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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第1章「魔王国にて」
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いつの世も

こんな時間になってしまった...。

だが今回も宜しくお願いしますm(_ _)m

俺とクリスさんは手早く出発する準備を整える。現在俺がいるのは、シュレア王国の辺境にある田舎で、漁と狩りをしながら生活しているキノ村と言う所らしい。ある程度規模のある都市に行き、移動手段を確保するまでは徒歩になるとの事だ。


「仕事着じゃ無いんですね?」

「恐れられたい訳では無いさ。この格好の方が様になっているだろう?」

「確かに...。」


クリスさんの格好は言うなれば騎士だ。しかもかなり立派な。白金の様な金属で作られた鎧はかなり腕の良い職人が作ったのだろう、使用者の動きを阻害する事無く、防御力を発揮しつつ機動力も確保している。

俺の格好は相変わらずのトレンチコートにガントレットである。そして、鞄と遺跡にあった大量資料だ。王都なら鍛治師がいるはず...!こればかりは性分だ。

装備の確認をしていると、部屋の扉を開けて初老の男性が入ってくる。


「おはようございますクリス様...おや?この方は?」

「私の仲間だ。昨日の夜、用事から帰って来た。」

「初めまして、安曇清英です。」


俺は日本にいた頃と同じく、男性に挨拶をする。


「こちらこそ初めまして、セクサ・アルと申します。この村の村長を務めさせて頂いております。」

「セクサ、我々は出発する。朝食を頼む。これは今日までの朝食代だ。取っておけ。」


そう言ってクリスさんは金貨を一枚セクサさんに投げる。


「朝食代等大丈夫ですのに!しかもこんなのに...。クリス様にはお世話になりました。これは受け取る訳には...。」

「現金収入は貴重なハズだ。薬を買う時などに必要になるだろう。取っておけ。私も払うべき金を払わないのは気分があまり良くないのでな。」

「...分かりました。村の資金という事にします。それでは朝食をお持ち致しますので、少々お待ちを。」


言われた通りに待っていると、しばらくしてセクサさんが朝食を二人分持って来る。焼いたベーコンに黒いパンというシンプルな物だ。


「今はこんな物しか出せませんが...。」

「セイエイ、急いで食べろ。時間は無駄には出来ないぞ。」

「は、はい!」


クリスさんに急かされ、かき込むように平らげる。なんのベーコンか分からないが美味しかった。


「それでは行くぞ。セクサ、世話になった。」

「ありがとうございました。」

「魔物退治から治療まで...クリス様程のお方はそう居られません。本当にありがとうございました!」


もう英雄じゃないの...?そう思える程セクサさんはクリスさんに感謝していた。村を出る際にも村人が見送りまでしていた。


「荷物は持っててくれ。ここから東に向かった所にルクエという都市がある。そこなら馬車があったはずだ。まずはそこに向かう。」

「分かりました。どのくらい歩くんです?」

「まあ一週間と言った所だ。」

「ワアオ...。」


早速平原を進む。暇潰しに、とクリスさんに旅の注意点等を教えられる。


「シュレア王国も王都以外はあまり統治できていなくてな。盗賊もいるし、魔物も多い。特にこんな辺境だと、駐屯している騎士等もいない。」

「それはあそこまで感謝される訳ですね。」

「ああ。おそらく我々も襲撃されたりするだろう。警戒は怠るなよ、奴等は男は余り要らないらしい。」

「止めてくださいよ...。」


奴隷として売られるのだけは勘弁だぜ...。


しばらく歩いていると、クリスさんが小声で敵が来たことを教えてくれた。


「前から来るのはおそらく盗賊か冒険者くずれだ。気をつけろよ。」

「了解です。」


数秒程して、前から来た冒険者風の男4人と接触する。全員武装をしていて、なおかつ全員がクリスさんを変な目で見ていた。


「よお、あんたらも冒険者か?」

「そんな所だ。」


先頭にいた大剣を背負った男が話し掛けてくる。クリスさんは答えはしていたものの、目は獲物を狙う目をしていた。


「良かったら一緒に行かな」

「急いでいるのでな。行くぞ。」

「ウィッス!」


男の台詞を遮って通り過ぎるクリスさんに俺は慌てて付いて行く。この人は全く...。


「お、おい!折角パーティーに入れてやるってのに...!」

「急いでいる。と言ったはずだ。」


姐さんカッコイイ...では無く相手は明らかに不機嫌そうだった。そりゃあこんな美人に無視されちゃご褒b、じゃなかった気分は良くないだろうな。狙いは火を見るより明らかだが。


