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四の異世界英雄譚(旧:四人の悪人)  作者: サンソン
安曇清英編 第2章「七剣姫編」
103/107

前準備 1

書く暇がありませぬ...

「なるほど。大変だったわね。」

「アスカントの特殊部隊...タイミングと我々の元に来る情報に整合性が見られませんね...。もしかすれば、私達には分からない勢力争いでもあるのでしょうか。」

「まっ、私達は計画通りに動くだけ。」


俺達は再び王都に戻り、アルハムとルインさんに襲撃された話をした。


「計画?」

「クリスったらまた話してないのね...。クリスの書いたアスカント侵攻作戦の手紙の事。王もそろそろ国民の不安を取り除かないといけないと決めたらしいわ。ホントは、クリスのアイデアだけどね。」

「今度は本当の戦争...。」

「セイエイ、今回は我々も参加する。直接アスカントに乗り込み真相を確かめる。」

「...はい。」


(また戦い...俺は...アリスの死から何かを学ばないといけないのに...決心も出来てない...!)


俺が一人心の中で葛藤していると、クリスさんは俺の肩に手を置き、もう片方の手を俺の頬に添え話し始める。


「アリスの事だろう?...あの時は、ああするしか無かったんだ。だが私はお前に辛い思いをさせてしまった...恨んでくれて構わない。」

「恨むなんて。そんな事しません。それより、彼女の様な子を作らせない為に今回は戦うんですよね。俺だけ何もしない訳にはいかないでしょう?」

「そう...だな。だがお前に何かあった時私は...自制を出来る自信が無い...。だからどうか...死なないでくれ。」


クリスさんはそう言うと、若干涙目になりながら俺を優しく抱き締める。初めて感じる雰囲気に俺は戸惑うしか無かった。


「クリスさんも丸くなったわねー。」

「そうですね。以前はもっと冷徹という印象でしたが、これではまるで恋する乙...いい天気ですね『アーサー』。」

「今日...雨だけど?」

「...まあいい。アルハム、宣戦布告と出陣は何時だ?」

「近く、アスカントに宣戦布告が届くはず。出発は二日か三日後...と言ったところかしら。」

「分かった。その時はまた来よう。ではな。」

「了解。宿屋は同じ所?」

「おそらくな。だが少し人数が増えたのでな。別の宿かもしれん。」

「おっけー。」


俺達は王城のアルハムの部屋から外に出て王城手前で待っていたアスィ達と合流する。


「どうだった?」

「アスカント侵攻戦に加わる事になったよ。出撃は二日か三日後らしい。」

「ふーん。じゃあそれまでは暇なのね?それじゃスイーツ食べに行きましょ!食べ歩きよ!」

「最近依頼という依頼やってないから手持ちが...。」

「大丈夫よ!早く行きましょう!気になってたお店があるの!」


アスィはそう言うと俺の手を引っ張って走り出す。


「微笑ましいなあ...なあクリスさ...うおおっ!?」


ガングはそう言っておもむろに隣に立っていたクリスの顔見ると、クリスは凄まじい形相になっていた。


「何だ。人の顔見て失礼な奴だ。」

「なんつー怖い顔してんだアンタ...。」

「怖い顔?私がか?」

「ものすげえ顔でセイエイとアスィを観てたぞ。疲れてんのか?」

「そ、そうか。すまなかったな。」


ルリィはクリスの顔を覗き込み、じっと見つめる。


「な、なんだ?」

「クリスさん最近厳しい表情や眉間に皺を寄せる事が多いですね...。何か悩みでも?」

「そうだな...実は...。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「美味しい~!ケーキを最初に作った方は偉大ね~!」

