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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
トレイズ編 第1章 「戦場は無くならない」
32/107

辿り着く筈の無かった結論

今回もよろしくお願いします!

「マックス!......ここは、何処だ...?」


目が覚めるとそこは森だった。


「そうだ...俺は、村で戦って...それで...。」


マックスに手を伸ばした所で意識が途切れたのだ。あの時足元にあった何かの図形の様な物。あれは何だったのだろう?


「ここは何処なんだ?...んだこりゃ?」


寝ていた場所のすぐ側に置かれていたのは銃剣の様な物だった。サイズが非常に大きく、銃口の下からトリガーガードまである長さの剣が付いた銃剣だ。


(これは、L39か?確かに好きな銃ではあるが、出すならAK-47でも出してくれたら心強いんだがな。にしても、カートリッジが無いなんて、一体何処に弾があるんだ?直接弾を篭めるタイプなのか...?)


銃剣を手に取りよく観察する。銃剣は黒い鋼の様な物で作られており、その上から金色の金属で美しい装飾が施されていた。グリップの部分がストックと一体化している様なデザインは、名銃『M1ガーランド』と似ている。


「何で排莢口はあるんだ...?」


弾を入れるマガジンは無いのだが、なぜか排莢口はある銃だった。


(単純に長剣として使える訳だな。この銃の使い方が分からない以上、下手な事は出来ないな。熊が出ない事を祈るか...。まっ、武器があるだけ有難いがな。)


行動を起こす前に持ち物の確認をする。残弾2発のM1911A1が一丁、迷彩服とその上から着ているナイフ等をしまえるボディアーマー、アーミーナイフ一つ、サバイバルナイフ一つ、鞘に入れたマシェットが一つだった。

休憩を取っている所の接触だったせいで、弾薬や携帯食料を持っていなかったのは不運だった。


「さて、まずここが何処の森か調べないとな...。一先ずは何処か村でもあればいいがな...。」


銃剣を肩に担ぎながら勘を頼りに森を歩いていると、突然隣りに生えていた木が動き始める。


「うおッ!?何だ!?」


動き出した木は根で二足歩行をし、枝を鞭の様に使い襲い掛かってくる。しかし、傭兵としての経験のお陰かトレイズは回避に成功する。


「ハハハ...木が動いてやがる...。悪い夢でも見てんのか俺は...。うおッ!」


木はトレイズの驚愕等お構い無しに枝を振り下ろして襲い掛かって来る。木の動きは緩慢で回避は出来るが、攻撃が止まない為反撃に転じる事が出来ない。


(どうする...!?かくなる上はマシェットで突撃するか...。待てよ...?この銃剣、もしかしたら弾が入ってるかもしれねえ...。まあいい。無かったら突撃するのみだしな!)


「木のバケモノが!!喰らいやがれェ!!」


銃剣を片手で構え動く木に向けて引き金を引く。


バガァンッ!!!


「うおお!?」


爆発音と共に銃剣から放たれた弾は動く木の真ん中に命中し、木は丁度上半分が消えて無くなった。あまりの反動にトレイズは後ろに倒れてしまう。上半分の無くなった木は、パタンと倒れ動かなくなる。


「まさか弾が出るとはな...。ん?」


地面に落ちている金属の物体を見つける。落ちていたのは空薬莢だった。恐らく銃剣から出た物だろう。それを手に取って見る。


(今撃ったハズなのに全く熱くねえ...。あれ程の威力を出す為に必要な火薬の量となると、半端な量じゃない筈なんだがな...。)


空薬莢を見ていると、空薬莢は分解されて行く様に光の粒子となっていく。三秒程経つと空薬莢は消えて無くなってしまった。


「一体どうなってる...?こんな技術があるなんて聞いた事ねえぞ...。ううむ...まずは現地の住人に話を聞くしか無いな...。」


銃剣を回収し再び歩みを再開する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


しばらく歩いていると、森の出口とも言える場所に着く。そこから森の外へ出ると、木造の家が十数軒建つ村が見えた。村の周りには見上げるばかりの大木が何本も生えており、そのなかでも村の真ん中に生えている木は周りのどの木よりも太く高かった。


「あれくらいの規模の村なら情報は得られるだろうな。食料と水は物々交換でもするか...?まっ、後はあの村がゲリラの村じゃない事を祈るだけってな。にしてもたっけえなあ。」


今までにあったトラブルを思い返しつつ村に近付く。この村には入口の様な物も無い辺り、あまり外界との接触は無いのかもしれない。


(森に囲まれてる割に規模はなかなかだな...。にしても、あの高い木の枝と葉で隠れて空が見えん...。)


「おーい!誰か居るかー!」


大声で呼んでみるが、返事は無い。建物の壁からこちらを覗く様にチラチラと見る人影は幾つかあったが。その人影に共通するのは容姿が端麗で耳が長く尖っている、という点だった。

状況を掴めずにいると、前から杖を持った老人が歩いて来る。


「外からの客は何百年振りじゃったか...。こんな村に何か用かな?ご客人。」

「アンタがこの村の長か?俺はトレイズ。まず此処は何処だ?何処の国にある村なんだ?」

「ふむ。ここは帝国領から離れた『ナリア大樹海』にある小さなエルフの村じゃよ。」

「は?エルフ?帝国領だって?」

「なんじゃご客人、エルフを知らんのか。その様子だと、帝国も知らんようじゃな?一体何処から来たんじゃ?」

「お、俺は南アフリカ大陸のルワンダの近くで戦ってたんだ...。そしたら、いつの間にかあの森にいたんだ。」

「南アフリカ大陸?何を言っとるんじゃ?ここはナリア大陸の端じゃぞ。ふーむ。となると、反対側の大陸から来た言うことになるのかのう?」

「ナリア、大陸...。」


ここでトレイズはある一つの結論に辿り着いた。

『全く別の世界に迷い込んだ。』

と言う事である。



大陸の絵とか何処にどの国があるかとか次で書きたいと思います。絵でも載せれれば...。


9/26に銃剣のデザインについて書き忘れがある事に気付き修正しました。すいませんm(_ _)m

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