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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第1章「魔王国にて」
22/107

華の副首都ルクエにて

日付変わる前に更新出来なかった...。

すいません。。。

都市ルクエ。シュレア王国の領地であり王都の次に盛んな都市であり、街は巨大な防壁で囲まれている。魔大陸からの軍を足止めする事を想定している為冒険者や傭兵の数が非常に多く、それを相手にする商売も盛ん。都市付近にはダンジョンも存在しており、そこからもたらされる貴重な資源や財宝を狙って来る冒険者の方が近年は多い。

一方ルーキー狩りやダンジョン内で財宝を奪う為の暗殺等もあるため、ルーキーの冒険者は最大限の注意が必要な都市でもある。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺とクリスさんは都市ルクエで入都市審査を受けていた。

冒険者証を持つクリスさんはアッサリ通っていたが、俺は持っていないので普通は書類やら身分証明等面倒らしいのだが、クリスさんの冒険者証を見た衛兵が慌てた様子で通してくれたのには驚いた。


「衛兵さん、えらく慌ててましたけど?」

「私も冒険者稼業とやらは長くやっている。顔利きってヤツだ。」

「ほほう...。」


(と言う事はクリスさん割と有名人、なのかな?でも冒険者証を見てからだったし、単純に冒険者としての階級が高いのか。)


考えを巡らせていた俺の目に、ルクエの街並みが映る。道路は石畳で舗装されており、荷物を運ぶ獣車や大勢の人が行き交っていて、色々な種類の獣耳と尻尾の付いた亜人種も見える。

道の脇では多くの露店が並んでおり、非常に活気があった。住宅地らしき建物も多く並んでおり、遠くには一際大きい建物がある。


「お前も冒険者証を作らねばならん。冒険者ギルドに行くぞ。私がいない時でも大丈夫なように、金は稼げるようになってもらわんとな。」

「了解です!」


ふと気になる事が頭に浮かぶ。


「今魂を分配、管理しているのは誰なんです?」

「私の部下だ。半神半人の奴でな、私と同じく公平に魂を管理している。心配はいらん。」

「疑ったみたいですいません。でもクリスさんの部下なら心配無いですね。」

「ああ。奴なら心配無い。なにせこの人の世でもかなり上の地位まで登り詰め、今でも影響を与えるぐらい出来る奴だからな。」

「そんなに...。」


そうこう話していると、目的地に着いたらしい。俺の目の前には大きく無骨な建物があった。


「ここが冒険者ギルドですか?」

「そうだ。正確には冒険者互助支援及び依頼斡旋機構だな。」


長っ。


「入るぞ。手早く済ませて依頼も一つ二つ済ませて置きたい。」

「分かりました。」


冒険者ギルドのドアを開け中に入る。中は広く、正面奥にカウンターがあり窓口は複数ある。酒場らしきスペースもあり、冒険者達で賑わっていた。

数人の男の冒険者がクリスさんをチラチラと見ている。俺達を襲ってきた冒険者と同じ目だ。


(また面倒事にならないといいんだけど...。)


クリスさんの表情を窺いつつ、奥のカウンターに到着する。

クリスさんが窓口の受付嬢さんに俺の冒険者証を作ってもらうべく話し掛ける。


「すまない、コイツの冒険者登録と冒険者証発行を行いたいのだが。」

「冒険者登録ですね。分かりました!」


受付嬢さんはやはり美人だった。鮮やかなエメラルドグリーンの髪をツインテールにしている。少し幼い顔立ちはメイド服に近い制服と相まって、絶妙な可愛いさだった。

受付嬢さんは一枚の紙と羽根ペンを差し出して来る。


「こちらの紙に登録される方の名前、年齢、種族、希望される職種(ジョブ)をお選び下さい。文字を書けないのでしたらこちらでお書きしますよ。」

「分かりました。職種(ジョブ)って何ですか?」

職種(ジョブ)は剣士や魔道士等の自分の戦闘スタイルを簡単に表したものですね。基本的にはギルドで定めたものから選択する形式です。」

「選ばなくていいんですか?」

「登録される方の自由、となっております。職種(ジョブ)を明記していれば即席のパーティーを組む時に便利ですよ。」

「成程...。」


言われた通り必要な情報を紙に記入していく。


(名前は『アズミ・セイエイ』で、年齢は...ってあれ?言葉はともかく文字はどうなんだ!?通じるのか!?そう言えば何年たったら何歳とかも分からないし...。しょうがないか...。)


