フェンリル派遣要請
“そののち、また見ていると、あらゆる国民、種族、民族、言語の異なる人の数えきれないほどの大群衆が、白き衣をまとい、なつめやしの枝を持って立っていた。
彼らは声高らかに叫んだ。
――「勝利あれ」”
『ラオデキア』から『ワダツミ』へ向かった派遣チームが、無事到着してから三日。
チームリーダーである六花から、新堂拓己が意識を取り戻したと連絡を受けた三隅は、ほっと胸を撫で下ろした。
「目を覚ましたのは……拓己くん、だったのだな?」
――彼らが『ワダツミ』へ到着した日、新堂拓己の中で眠っていた第二の人格が覚醒したという報告は、すでに受けている。
幼少期に過酷な経験をした者が、自己防衛のため本人とはまったく別の人格を生み出すのは、そう珍しいことではない。
だが、その人格が自ら『人類の希望』を名乗ったと知ったとき、三隅の胸にどうしようもない苦さが込み上げた。
拓己のカウンセリングを担当した医師の話を思い出す。
彼は一見素直で聞きわけのいい子どもだが、姉の沙弥を助けられなかった自分自身に対し、ひどい忌避感を抱いているらしい。
強烈な自己嫌悪と、罪悪感。――痛々しいほどの、自己否定。
それらがネフィリムに対する憎悪や恐怖と絡み合い、その殲滅を望む周囲の要望を叶えることで、己の存在意義を確立しようとしているようだ、と。
そんな拓己の不安定すぎる精神状態を理解した上で、三隅は冬騎に命じた。
何も知らない幼い子どもを、ネフィリムと戦える『人類の希望』に育て上げろ、と。
集団行動に長ける『ヴォルフ』の特性ゆえか、冬騎は三隅の期待以上に献身的に拓己を育てた。
不安定になりがちな子どもがどれほど泣き喚いても、辛抱強く声をかけてひたすらそばに寄り添い続ける。
人見知りな彼がはじめて見る大人に怯えれば、たとえ相手が育て親の研究員だろうと牙を剥いて近づけさせない。
まるで、傷ついた幼い我が子を守る獣のように。
拓己はいつしか、冬騎に絶対の信頼を抱いていた。
亡くした母親に対する思慕をそのまま委ねたかの如く、彼の言葉であればどんなものだろうと素直に従う。
それは、拓己を『人類の希望』に育て上げる上で、非常に役立つ要素だった。
どんなに辛い訓練だろうと、冬騎が一言「やれ」と命じれば拓己が抗うことはない。
だからこそ、これほどの短期間で実戦投入できるレベルに調整可能だったのだ。
そうして彼らは、十歳にも満たない幼い子どもを『人類の希望』という名の従順な兵器に仕立て上げた。
ネフィリムと戦う力だけが、周囲の人間が彼に求めているものなのだと、強くその心に刻みこんだ。
その結果が――
『はい。どうやら彼は、自分の中にフェンリルという人格がいることを知らないようです』
六花の淡々とした答えに、三隅は安堵した。
まだまだ精神状態の不安定な子どもに、もうひとりの人格を受け入れろというのはあまりに酷だ。
下手をすれば、『拓己』という主人格の方が崩壊しかねない。
だが同時に、いまだにネフィリムの脅威に晒されている人類を解放するためには、彼が『拓己』よりも『フェンリル』でいてくれた方が都合がいいと考える己を自覚し、自嘲する。
人類は、あまりに弱い。
わかりやすいカタチで目の前にある『人類の希望』に縋らなければ、未来への希望を見出せないほどに。
「そうか。――こちらでは、新堂沙弥の生存確認について議論中だ。だが正直なところ、やはりフェンリルの証言だけでは部隊を動かすのは難しいだろう」
『……はい』
新堂沙弥のサポートにより、フェンリルがドイツの『適合者』の異能を発動させたという報告は上がっている。
だが、その『適合者』――ハインリッヒ・ミュラーに事実確認してみようとしたところ、彼の所属しているシェルター『シュトライヒ』に何度問い合わせをしても、まったく返事がこなかった。
彼の身に何かあったのかと、ほかのシェルターにあちらの状況を尋ねてみても、現在確認中と判で押したような答えが返ってくるばかり。
(まぁ……。あちらも忙しいのだろう)
ネフィリムの討伐と、各『適合者』たちの血液を素体とする完全抗体サンプルの作製。
