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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第1章「魔王国にて」
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失われた技術を求めて

ゲーセンに行っていたら更新が遅れました。本当にすいません。(´;ω;)

俺達3人は次の階層への階段を探して、引き続き街を進んでいた。光蠍スコーピオンレイとの戦闘から何分と経っていないが、それでもここまで結構歩いているはずなのだが下に続く階段らしき物は見つからない。


「あいも変わらず広いッ!しかも人が居ないから静かで不気味だし、面倒だなあ。」

「油断も出来ないしね。光蠍スコーピオンレイみたいなのが何匹も出たらどうなるか...」

「錬金術で寿命を延ばされているとは言え、この時代まで生き残っているのはそう多くなかろう。つまり、生き残っているのは総じて強力な個体という訳だが。」


ですよねー。と同意しながら、改めて街を観察してみる。建物はどれも大きく、装飾等も施されている。どれも研究者の家兼研究所なのだろう。しかし、ここで疑問が浮かぶ。


(人造人間くらいならこの位の規模の研究所でも作れる。だが、光蠍スコーピオンレイや大型の魔物を作るにはそれなりの設備が必要だろう。真の意味で弔うなら、その場所を突き止めて破壊しないとな。それに、出来れば技術をある程度確保したい。)


「アスィ、リリアナさん、提案があるんだ。」

「なに?」

「何だ。」

「大型の錬金生物を製造してる施設があるはずなんだ。そこを破壊、使えそうな技術は確保しておきたい。」

「いいんじゃないかしら?こんなのを作る奴らの研究所なんて破壊しちゃいましょ。」

「我も賛成だ。薬やらの製造方法もあるかもしれぬ。」

「さて、肝心の研究所はどこかな...。」


研究所はかなり大きい施設になるだろう。となると...。


「ここに来る時に見た建物が怪しいです。右に曲がれば...ほら、ここからでも分かります。」

「大きい...!でも、流石にあからさま過ぎない?」

「いや、あの建物で間違い無かろう。遥か未来の敵に発見されるされない等、研究者達には関係無かろうて。」

「ですね、言えてる。」

「本当にあそこだったら相当の間抜けよ...。」


目的地を確認したところで早速その場所に向かう。思いの外近かったようで、身体強化を使えば5分掛からずに到着した。その途中で人造人間の兵士数人に見つかったのだが、3人それぞれが好き勝手やった結果瞬殺だった。


「近くで見ると更に大きく感じるなあ。」

「本当ね...。」


建物自体の高さは15m程だろうか。全体の大きさを考えると、中はかなり広いはずだ。


「突入するぞ!罠があるかもしれぬ。警戒を怠るなよ!」

「了解!」

「分かったわ!」


俺達は堂々と正面の入口から突入する。荘厳な扉を勢い良く開けると、出迎えたのは輝く金の鎧に身を包んだ巨大な騎士のようなものだった。何度言ったか分からないがデカイぞコイツ...。身長4mの男が鎧を着けるとこうなるのか。

五体の騎士の手には、長剣と大盾が握られていた。


「あれが魔鋼強化兵士か!」

「違うな、アレは魔鋼強化騎士と言ったところか?大方、この建物を守る為に配置されたものだろう。来るぞ!」


騎士達は俺達を敵と認識したようで、一斉に飛びかかって来る。


「うわわっ!セイエイ、アイツの弱点は!?」

「待ってて!今見るから!」


大急ぎでメモを取り出し該当するページを探す。


(あった!コレだ!よし...。)


意識を集中させ、そのページの情報を頭に叩き込む。周りの時間が引き延ばされる感覚、思考が冴え渡る。


「その騎士達の関節部分とうなじの辺りに魔石が埋め込まれてるハズです!首筋のを砕けば倒せると思います!」

「りょーかいっ!」

「了解だ!」


五体の騎士は連携を取りながらこちらに攻撃を仕掛けて来る。その練度は高く、死角はおろか隙間さえ俺には見つからない。


「なんてコンビネーション...!これじゃあ近寄れないぞ...。」

「一体に構ってる間に他のヤツにやられちゃうわ...。」


騎士達の洗練された連携に思わず後手に回ってしまう。突破口を探している時、突如一体の騎士の上半身が消し飛ぶ。


「焦るな。奴らの動きには一定のパターンがある。それを見極めれば接近し、弱点を打つ事など容易い。セイエイにアスィ、貴様らなら出来るはずだ。」


確かに首筋の魔石壊せばとは言ったけど...!アレもう弱点どうこうじゃ無い気がする...!あそこまでは出来ないけど、動きを読むぐらいは出来るはず!


(やるしかない!集中しろ!相手の動きを見極めて一撃で仕留めれば...!)


またも時間を引き延ばされる感覚がし、頭が冴え渡る。この状態でもう一度騎士の動きを観察してみる。

一体の騎士が剣で攻撃すると、他の騎士がその騎士の脇を固め盾で防御陣形を取るという戦い方だ。確かに、練度は高いがワンパターンだ。そしてその動きには穴がある。


(見える!俺にはあの騎士達の動きが、手に取るように分かる!)


