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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第1章「魔王国にて」
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異世界での朝

設定とか書きたかったけどついつい...^^;

目覚めると、俺はベッドの上だった。

高い天井だ。部屋の壁には高価そうな絵画が並べられている。

...1つ文句があるとすればその絵画全てが趣味の悪い物だという事だろうか。


「朝...か。夢だった、なんて訳無いよなあ...」


昨日の体験を思い返しつつベッドから起き上がる。

自分の着ていた服は綺麗に洗われて畳まれており、例の篭手も部屋の中心にある華奢なテーブルの上に置いてあった。

感心していたその時、ドアがノックされる。


「セイエイ君、もう起きてるかな?入っても大丈夫かい?」

「あ、はい。どうぞ?」

「それでは失礼するよ。」


ドアが開けられ入って来たのは中学生ぐらいの身長の妙に貫禄のある美少年だった。


「えと、魔王様のー、息子さん?」

「ふふ、大丈夫だよセイエイ君。僕が正真正銘魔王ハルバアスさ。」

「嘘ぉ。」

「本当さ。あの姿は特殊な鎧のお陰でね。魔力を使う事であたかも鎧の中に人が入っているかのように動ける優れ物なんだよ。」

「なるほど。でも無いですけどね。魔法とか全然分かりませんし...でも、今日はその事も含めて色々教えて頂けるんですよね?」

「ああそうとも。君は我ら魔王軍の隠し玉だからね!あと、敬語は適当でいいからさ。それじゃあ、そうだな。この部屋でいいかな。あ、お風呂、入るかい?」

「あるんですか?そういうのはてっきり...なら入ります。」

「そうするといい。君みたいなのは凄く珍しいんだ。人間は僕達を見ると敵意しか向けてこないからね...」

「今すぐ殺されないんなら、利用できる物は利用しているだけですよ。初めてこの世界に来ましたしね。」

「言うねえ♪それじゃあ行っておいで。ドアの前に執事がいるから案内してもらうといい。メロ!セイエイ君を案内してやってくれ!ではまたこの部屋で。僕も少し用事を済ませてこよう。」

「分かりました。行ってきます。」


部屋の外に出ると、確かに執事服を着た浅黒い肌の山羊男がいた。


「初めましてセイエイ様。私はメロと申します。アドラメリク家で執事を務めさせて頂いています。」

「安曇清英です。宜しくお願いします。」

「ありがとうございます。それでは風呂場へご案内します。」


少し歩き、何回か角を曲がると風呂場に着く。


「それではゆっくりとお過ごし下さいませ。着替えは中にありますのでそちらを。終わりましたらここで待っていますのでお声を掛けて頂ければ先程の部屋にご案内します。」

「分かりました。何だかすいません。」

「滅相も御座いません。セイエイ様は我ら魔族の道標となる御方だとハルバアス様からお聞きしております。そのような御方のお力になれるのであれば見に余る光栄でしょう。このメロ、誠心誠意努めさせて頂きます。」

「僕にそんな力なんてありませんよ...」

「いえ、セイエイ様からは私のような者でも分かる力があります。出過ぎた事を言うようですが、どうかその力の使い方を間違えぬよう...」

「大丈夫ですよ。僕がどんな力を持っているのかまだ分かりませんが...あ、お風呂、行ってきますね!」


大きな扉をあけ、部屋に入る。


「凄い広いな...」


魔王家専用なのだろうか。着替えるスペースだけでも俺の寝ていた部屋と同じ広さだ。

手早く服を脱ぎ置いてあったタオルを持ち扉を開け風呂場に入る。このタオルも物凄い柔らかく手触りもいいあたり、かなり高級な物なのだろう。

風呂場は旅館の温泉と言ったような感じではあるのだがいかんせん広い。競泳用プールかと思ったわ。

すぐに湯船に入る。かなり手前に入ったので湯気で奥が見えないのは不思議な感じがした。


「ふう...」


一息付くと奥に気配があるのに気付く。


「お父様?お母様?いるの?」


その声の主はこちらに近付いて来るのが分かる。


(助けてメロさぁぁぁぁん!!他に誰かいるって言ってなかったよね!?しかもよりによって魔王の娘ってすげえな!!)


そして


「お父さ、ま?アッ」

「あっ」


目が合う。

堪らず目を逸らしてしまったがもう1度向き直る。また目が合う。

よく観察してみる。急に頭がクリアになった気がする。うん。青く美しい髪。腕で隠してはいるがその上からでも分かる程よい大きさの胸。小さい角もチャーミングだし、肌も白くて綺麗だ。さて...


「な、な、なに?」


魔王の娘であるアスィは顔を赤らめていたが目を合わせてくるあたりがやはり魔王の娘なのか。


「ボク、サキニデマスネー」

「ちょちょちょっと待ってよ!」

「待ちません!悪いのはメロさんだから!俺は嵌められたんだよ!」


そうだ。ここで死ぬ訳には行かない。何としてもここから...!


「せいっ!!」

「おおっ!?」


突然、体中の血液そのものを捕まれたような感じがして、後ろに引っ張られる。不意打ちだったので湯船に顔から入ってしまう。


「ぶはっ!」


顔を上げると目の前にアスィがいた。うん。可愛い。やはり顔はまだ赤い。

急いで距離を取る。


「ハッ!いや、説明させて下さい。他に誰かいるとは知らなくて、その、」

「?分からないけど本当にそういう目的だったら最初に電流流してるわよ?」

「デスヨネー」

「貴方がどんな力を持っているか分からないけど、お父様があそこまで言うのだからちゃんと期待に応えなさい!いいわね?」

「はっ!誠心誠意努めさせて頂きます!!」

「宜しい!ところで...」

「???」

「早く、出てよ...」

「りょ、了解しましたァ!」


死に物狂いで湯をかき分け、風呂場から出て着替えスペースに戻る。


「ハァハァ...良かったー、のか?」


用意されていた軍服のような服を来て、部屋から出ると入口の近くにメロさんが待っていた。


「お戻りになりましたか。それでは、参りましょう。」

「メロさんユルサナイ」

「どうかされましたか?」

「いえ、何でもねえです...」

「?それでは行きましょう。」


自覚のないであろうメロさんを恨みつつそれでもさっき見た光景をしっかり脳に焼き付ける。



ーーーーーーーーー



「りょ、了解しましたァ!」


そう言って出て行った人物の必死さに驚きつつ、先程の会話を思い返す。


「なかなか肝が据わってるというか...まだ自分の力に気付いていないのが怖いというか...それにあの目は確固たる決意を持っている者の目だった...それに...」


自分の考える事に自分で気付く。


「違う!いやっでも!いや!いやいや!」


風呂場に自分の声が響き少し虚しくなる。


「まあ、しばらくは大きな事を起こらないとは思うし、もしもの事があるまでには備えられるとは思うけど...どうなるかな、あの勇者...」


ーーーーーーーーー


「メロさんって、天然だったりしません?」

「?天然ですか...強いていうなら私共はやはり生物ですのでやはり自然のモノでしょうね。繁殖等の観点から見れば...」

「あ、いえ、間違えました...」

「?」


前途多難がこんなに予想しやすいとは思いもしなかった。

次こそ設定書きます!はい!(フラグ)

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