このふたつが、現在人類が最優先で成し遂げなければならない課題である。
EU各国と北米大陸の主立ったシェルターには、すでにハインリッヒの完全抗体サンプルが空輸されたと聞く。
その迅速な対応には、随分驚かされたものだ。
拓己の血液から作る完全抗体は、いまだそれほどの量を確保できているわけではない。
研究員たちは昼夜を問わず必死に培養作業に当たっているが、それでもようやく『ラオデキア』に収容された人員の半数に投与できたところである。
崩壊前の世界で、ドイツは医療大国だった。
それぞれのシェルター内部に造られた研究施設も、さぞ素晴らしいものに違いない。
六花からの定時連絡を聴取し終えた三隅は、通信を切ると小さく息をついた。
――『ワダツミ』に、日本国民の八割を救える完全抗体のサンプルが届いた。
彼らは、残存するシェルターに届けられる量を培養できたら、すぐ沿岸部を北上・南下するコースで護衛艦を二隻出す予定になっている。
それまでには、拓己も負傷したチームメンバーも回復しているだろう。
何より、拓己のそばには『フェンリル』から彼を守るよう命じられた、『キメラ』の夜刀がいる。
この国最強のハルファスが守護についた以上、拓己の安全について今のところ不安はない。
(さて……。どうしたものかな)
その航海のどちらかに拓己たちを同行させるか、それとも一度『ラオデキア』に帰投させてから、陸路で京都の『カグヤ』に向かわせるか。
『ワダツミ』に配備されている護衛艦の足は速いが、横須賀から京都までは北上ルートを使っても南下ルートを使っても、かなりの日数がかかるだろう。
加えて、今回はじめて確認された飛行タイプの中位種、オファニエルタイプ。
もし護衛艦が航海中に連中の襲撃を受けたなら、おそらく艦砲だけで対処するのは不可能だ。
やはり、どちらか一隻だけでも任務を達成できるよう、オファニエルタイプの討伐経験のある彼らを護衛につけるべきだろうか。
だが『カグヤ』には、『ラオデキア』、『ワダツミ』、『アマテラス』と並び大勢のウイルス研究者が所属している。
あちこちに寄港しながら日本列島を一周する護衛艦よりも、陸路を使った方が京都到着は早いかもしれない。
彼らの元に完全抗体サンプル――否、さすがにそこまで保冷ケースは保つまい。
臨床データは、すでに国内すべてのシェルターに送ってある。
完全抗体の素体となる拓己の血液を『カグヤ』に届けられれば、培養速度は格段に跳ね上がるだろう。
あちらにも、まだ運用できる護衛艦が残っているはずだ。
そうすれば日本海側からも海路を使って、沿岸部のシェルターに完全抗体サンプルを届けることができる。
三隅が改めて地図と海図をチェックしていると、『ラオデキア』の統括官である陸上自衛隊一等陸佐の宇賀武雄から連絡が入った。
通信を繋ぐと、ノートパソコンの液晶画面にくっきりと眉間に皺を刻んだ上官の顔が映る。
滅多なことでは他人に感情を読ませない彼の思いがけない様子に、三隅は何かよくない報せかと身構えた。
宇賀が、よく響く低い声で口を開く。
『三隅准尉。北京のシェルター『崑崙』から通信が入った。――あちらに、ラファエルタイプが出現したそうだ』
三隅は、ひゅっと息を呑んだ。
ラファエルタイプのネフィリム。
数ヶ月前アメリカで確認されたセラフタイプ、先週日本で確認されたイスラフィールタイプと同じ、上位種だ。
ラファエルタイプの固有能力は、治癒。
元来ネフィリムは、驚異的な回復力を持っている。
それでも、ハルファスたちの振るう剣で傷つけることは可能だし、口径の大きな銃で脳や脊髄を破壊すれば、ネイティブの兵士にも討伐可能だ。
しかし、ラファエルタイプは、支配下のネフィリムがどれほどの傷を負おうとも、砂に変じる前であれば瞬時に肉体を修復してしまう。
ラファエルタイプの群れを形成する個体は、おそらく一般種でも容易に倒せまい。
どれほどの銃弾を撃ちこもうとも、一撃で急所を破壊しなければすべてなかったことにされてしまうのだ。
そんなゾンビめいた群れの襲撃を受けたら、フェンリル不在の今、この『ラオデキア』でも持ち堪えられるかどうかわからない。
