表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第1章「魔王国にて」
5/107

揺らぐ決意と神造兵装

解説回になってしまった...

次こそは...!

魔王様とアスィに連れられ、魔王用であろう戦の前に装備を整えるらしき大小様々な鎧や色々な武器のある部屋に来た。


「ここ、何する部屋なんです?それに実戦って・・・」

「僕の使う準備室さ。さあ早く準備を整えて、『ダンジョン』と城下町に繰り出そうじゃないか!」

「そうよ!セイエイには強くなってもらわないといけないし、何より久々の実戦よ!」

「それはアスィが楽しみなだけじゃないか!?実戦ってつまり魔物と戦うわけだろ!?そんな事、俺にできるはずないじゃないか!!」

「セイエイの意気地なし!男なら覚悟を決めなさいよ!!」

「覚悟なんて決められる訳無いだろ!!なんで俺なんだよ...他の奴でも良かったんじゃないか...?もう少し段取りって物があるだろ...」


つい声を荒らげてしまう。


魔大陸は魔物が強いと聞いていたし、何より俺は戦い方も、魔法も、スキルの使い方だって分からないんだ。それなのに魔物と戦うなんて自殺行為だ。ここに来て妙に現実感が増してきて怖くなった。

どうにかしてこの場を切り抜けようと考えていると、魔王様に肩を掴まれる。


「落ち着いてくれセイエイ君!僕だって君の気持は分かるつもりだ!それに、誰だって良かった訳じゃない!あの召喚魔法は召喚される側に強い意志が無いと成立しないばかりか、成立しなかったら召喚する側される側の両方に死の危険があったんだ。君はその魔法で召喚された。つまり君は他の人、下手な精霊や神より強い意志を持っていたんだよ。」

「俺が、そんな・・・?」

「ああ。君の目を初めて見たとき確信したんだ。あそこまで強い眼の光を持った人間は今までいなかったってね。だからどうか僕に、いや僕達魔族のために力を貸してくれないか?もし戦いも何も起こらなかったら僕を殺したって良い。君の人生を変えてしまったんだ、それぐらいの罰でいいなら喜んで受けよう。だがセイエイ君。君はこの先必ず人間、もしくは魔族のどちらかと戦うことになるだろう。」

「そんな事言われたって...」

「突拍子も無いことを言っているのは分かる。だがそれを承知で頼む!僕達にはきっと、いや絶対に君が必要なんだ!」

「でも...」


それでも躊躇う俺の心に聞き覚えのある声が聞こえる。

まるで、俺の中に最初からいたかのような、長らく忘れていたような懐かしさを感じる声が。


(お前の覚悟はそんなものだったのか?日本を、世界を変える?笑わせるな。お前みたいなのが変えられる程世界はそこまで甘くも無いし賢くもない!世界を変えたいなら、意志の力を、覚悟をみせろ!善人になるな!神を信じるな!自分自身をまず疑え!)


謎の声に好き勝手に言われた後に気付く。


(これ、俺の声だ...でも、なんで...)


自分の声で言われた内容を考える。


(あんなに強く決心したのに、馬鹿だったな俺...。戦いの場にも立たずに逃げ出そうなんて、な。まあ、ダメだったらその時はその時だしな!逃げるのはその時でも大丈夫か!)


決まりだ。胸が熱くなる。心はもう揺れない。


「俺が役に立つかなんて分かりませんし、まだ決心っていう決心も出来ていません。でも思い出したんです、俺が俺の世界を変えるって。その理想に近づけるなら俺、やるだけやってみます。後、アスィさっきは、ゴメン。」


一瞬ハルバアスとアスィは驚いた顔をした後、


「ありがとうセイエイ君!やはり僕の見込んだ男だ!」

「最初からそう言えばいいのよ!面倒な男ね!」

「うっ...自覚がある分結構傷付くな...」


「さて!改めて実戦だセイエイ君!緊張しているとは思うが行こう!君の勇者ライフの為にもね!」

「緊張はしてますけど...勇者ライフて...」

「その前に装備だね。はい、これが君の持っていた篭手だ。ガントレットとでも言うべきかな。僕が付けてみた途端に篭手が死んだというか、持っていた輝きが消えたんだ。これは君専用と考えるのが妥当だろうね。」


