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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第1章「魔王国にて」
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魔王の娘は伊達じゃない

結局この時間(´;ω;)

「我等シャクショールの栄光の為に散るがいい...!我が下僕達よ、侵入者に死者の国への引導を渡せ!」


シャクショール王ヨハンの戦力は強大だった。金の細かな装飾が施された白の鎧を身にまとう、親衛隊魔鋼強化騎士が20体、装飾が親衛隊仕様の光蠍スコーピオンレイが2体、少し後ろで王を守るように立つのは巨大な目の仮面を付け、体のいたるところに魔法陣が彫られた巨大ゴーレム『ルテチオン』。

騎士は光蠍スコーピオンレイと共に前衛を担当し、『ルテチオン』と王ヨハンが後方から熱線と魔法による援護を行っていた。


「攻められない...!」

「面倒ね!一気に攻め込みましょう!」

「それが良いな。セイエイ、アスィ、蠍を倒せ。騎士は我が抑える。話はそこからだ!」

「分かりました!行くよ、アスィ!」

「行くわ!セイエイ、背中は任せたわよ!」

「えっ?ちょっ待っ」


そう言うなりアスィは光蠍スコーピオンレイ目がけて突撃してしまう。

迎撃する光蠍スコーピオンレイの剣による攻撃を躱し、右前脚に一撃を加える。俺とリリアナは、アスィを囲もうとする騎士達を倒していく。


「『ルテチオン』!放て!」


後方から巨大な熱光線が飛んでくる。


「熱いー!?」

「キャッ!?またコレ!?」


間一髪避けられたが俺とアスィの近くにいた騎士3人は吹き飛び、ほぼ直撃を受けた光蠍スコーピオンレイは左半身が溶けていた。


「ええい!ハエのようにチョロチョロ動く奴等だ!"アースレイジ"!!」


今度は地面が勢い良く隆起し俺とアスィを襲う。足元の地面が突然盛り上がり、俺とアスィは空中に投げ出される。


「ぐあっ...!」

「ひゃー!!」


「だらしないぞ貴様ら。アレぐらい避けて見せろ。」


俺とアスィは竜に戻ったらしいリリアナに助け出される。


「あ、ありがとうございます!」

「ありがとリリィ!」

「礼は良い!先にあのゴーレムを処理するぞ!掴まれッ!」


そう言うとリリアナは『ルテチオン』目がけて急降下する。


「む!私を直接殺りに来たか!『ルテチオン』、迎撃せよ!」


ヨハンが指示を出すと、『ルテチオン』はファイアボールの連射と何本もの細い熱光線で迎撃する。


「当たらんぞッ!"竜人化ドラゴセンデンス"!」


突然人に戻ったリリアナのせいでまたも空中に投げ出されてしまう。

覚悟を決め、落下の勢いそのままにルテチオン目がけて突撃する。


「怖いけど、やるしかないか!この一撃でッ!」

「楽しいわね!行っくわよー!!」


加速し、身体強化された俺の右拳は物の見事に『ルテチオン』の右肩部分に直撃し、装甲の表面は砕く。勢いを殺せた俺は着地に成功する。

次いで降りてきたアスィの一撃で『ルテチオン』は右腕を切り落とされる。アスィも無事に着地出来たようだ。


「『ルテチオン』にダメージを...。下僕達よ、奴等を殺せ。」


ヨハンはかなり動揺していなかった。自慢の秘密兵器がいとも簡単に傷を負ったのに、嫌に冷静だった。最初から想定済みだったようだ。

だがマズい。俺とアスィは完全に包囲されている。

だが、ここで救世主が現れる。そう、リリアナである。


「だらしないぞセイエイ!そぉら!!」


俺を嘲りながら登場したリリアナは、俺達を囲んでいた騎士の内2人の頭を目にも止まらぬ速さでもぎ取って行く。


「お前が派手にやってくれたお陰で騎士を10体は狩ったぞ?あの岩人形は我がやる!残りは貴様らで片付けろ!」

「勝手が過ぎるぜ...。」

「ちょっと!リリィ、待ちなさいよ!」


リリアナは振り向かずに『ルテチオン』の方向に向かってしまう。

こうなればここで終わらせねばならない。


「セイエイ、突っ込むわ!援護をお願い!」

「了解。でも無理は止めてくれよ!」

「えーっと、"限界突破リミテッドオーバーレベルワン Lv.1"!!」


アスィの突撃スピードは伊達では無かった。驚愕のスピードで騎士に肉薄し、一刀のもと真横に両断してしまう。


「てああっ!!」


さらに背後から斬りかかってきた騎士を縦に切り裂く。アスィ無双はこれで終わらない。反応が追いつかなかった騎士は左肩から斜めに切り裂かれ、倒れ伏す。


「まだまだ!"限界突破リミテッドオーバーレベルツーLv.2"!!」


そう唱えたアスィの速さは尋常では無かった。あの魔鋼強化騎士のそれも親衛隊が見失う速度だ。


(あれレベル2あったの!?)


口に出して発動する物とは言え、魔力消費は半端なものでは無いだろう。しかし、アスィはそれを全く感じさせないスピードで騎士を次々と切り捨てて行く。

1体、また1体と騎士はまるで人形の如くなす術なく倒されて行く。


「これでッ!終わりよ!」


今、最後の1体が倒される。親衛隊騎士7体は可憐な少女1人の手により、呆気なく全滅してしまった。

これにはもう開いた口が塞がらない。


「ふうー。結構疲れるわね、これ。」

「お、お疲れ様?」


その時、こちらに向かってくる光蠍スコーピオンレイを確認する。


「私はあの蠍をやるから、セイエイはあの生意気な王様をやっちゃって!」

「分かった。気を付けて、なんて野暮か!行ってくる!」


アスィに光蠍スコーピオンレイを任せ、俺はヨハンの元に向かう。


一方、『ルテチオン』と戦うリリアナは。


「終わりだ。フンッ、岩人形如きが我に刃向かうな。」


リリアナの手から放たれた光線により、『ルテチオン』は頭部を吹き飛ばされる。


両腕と頭部を失った『ルテチオン』は只の石となり、音を立てて崩れ落ちて行く。


「まさか『ルテチオン』がこうも簡単に倒されるとは。やはり調整ミスか?...まあいい。ならば、王である私自らが相手だ。」

「生憎だが、貴様の相手は我ではない。」

「フッ、では誰なのだ?」

「我等の中で一番貴様に不満を持っている男だ。」


リリアナが指差した先には、砂煙を上げてこちらに走ってくる人影があった。


「待ってろおおお!!修正してやる!」



そろそろ別の主人公視点に変えてもいいかと思っています!

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