青ざめた三隅に、宇賀が淡々と告げる。
『昨日未明、『西王母』が堕ちた』
「『西王母』が……ですか」
中国最大のシェルター、『西王母』。
数年前から大規模改修工事という名目で、紫禁城を中心に建設されたそこは、中国政府の中枢を担う者たちが収容されていた。
中国各地のシェルターは、崩壊以前の社会構造の名残ゆえか、意思決定のすべてを『西王母』に委ねていたと聞いている。
世界で三体目の上位種が中国大陸に出現し、まっさきにそこを潰した。
その事実に、何か意味があるのか――
『あちらの情勢も、たった一日で随分変わったようだな。現在の『崑崙』のトップはまだ三十代の将校だ。彼は今、給油機に乗ってこちらに向かっている。同時に、航空燃料を積載した大型タンカーを二隻、『カグヤ』に向けて出港させたと言ってきた』
「……は?」
三隅は、ぽかんと目を丸くした。
『彼は――劉少佐は、一刻も早くラファエルタイプを討伐しなければ、中国全土のシェルターが壊滅的な被害を受けると判断したそうだ。そのため、今すぐフェンリル派遣を要請したいと』
「何を、ばかなことを……!」
拓己は、ようやく『ワダツミ』までの旅を終えたばかりだ。
おまけに、覚醒したばかりの第二の人格が無茶な能力の使い方をしたせいで、心身ともに非常に不安定な状態にある。
そんな彼を、日本よりも遙かに多くのネフィリムの跋扈する中国に送るなど、冗談ではない。
大量の航空燃料はフェンリル派遣への対価のつもりなのだろうが、その程度のものでアジアで唯一の『人類の希望』を死地に送り出せるはずがないだろう。
思わず声を荒らげた三隅に、宇賀はわずかに声を低める。
『劉少佐は、以上の要請をすべて彼の独断で決定したそうだ。己の上官の首を、文字通りすべて飛ばしてね。液晶画面越しとはいえ、あれだけずらりと生首を並べられると、さすがに気分のいいものではないな』
「な……」
三隅は言葉を失った。
『彼の日本語は、非常に流暢なものだったよ。……その意味は、わかるな? 三隅准尉』
ぐっと、息を呑む。
外交において、最高責任者が直接交渉に当たり、その際に相手国の言葉を使うのは最上級の誠意の証。
――必死、なのだ。
彼らの元には、『人類の希望』がいないから。
崩壊前の世界で、日本と中国の関係は決してよいものではなかった。
数多くの不幸な歴史から生まれた火種が、意味のない卑小なプライドを満たすためだけに煽り立てられ、もはや消しようのない悪意の炎となって人々の心に醜い焦げ跡を残していた。
もちろん、『国と国』ではなく、『人と人』として語り合うことで穏やかな交流を続けている者たちもいたのだろう。
だが、中国各地のシェルターを統括する『西王母』に所属していたのは、常に『国』を背負う立場にあった者たちだ。
彼らが日本という『国』に対し、複雑極まりない感情を抱いていたことは想像に難くない。
そしてそれは、各地のシェルターのトップを担う者たちもそう違わないはずだ。
かつて、アメリカに次いで世界第二位の経済力を誇った彼の国を率いてきたのは、両手で足りるほどの数まで徹底的に選抜されたトップエリートたちだったという。
だからこそ、あれだけ巨大な国土を遅滞なく運営することができていたのだ。
それは同時に、上層部の決定に対し異を唱えるシステムがほとんど機能していなかったことを意味する。
中国では、日本よりも遙かに上層部の意思は絶対のもの。
下位組織がそれに抗うなど、端から想定されていない。
しかし今、その上層部が集う『西王母』が、堕ちた。
上からの押さえがなくなった瞬間、直属の上官の首を飛ばした若き将校の行動が、正しかったのかどうかなどわからない。
ただ、彼は理解していたのだろう。
アメリカ軍の優秀なハルファス部隊でさえ討伐できなかった、ネフィリムの上位種。
中国でそれが発生したときに望みを託せるのは、アジアで唯一発現した人類の希望――フェンリルだけだと。
三隅は、低く口を開いた。
「宇賀陸佐。フェンリルがイスラフィールタイプを問題なく倒せたのは、相手が休眠期に入っていたからです。……我が国の上位種が首都圏で発生していたのは、不幸中の幸いでした」