「こっちが下手に出てやれば...!お前らやるぞ!ガキはいらねえ!」

「セイエイ、聞いたな?」

「悪人でも人殺しは人殺しですよ...?」

「こんなモノは人では無い。」

「ゴチャゴチャうるせえ!」


一人の男が俺に片手剣を振ってくる。その動きは、ダンジョンの魔物とは比べるのも馬鹿らしいぐらい遅い。


「んん?真面目にやってんのか?」


身体強化を使い、片手剣を右拳で掴む。男は必死に離れようとするが、剣は俺の拳から動かない。


「う、動かねえ!どうなってんだ!?」

「どうなってるも何も...。そいやっ。」


右拳に軽く力を入れ剣を折る。これは量産された安売りの剣だろう、脆過ぎる。


「剣を折りやがった!?このガキ何なんだ!?」

「うるさいなっ!」


片手剣の男の足に軽く蹴りを入れる。


「うぎゃあ!?」

「あれ?」


かなり手加減したはずなのだが男の足はあらぬ方向に曲がっていた。


「てめえ、よくも!」

「遅いんだよ。」


ダガーを2つ逆手持ちにした男が飛び掛かって来るのだが、やはりこれも遅い。面倒なのでダガーの男の両腕を掴み地面に落とした後、力一杯殴る。

ボンと音がしてダガーの男の首は飛んで行く。頭の無い体は人形の様に倒れ、首からはおびただしい量の血が流れて来る。

人を初めて殺したのだが、何も感じる事は無かった。蚊を潰した時のあの感じに近い。


「こんなもんか。」


クリスさんの方を見ると、魔道士らしきフードを被っていた男は既に体が上下に分かれていて、大剣の男は剣を折られて座り込んでいた。


「たっ助けてくれ!もうこんな事はしねえ!頼む!」

「お前が殺した相手も命乞いをしたはずだが?」

「へ?」

「お前が殺した相手も命乞いをしたと言っているッ!」


そう言ってクリスさんは男の左腕を長剣で切り落とす。


「ぎああっ!!たっ、たすっ、助けてくれえ....」

「こんな物では足りないぞ?もっと命乞いをすれば助かるかもしれないぞ??あぁ、たまらない!さあもっと叫んでくれ!ふふふ...!」


クリスさんは体をくねらせ、恍惚とした表情で男を嬲っていた。どう見ても異常者である。


「反省したか?後悔したか?貴様が殺した者の無念を味わいながら死ねッ!!」

「まっ、待って!死にたくな」


クリスさんは何も無い空間から2m程の大鎌を取り出し、男の体を真っ二つにする。

クリスさんの呼吸は荒く顔も上気しており、かなり色っぽい。


「派手にやりましたね。」

「貴様も初めてとは思えんな。人を殺したんだぞ?」

「そうなんですけどね。なんと言うか、害虫を駆除した感じでしょうか。あ、最後の1人はお任せします。」

「引き受けた!」


足を折られた男は気絶していたのだが、クリスさんに足をもう一本折られ目を覚ます。


「ぐあああっ!」

「起きろ。」

「クソッ!なっ、何で?」

「お前以外は死んだよ。さあて、今迄して来た事を後悔しながらゆ〜っくりと死ね。」

「待ってくれ!...ぎゃあああ!」


その後は必死に命乞いをする男の両腕を切り落とし、それを再生し切り落とすと言う作業を二、三回繰り返した後、男がショック死して唐突に終わった。


「もう少しで絶頂という所で...使えん奴だ。」

「クリスさんってもしかして虐めたりして興奮するタイプですか?」

「違うぞ。私は今迄散々人を殺した悪人が、いざ自分の番になった時必死に命乞いをする様を見るのが快感なだけだ。」

「まあまあ常軌を逸していますけどね。それにそんな顔を赤く染めて...死神のイメージ通りと言うか...。」

「心外だが、こればかりは止められないのでな。さあ先を急ぐぞ。」


再び歩みを再開する。 その後は盗賊に襲われる事も無く、魔物が少しいたぐらいで順調だった。唯一問題だったのは、クリスさんが俺を抱き枕扱いしたぐらいか。

そして、俺とクリスさんは無事ルクエに到着する。このルクエから王都を目指す旅が後々事を起こす事になると俺はまだ、知らなかった。






そろそろ22時位までには更新したい...!

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