防御担当の騎士が下がり、攻撃担当の騎士が前に出た時に飛び出る。


「今だッ!!」


騎士は咄嗟に迎撃するが、迎撃の仕方も分析済みだ。振られた長剣に飛び乗り、それを踏み台に跳躍し騎士の頭めがけ、拳を突き出し突撃する。拳は騎士の兜をへこませるが、止めは刺せていない。


「うおおお!!消し飛べええええ!"ファイアボール"!!」


威力を込めた魔法を騎士の兜に零距離で撃ち込む。

騎士の頭は爆散し、頭の無い騎士の体は力無く倒れる。三体となった騎士はすぐさまフォーメーションを立て直すが、サポートが居なくなった今の陣形はあまりにも脆かった。


「上出来だ!アスィ、突撃するぞ!」

「今ならやれる!」

「一気に畳み掛ける!」


三人で一斉に突撃する。騎士達はパターン通りの迎撃をする。


「遅ーい!」


アスィが騎士の腕を鎧の上から切り落とし、回り込んでいた俺が首筋の魔石を粉砕する。魔石を砕かれた騎士は糸が切れた操り人形のように倒れる。

既に対応出来なくなっている騎士の一体をリリアナが首を切って倒す。最後の一体も盾と剣を構え抵抗するが、アスィが首筋の魔石を切り、呆気なく倒れる。


「ふう!なんとかなった!」

「連携を取る敵ってこんなに面倒なものなのね...。」

「普通の兵士以上の活躍をし、恐れを知らず淡々と戦う。それが魔鋼強化兵士、と言ったところか。今のは重要な場所を守る特別な兵士だな。」

「今のが大量にいるなんて面倒ですね...。しかも感情が無いなんて更に厄介だ。」

「それより、先に進まない?」

「そうするとしよう。」


建物の中は広く、未だに光を放っている魔石灯があるが少し薄暗い。俺達の今いる大広間の横には扉が右と左に3つずつあり、それぞれが別の研究室らしい。左右奥の階段から二階に行けそうだが、二階も多分研究室だろう。

なんというか、大広間作ったけど面倒だからそのまま研究室作ろうぜって感じかこれ。


「何か、いきなり目的地って嬉しいけど釈然としないわね...。」

「うむ。この構造はいい加減過ぎるな。」

「一つ一つ見て行きましょうか。」


なんとなくで右側の研究室から潰して行くことにする。入口から最も近い、右側の扉の上の表札らしき物には『魔鋼部門』と書かれている。多分。


「ハッ!」


勢い良く扉を蹴って開ける。こういう場所ではこの開け方が最も生存率を高めると、アメリカの某エージェントは言っていた。


「びっくりするじゃない!止めなさいよ!」

「いちいち無駄では無いのか...」


二人には理解してもらえなかったが。

部屋の中は暗いが相当広い事だけは分かる。既に魔力切れらしい魔石灯に魔力を込めると、それが電池のような物だったのだろう、天井に付けられていた魔石灯も光り、部屋は急に明るくなる。


「おおお...!」

「広ーい!」

「使えそうな物があれば各自メモを取るなりするのだ。確認が終わり次第ここは焼き払うぞ。」


俺は、早速書類から漁っていく。壁際の大きい本棚には大量の紙の束があった。最初のページのタイトルから興味のある物無い物を分けていく。


(なになに...『魔法反射鋼の有用性及び用途』!?これは気になるな。これは、『有用軽量合金のパターン表』か、これは使えそうだ。)


頭をフル回転させて、使える技術の書かれた書類を探して行く。


(『軟鋼の可能性 』も必要だな。これは、『魔法陣記憶機能を持たせた魔石及び魔鋼の作成手順』に『魔法陣記憶機能を応用したステータスボード作成手順』!?どうりで貴重な訳だ!)


「セイエイには読めるのよね。私には分からないからさっぱり...。」

「シャクショールの文字はかなり難解だと聞いた。我もそこまで勉強熱心では無かったのでな。分からぬ。」

「暇ね...。でもガラスに入れられたこの石は綺麗ね...。セイエイ!これなんて書いてあるの?」


アスィに呼ばれ、書類漁りを中断して向かう。


「これ?えっと、『魔力吸収鋼』だって!?持ち帰ろう。」


ガラスを割り、中にあった手の平ほどの鋼をカバンにいれる。


「これの書類もあるはず...!うおお!」

「決断はやー!!」

「研究者の素質アリ、だな...。やれやれ。」


その後魔力吸収鋼の書類も見つかり、もう一度大まかに確認すると、二枚のメモが見つかる。その内容は


"宰相殿は何故あんな物を作らせたんだ...?国王自らが改造を受け入れ、眠りについたという話も信じられない。 あのゴーレムは1度起動すれば好き勝手暴れる欠陥品だ。本当にそれを承知で宰相殿は...?"


もう一枚はその後起こった出来事について書かれていた。


"実験の為起動された、決戦型特攻魔鋼兵士『ルテチオン 』は案の定暴走し、宰相殿は踏み潰されてしまった...。 兵研の奴らはこの事態を予想していなかったのか!?何がシャクショール復興の切り札だ!これならまだ人造人間の方が安上がりで役に立つのに!"


(『ルテチオン』...。調べる必要があるな。)


「よし!もう大丈夫です。ここは焼き払って次に行きましょう。」

「了解だ。"ファイアストーム"」


リリアナの手から炎が吹き出し、紙束を燃やして行く。火は他の紙に燃え移り、どんどん火は勢いを増していく。大方燃やした所で、リリアナが次の魔言を唱える。


「"ウォータースプラッシュ"」


すると今度は激しい水流が出て来る。火は水の勢いに負け、すぐに鎮火される。


「完了だ。行くぞ。」

「了解!」

「なかなか早かったわね。」


そう言って俺達は次の研究室に向かう。ここが二つの意味での目的地という事を知らないまま...。





滞ってしまい申し訳ないです...

今後滞りそうな事ばっかりですが!

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