「トリプルクリームフルーツケーキ...!金貨...二枚...!?可笑しいだろ...ケーキに...200万...あばば...。」

「セイエイも食べましょうよ~!美味しいわよこれ!」

「そのケーキの値段、いつもの宿屋なら一年泊まれる位するんだ...。」

「結構高いのねー。でも美味しいからいいわ!」

「いやいやいや!ふっつーに高いから!!どうりで頼んだ時周りの人がどよめいた訳だよ!」


俺とアスィは王都商業エリアにあるケーキ屋に足を運んでいた。そこでアスィが頼んだケーキは値段も縦の長さも驚く程高かった。


「果物屋に並ばない物が結構あったな...冷凍保存かな?魔道士を交代させてるならそれは高くなるよなあ...。」

「ふー。ごちそうさま。美味しかったわ!」

「それは良かった。贅沢してたら手持ちが無くなっちゃうから必要な分は残さないと...って、鎧、結構傷付いてる。」

「この前のね。動かなくなるような致命的な攻撃は受けてなかったけど、確かにメンテナンスが必要ね...。」

「そうだ...!アスィ、鎧をまた改良しよう!いいアイデアが思いついた!」

「ホントに?なら早速行きましょ!」

「ああ。でもその前にクリスさん達に伝言でも......。置いて来ちゃったし。」

「いいのよ!どうせ宿屋はこの前と同じとこだし!」

「それもそうか...よし、行こうか!」

「おー!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おお...!クリスさん、それは"恋の病"ですよ!」

「そ、そうなのか?私にそんな事が可能なのか?」


ガング、ルリィは喫茶店でクリスの悩み相談に乗っていた。


「クリスさんのお悩みを質問にしてお返しします。まず最初に、セイエイさんの目を見れないというのは?」

「あ、ああ。その...なんと言うかセイエイの目を見ていると、頭の中がセイエイでいっぱいになると言うか...目を合わせていると思考が働かなくなる...。」

「ふむふむ...!二つ目に無意識に触ったり抱き締めてしまうと。これは?」

「可愛いじゃないか。」

「そ、そうなのか?どっちかつと、精悍っていうか...。」


ガングが困惑しながら呟くと、クリスは首を横に振る。


「そこも良い。だがセイエイは非力だ。守ってやりたいと思う。分からんが...庇護欲と言うやつだろう。」

「いやいや、それはアンタと比べれば、だろ。セイエイは頭もいいし十分強いと思うぞ。」

「だが知らない世界で頑張る人間は稀だ。健気で可愛いし。」


クリスは自信満々な顔で言う。そしてその言葉には熱が篭っていた。


「それに、私に普通に接してくれたのはセイエイが初めてだから...。」

「なるほど...それでも自分の気持ちが分からないと?」

「この体は確かに私だが、元は私のものでは無い。だから人の"心"なんてもの...分からない。だから困惑しているのさ、緊張なんて今までした事が無かったから...。」


クリスは頬に手を置き、困ったような表情をする。しかし、クリスの言葉を聞いたガングとルリィは一瞬固まり、顔を見合わせ


「「え?クリスさんの体じゃない?」」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ゲッ。またお前さんか。」

「どうも!またお世話になります。」

「まだ何日かしか経ってねえぞ。にしても、その鎧に傷が付くなんて一体何をして来たんだ...?」

「色々ありまして...なので今回はこの鎧の強化プランを実行に移すべく来ました!」

「そうだろうと思ったよ。奥の部屋に来い。」


ナリックはセイエイとアスィを奥の部屋に案内する。ナリックは机に大判の紙を広げ、セイエイに羽根ペンを手渡す。


「まず今回は鎧に大幅な改修を施します。装備や細かい箇所の修正を依頼します。」

「改修か。」

「ええ。改修にあたって『ヴァルキリーアーマー』と言う名称を付けます。今後は状況に合わせた装備を付け、名前でそれを区別します。」

「追加装備で状況変化に対応する鎧...面白そうだ。最初のプランは?」


ナリックは顎を擦りながら微笑み、セイエイに質問を投げかける。


「簡単に言えば、『白兵戦タイプ』です。」

「『白兵戦タイプ?』」

「地上での接近戦に特化させます。足首辺りに前回のテールバインダーの小型版を一つずつ取り付け、更に機動力の向上を図ります。足の裏に取り外し可能な棘を付け土を踏みやすく。」

「ふむ。基本的な性能の底上げか。他にはあるのか?」

「一つあります。アスィ、『墜星光条(メリ・ウィドゥ)』って撃つ条件ってあった?」


アスィは椅子に座ったまま上を見ながらうんうん唸りながら必死に記憶を探る、


「確か特定の魔法陣があって、それを私が確認出来てそこに魔力を流し込めれば後は勘で撃てるわ!」

「だそうです。」

「魔法陣の形が分かれば刻印でも何でもできるぞ。」

「なら......こういう形の物を...更に小型のこういうのも...。」

「なるほど...だが魔力量は...。」

「すやや...。」


ナリックとセイエイの打ち合わせは熱を帯び、アスィは椅子で眠りに落ちてしまう。

終わるまで続けはしますが期待はしないよう...何卒...何卒

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