魔王の手から篭手を手渡される。


「俺専用...」


受け取った篭手を改めて観察する。途中可愛らしい仕草で覗き込むアスィの体を観察しそうになったが、雑念を振り払い集中する。ふむ、革のような感触のする手袋が軟鋼?だろうか柔らかい金属で覆われているのが隙間から分かる。手の甲と指先までは銀色の金属で覆われていて、その上から今度は金なのだろうか?という感じの金属で豪奢な装飾が施されている。手の平の部分には綺麗な宝石の様な物が埋め込まれているのだが、これが左右で宝石の形も色も違うのだ。ここまで見て言える事はこの篭手が相当なレアな物って分かったぐらいだ。


「ふわぁ・・・キレイ・・・」

「それにしても凄い武器だよこれは!よく手に馴染むし、なによりこの柔らかい鋼、こんなのは初めて見たよ!しかもオリハルコンにキルカレオン鋼まで使われているなんて!しかもこの宝石、ラルド石だよ!これ2つとも色が違うよ!凄いぞ!このクラスの武器にはスキルが付いているんだろうなあ!!」

「はい?何言ってんです?」

「ごめんごめん、つい熱くなってしまった。オリハルコンは魔力を蓄積し、変化した金属でね。そもそもちゃんとした物になるまで何百年とかかる上に加工の仕方を間違えればすぐダメになるんだ。しかし、一度武器に出来れば持ち主の魔力、経験、気持ち、ありとあらゆる要素を吸収して進化していくんだ!キルカレオン鋼も大変貴重な物で見つかったら国が動くレベルさ。これは、外部からのあらゆる魔力に対して強い耐性を持つ上に金属としての硬さも異常だ。オリハルコンとの親和性も高いらしいから、使えば使う程強くなっていくはずさ!」

「そんな物だったんだコレ...」


説明を聞いてみて改めて確認した。すごいモンなんだなコレ。

怖い怖い。


「そしてラルド石と来た!こんな立派な物、ドワーフの鍛冶師が見たら驚いて死ぬんじゃないかな?ラルド石はダンジョンの奥でしか発見されない故に、大変希少価値のある宝石でね、それ自体の美しさもあって超高額で取引されるんだが...この宝石、色ごとに相性のいい魔法があるんだ。その色に対応した魔法を使うと効果が大幅に上昇させる上に、外部からの魔法を吸収する性質もあって防御にも使えるんだ。あっもちろん吸収出来る量は大きさで決まるんだがね。」


石の色は右が赤、左が青か。 

吸収ってどんな感じなんだ?まず肝心の魔法を見たことが無いから想像も付かない。

G○フィールドみたいな物だろうか?違うか。


「とりあえずこれがすごい物だって事はわかりました。でもこんなの俺に使いこなせますかね... 」

「君にしか使えない以上、君が使ってものにしていく他ないさ。」

「普通剣だろ...」

「ワガママ言っちゃだめよセイエイ!こんな武器が使えるなんて羨ましいわ!」


凄いのは分かるけど!篭手に至った理由のせいで喜べないッ!


「ところでセイエイ君、僕の用意した普段着兼戦闘服の着心地は如何かな?」

「あ、これですか?いいですよこれ。動きやすいし、服の中が丁度よくなりますし。でもこれが戦闘服ですか?」

「それは良かった。一応その見た目でも鎧と同じ防御力だからね!破けても多少は再生するし。」

「何それ怖い」


ていうかこれ、完全に見た目はトレンチコートその物なんですよね...ドイツ凄い。知らんけど。


「お父様!早く行きましょうよ!セイエイも!」

「まあ行くよね...」

「それじゃあ行こうか。ダンジョンで特訓した後は城下町で打ち上げさ!」

「おー!」

「うぇーい...」


断然城下町に興味が行くのだが、今更逃げれもしないだろうし諦めて付いて行く。


...もしあの時、ハルバアスの考える男の子が生まれた場合の教育方針をもし知っていたら、未来は色々な意味で変わっていたのかもしれない...



次は(多分)戦闘ありです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