「すいません...シュレア王国の文字が書けないので代筆をお願いしたいんですけど...。」

「代筆ですね。かしこまりました。お名前は?」

「アズミセイエイです。アズミが苗字で。」

「アズミ様は貴族様なのですか?」

「え?いや、そんなんじゃないですよ。」

「じゃあ何で...ああ!すいません!ご、ご年齢は?」

「十七です。」

職種(ジョブ)の方はどうなさいますか?」

「じゃあ...この『拳闘士』で。」

「有難うございます。それではこちらのカードに血を一滴垂らして頂く事で登録完了となります。」


カードと一緒にナイフが出される。


「これで切るんですね?」

「はい!一滴で大丈夫ですよ!」


おお...結構怖いぞこれ...。


俺が躊躇っていると、隣のクリスさんが堪えかねたらしく俺の指先を手刀で少し切る。


「ちょっと痛い!?」

「今から冒険者になるのにこのぐらいで臆してどうする!」

「そりゃそうですけど!俺のタイミングって物が!」

「魔物には勝ったのにか?」

「魔物よりクリスさんの方がよっぽど怖いよ...。」

「よし、天界一周旅行でもして来るか?」

「それ帰ってこれないヤツじゃないですかーやだー。嘘ですクリスさん可愛いよ!」

「良し...でも無いがな。さっさと登録を済ませろ。」

「分かってますって!」


やり取りを見ていた受付嬢さんは驚いていたが、俺はそのままカードに血を垂らす。

すると、カードは淡い光を放ち少しして光は収まった。


「はい!登録完了になります!達成した依頼や倒した魔物等は全てカードに記録されます。冒険者ランクは低い物から鉄、銅、銀、金、白金、神鉄オリハルコンとなっています。アズミ様は鉄からのスタートとなりますね。神鉄オリハルコンはまだ到達した方がいらっしゃりませんので、是非目指してみてはどうでしょうか!」

「そ、それは...。あっ、依頼を受けるにはどうすればいいですか?」

「依頼は左側にありますクエストボードに貼られている依頼書をカウンターにお持ち頂ければ、依頼手続きをさせていただきます。

依頼によりますが、約束金を最初に払って頂く物もございます。依頼を失敗したと判断されれば違約金が発生しますので、ご注意ください。銀ランクからは失敗が重なりますとランク降格処置もありますのでそちらにもお気をつけ下さい。

あ、受けられる依頼は自分のランクから一つ上か一つ下になります。」

「説明ありがとうございます。早速依頼見て来ます。」

「はい!初めての依頼ですので、薬草採取等がオススメですよ!」


既にクエストボードの方に移動していたクリスさんの元に向かう。


「俺依頼受けようと思うんですけど、初めてだし、薬草採取って所ですかね?」

「そんな生温い依頼等受けさせるか。」

「ゑ?」

「当たり前だろう?あのダンジョンの魔物と比べればここら辺の魔物はかなり弱いハズだ。そうだな、『ゲイルウルフ討伐』これなんてどうだ?」

「いきなり上のランクの依頼ですか...。」


(こういうのって、依頼っていう形になると途端に怖くなってきたりするもんなんだよなあ。)


「そう言えば俺の戦ったヨハンは依頼になるなら、どのくらいのランクなんです?」

「ざっと白金は行くだろうな。明確な意志を持ち魔術と武術を使う魔物等、そうはいない。お前が勝てたのは、ひとえにスキルとその武器のお陰と言う事もある。それを忘れずに精進しろ。慢心は敵になる。」

「分かりましたけどお...。」

「分かったなら行ってこい!私は用事がある。」

「一緒に来てくれないんですか!?寂しい以前にお金の事も分からないのに...。」

「その事はルリィに聞いてくれ。後ステータスを確認してから依頼に臨め!分かったな!では今夜ギルドで落ち合おう!」

「ちょっと!ルリィって誰なんです!」


クリスさんは言いたい事を言ってどこかに行ってしまった。大人気なく身体強化なんて使いやがって...。

ルリィが誰か等分かるはずも無く、大人しく受付嬢さんに依頼手続きついでに尋ねてみる事にする。


「すいません、依頼手続きをしたいんですが。」

「はい!依頼手続きですね!」

「つかぬ事をお聞きしますが、ルリィさんってご存知では無いでしょうか?」

「はい?私がルリィですよ?あ、ルリィ・リュカオンです。冒険者ギルド、ルクエ支部で受付嬢をやっています!」

「クリスさんとはお知り合いなんですか?」

「はい!私が最初に担当した方で、優しくてお強いんですよ!」


初めてがアレとか難易度インフェルノかよ。


「私が冒険者の方に襲われそうになった時に助けてくれたりしたんですよ!それに、たった数ヶ月でもう白金ランクですよ!しかもソロの!綺麗だし憧れますよね〜!」

「そ、そうですね〜。(確かに綺麗だけどね...。)」

「アズミ様はクリスさんとはどこで知り合ったんですか?最近見なかったので心配していて...。」

「セイエイでいいですよ。クリスさんは俺の上司ですよ。彼女のサポートです。」

「クリスさんに認められるなんて凄いです!セイエイ様はお強いんですね!」

「いえ、まだ鉄ランクですし雑用ですよ。」

「そんな事言っても、セイエイ様の凄さは私には分かりますよ!あ!手続きしますね!...はい、これで完了です。」


ルリィさんはそう言って同じ内容の書かれた別の紙にサインの様なものを書いて差し出して来る。


「完了の際はこちらの依頼証の写しをお持ち下さい。セイエイ様の受ける『ゲイルウルフ討伐』はゲイルウルフの尻尾か牙、その他のゲイルウルフの素材と分かる物なら大丈夫です。一頭で銀貨一枚になりますので、ご自身の力量に合った狩りをお願いします。決して無茶はなさらないで下さい!セイエイ様はソロで、しかも初依頼です!」

「大丈夫ですよ。勝てないなら尻尾巻いて逃げますとも。」

「頑張って下さい!では、お気を付けて!対象地域の『ルクエ警戒森林』はそこの出口を出て左に行けば行けますからー!」

「はい!色々とありがとうございます。行ってきます!」


ルリィさんに見送られながら、ギルドを出て左に曲がる。正面に見える門からその森に行けるらしい。


「さて、まだチュートリアルからってとこかな。」


いざ、初仕事である。クリスさんの事だ。失敗は許されない。

毎日更新難しいですw

(出来れば)毎日更新ですね!次回は戦闘回にしたいな...!

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