命令を受けて、例の事件関連でお前さん達を監視に来たの。ハァ、こんなバケモンなんて聞いてねえ...帰りたい...一発でバレるとか...。」

「やっぱり情けない...。」


『マルクはなんだかヘラヘラした奴だった。でも最初はビックリしたな。本当に避けるんだもん。』


「やあっ!」

「砕くッ!」

「ゴブリンなんて何年振りかね~。あらよっと!」


ルイスは黒い魔力で作られた剣で斬り、カレンは鋼鉄製のガントレットでゴブリンを殴殺する。マルクは、目にも止まらぬ速さで襲い掛かるゴブリンの首を飛ばす。瞬く間に五匹程いたはぐれゴブリンの群れは殲滅される。


「マルク、実は凄い人?今のダガーだって凄い速くない?」

「実はって何だ実はって。俺さんエリートよ?てかダガー見切られてたのかよ!?全く、そっちこそ本当にルーキーか?見た事ねえ黒い魔法に、魔法を使う拳闘士なんて聞いた事無いんだが?それに、身体能力もバカげてるしよ。」

コレ(・・)はボクのスキルだけど、身体能力の方は魔力で強化してるからだよ!」

「拳闘士だって魔法くらい使いますよ。ルイスの言った通り身体能力を魔力で補強すれば、大抵な魔物は倒せます。」

「魔力による身体能力の強化、か。俺もまだ完全には出来てねえってのに、こんな年下のガキンチョによ~。へこむわ〜。黒い魔法だって便利過ぎるだろ~それあったら俺の仕事どんだけ楽になると思うよ~!」

「うるさいなあ!次行くよ!」

「マルクさん、行きましょう?」

「カレンは優しいなあ!」


ルイス、カレン、マルクの三人は銅ランクに昇格した。試験官は討伐の早さに驚きながらも喜ぶ。


「いや合格して良かったよ。おめでとう。 さっき君達位の歳のパーティーが全滅したのを確認したんだ。あれこれ口は出さないけど、いやあ生きてて良かった。」

「ありがと。あの子達、ダメだったんだ。」

「俺の不注意だ...帰ったらこれも報告だな。」

「マルクさんは優しいんですね。」

「若いのが死んだらダメだろ?子供が未来を無くすなんて事、あっちゃダメだ。俺は子供が好きなんだよ。」

「マルク変態みたいだよ?」

「そういう事言うなよ!俺は至って真面目だし!」


『それから一年経つ頃には、ボク達は金ランクになっていた。マルクはたまに居なくなったりしたけど、ちゃんと戻って来た。』


「闘技大会?」

「そうだ。俺達で出ないか?」

「良いんじゃないかな?カレンも出るよね?」

「えっ!?辞めてよそういうの緊張するんだから...。」

「カレンは喋り方と自分の呼び方を変えないか...?何だか女の子みたいだからな...。」

「そうだよねえ。じゃあ私が『ボク』って言うから、カレンが『私』にしよう!」

「ええ...まあ良いんだけどさ...。」


『ボク達は闘技大会に出る事になった。特に狙いも無かったけど、面白そうだったからね。』


「一回戦初戦は期待のルーキー『ルイス』対金ランク『ノンフ』!最年少で金ランク昇格のルーキーの下克上は成るのか!?それでは...試合開始っ!!」


司会者の宣言と共に鐘の音が鳴り、試合開始が告げられる。大剣をだらしなく構えるノンフは訝しげな目でルイスを見る。


「金ランクだと?お前みたいなのがか?言えよ、どんな手を使った?金か?それとも体でも使ったか?」

「残念全部外れ。面倒だし、終わらせるね。」

「なんだと?」


刹那、ルイスの突き出した手から黒い槍が飛び出す。槍はノンフの持つ大剣を弾き飛ばす。ノンフの勝利を疑っていなかった観客達は一瞬で静まり返る。


「降参、してくれない?」

「ふ、ふざけんじゃねえええええ!」

「馬鹿な男。殺しはしないけど、ね!」

「速っ...ぐぇ。」


激昂して突撃して来るノンフをルイスは身体能力を強化した状態で殴り飛ばす。ノンフは派手に飛んで行き、そのまま気絶してしまう。


「し、勝者はルイス選手!」

「良いのかなあ。」

「アイツ容赦ねえな...。」


「続いては同じく最年少金ランク『カレン』と帝国軍第三大隊副隊長、『グレアス』!!拳闘士対拳闘士の熱い戦いからは目が離せない!それでは、試合開始っ!」

「宜しくお願いします。」

「こちらこそ宜しく。軍部でも君とルイスさんの名前は上がっていてね。軍は闘技大会を試験として、君たちをスカウトするつもりだ。」

「私には勿体無いと考えますが...。」

「だからこそ、相応しいかを確かめるんだ。では、行くぞッ!」


グレアスは凄まじい気迫と共に猛者の速さでカレンに迫るが、カレンには酷く遅い動きに見えていた。


「遅い。」

「なっ!?ぐおおっ!」


素早くグレアスの横側に回り込み、脇腹に力を入れた拳を叩き込む。グレアスは吹き飛ぶが、直ぐに起き上がる。


「ぐふっ...。予想を遥かに超えて来たな...!」

「手加減など結構です。」

「それはこちらの台詞だな...。今の一撃、本気でやっていたら私は死んでいたな。私の負けだ...君の動きを見きれなかった。敵の動きを見切れん拳闘士ほど役に立たない物は無い...。」

「何が言いたいのですか?」

「ふっ...見事だった...。」


グレアスは満足気な顔で倒れる。途端に観客席はざわめき始め、直ぐに救護隊が来る。


「...生きてる?良かった!という訳で勝者は金ランクルーキー、『カレン』!!今回の闘技大会は大番狂わせだらけになって来たぞー!」

「マルクは出ないの?」

「俺は出れねえの。前も言ったろ?」

「だった?」


その後も大会は進んで行き、ルイスとカレンは順調に勝ち進んで行く。どちらも準決勝に進出し、先にルイスの決勝進出を決める試合が始まる。


「さあいよいよ大会も大詰め!準決勝第一試合は今大会のダークホース『ルイス』対『剣聖』の異名を持つ『グライフ』!!帝国最強とも噂される剣士に期待のルーキーはどう対抗するのか!?それでは、開始っ!!」

「武器を出せ。その位の時間はくれてやる。」

「いいの?じゃあ、ほい。」


ルイスは手に黒い魔力を集め、長剣の形にする。予想だにしない出来事にグライフは驚きを隠せない。


「何をした?最初の試合といい、お前は何者なんだ?」

「ただの孤児上がりの冒険者だよ。」

「ならば剣で確かめる!はああああっ!」

「お兄さんやるねえ!」

「我が剣を受けるかっ!面白い!」

「でも邪魔っ!」

「押し返されただと!」


ルイスはグライフの剣を受け止め、力任せに押し返す。


「これならどう?それっ!」

「剣を投げるだと!?うおお!」


ルイスの投げた剣をグライフは見切った上で回避するが、回避した瞬間に剣が爆発し、グライフは爆風で吹き飛ばされる。そんなグライフにルイスは容赦無く剣を投げる。


「そーれもう一本!」

「うおお!?」

「今度は二本だ!」

「な、なんの!」

「三!」

「ハアッ!」

「十本行くよ!」

「なんだとおおおお!?」


グライフは迫る黒剣の爆風で吹き飛ばされ気を失う。観客は既にルイス側に傾いていた様で、割れんばかりの歓声に包まれる。


「勝者は『ルイス』選手!!圧倒的強さでグライフを手玉に取り勝利!可愛らしいルーキーが余裕で決勝に進出だー!!」


「そりゃルイスが勝つよね。」

「さ、次はお前さんだ。頑張れよ。」

「ルイスと戦う事になりそうで怖いけどね。」


「準決勝第二試合は無傷の拳闘士であり最強のルーキー『カレン』対、既に二人の選手を葬った狼人(ウェアウルフ)の狂戦士『コレン』!!情け容赦無い狂戦士を相手にルーキーはどう立ち向かう!?決勝進出を賭け試合開始っ!」

「久々に骨がありそうな奴じゃねえかあ!せいぜい足掻いて楽しませてくれよ?」

「来るなら来い。潰してやる。」

「お望みどおりそうしてやるぜえええ!!死になああああ!」

「貴様の事は先程知った。そちらがその気ならこちらも容赦はしない。」

「んなあああ!?俺の手がァ!」


巨大な姿になり鋭利な爪で襲い来るコレンの手を掴み、力を入れ一気に粉砕する。骨が砕ける嫌な音がし、コレンは信じられない様な表情で絶叫してのたうち回る。


「女性への暴力に殺人強盗...。しまいにはルーキー狩り、か。同じルーキーとしてお前の様な奴を野放しには出来ない。ここで死ね。」

「助けてくれっ!...とでも言うと思ったかあああ!?」

「なら、二度と悪事を働けない様にしてやる。」

「ああ熱いいい!?」


大口を開けて飛び上がって来るコレンに『ファイアボール』を撃ち込む。炎はコレンの体を包んで勢いを増していく。


「ぐああああ!熱いいい!」

「運が良ければ死ねるさ。」

「し、勝者は『カレン』選手!という事は大会史上初であるルーキー同士の決勝戦が決定しました!!」


会場を後にし控え室に戻ったカレンは疲れた様子で椅子に座る。


「どうしたの?カレンらしくない。」

「言ってなかったね。僕の父さんと母さんはアイツに殺されたんだ。アイツと対峙した時は緊張したけど、ようやく仇を取れた。」

「おめでとう、なんて言えないか。お疲れ様、かな?」

「ありがとう。ルイス、真剣勝負をしよう。」

「もちろんさ。手加減無しだ!」

「怖いなあ。でも、お互いの成長を確認するにはまたと無い機会だね。」

「そゆこと!ほら行くよ!」

「ああ!」


「闘技大会決勝戦は大会史上初!ルーキー同士の決闘となりました!!黒い魔法を使う『ルイス』選手対炎の拳闘士『カレン』選手!猛者達を容易く退けた新星同士の対決は如何に!?では決勝戦開始っ!!」


試合開始の宣言がなされた時、会場に一匹の蝶が迷い込む。


「蝶、か。ならこんな事も出来るはず!」

「速い!だが!」

「あわわっ!」


背中に蝶の様な羽を作り出し、空気を震わせながら突撃するルイスをカレンは流れる様な動作で受け流す。


「万能過ぎない?それ。マルクさんが羨むのも分かるなあ。」

「でしょ?どんどん行くよ!」

「なんの!」

「これならどうだ!」

「僕にも"必殺技"はある! "暴焔機動(オーバーロード)"!!」

「何の光!?」


黒い魔力で作られた大剣を次々投げてくるルイスの攻撃を凌ぐカレンは雄叫びを上げると、体から淡い光を放つ。光が消えると、そこには赤い煙を漂わせたカレンが静かに佇んでいた。


「簡単には負けられないよ!ここからが本番さ!」

「とっておきって事か...。いいね...!」



やはり切り方変になってしまう...。そのまま繋げれば何とかなってますかね??

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