『ラオデキア』、『アマテラス』の二大シェルターが存在する日本の首都圏は、子どもたちと阻害剤投与者が最も効率よく回収された地域のひとつだ。
大崩壊当時、すでに『竜宮』の防衛任務に入っていた『ワダツミ』のハルファス部隊が、最低限の人員を残してすべて実戦投入されたのも大きかったのだろう。
その結果、この地域で発生したネフィリムは初期段階で相当数が討伐され、生き残った個体もごくわずかなエサしか捕食することができなかった。
だからこそ、上位種であるイスラフィールタイプでさえ飢餓に耐えかねて休眠状態に入ったのだ。
たとえ人の手で創り出された化け物でも、獣は獣。
エサを喰らわなければ、生命活動を維持できないのは自明の理だ。
「しかし、中国最高の防衛システムを誇る『西王母』をあっさりと堕としたところから考えても、件のラファエルタイプは飢餓状態とはほど遠いはず。たとえフェンリルでも、必ず勝てるという保証はありません」
わかっている、と宇賀は応じた。
『三隅。劉少佐は、少し話しただけでも非常に頭の切れる男だ。たかが航空燃料という手土産だけで、こちらがフェンリルを動かすとは考えていないだろう。どうやら彼は、情報収集も得意らしいな。質問ではなく、堂々と確認してきた。――『アマテラス』には、フェンリルの完全抗体では救えない方々がいらっしゃるのでしょう、と』
「……まさか」
思わず目を瞠った三隅に、宇賀はため息混じりの声を吐き出す。
『それ以上のことは、こちらに着いてから話してくれるそうだ。だが、ここまで言われればいやでも想像がつく』
中国の『西王母』と同じように、日本の中枢を担う人々が収容されている『アマテラス』。
そこには、日本という国の歴史そのものともいえる血筋を、現代まで連綿と繋いできた人々が収容されている。
どんな運命のいたずらか、彼らが感染しているウイルスは、フェンリルの完全抗体に合致するものではない。
『アマテラス』が堕ちたときに備え、『カグヤ』に収容されている古き血を継ぐ者たちもまた、それは同じ。
彼らを発症の恐怖から救えるのは、アメリカはワシントンDCのシェルター『スミルナ』に所属する人類の希望、李詩夏――コードネーム『ヴァルキューレ』の完全抗体だけだ。
そして、中国人民の六割が感染しているのが、ヴァルキューレの完全抗体に合致する型のもの。
彼女の完全抗体サンプルが、中国に渡ったという情報は今まで入ってきていない。
だが、もし――
「――もし、劉少佐がヴァルキューレの完全抗体サンプルを、フェンリル派遣の対価としてきたなら……。どうなさるおつもりですか?」
それを必要としているのは、『アマテラス』に収容された人々だけではない。
全国各地のシェルターにも、それを求める者たちは存在する。
とはいえ、この国でフェンリルの完全抗体に合致する型のウイルスに感染しているのは、人口の八割に昇る。
いつこの『ラオデキア』を含め、フェンリルの完全抗体サンプルを保有するシェルターがネフィリムに破壊されてもおかしくない現状、彼を危地に送り出すのは愚の骨頂だ。
そして今、自分たちに必要なのは、命の価値に優劣をつけることなく、ただひたすらに命を数で考えることである。
より多くの国民を――できることなら、より若く健康な者たちを少しでも長く生き延びさせること。
そこによけいな価値観を含ませる余裕など、自分たちには許されていない。
『残念ながら、この件は私の一存で決定するには重すぎるのでね。先ほど、『バエル』に判断を仰いだ』
「……そう、ですか」
淡々とした宇賀の言葉に、三隅は頭をひどく殴りつけられたような心地がした。
ネフィリム対策研究室の最高意思決定機関・『バエル』。
かつてハルファスの『設計図』をG7の上層部に無償で提供し、ウイルス発症阻害剤の基礎を作り上げた彼の組織は、現在地球上で最も発言権のある組織である。
GB――否、世界最大のシェルター『エフェソ』がその本拠地だ。
ポーツマス海軍基地を前身とし、質量ともに世界一のハルファス部隊を擁する彼らは、すでにGB本土の南に位置するワイト島からすべてのネフィリムを駆逐したという。
飛行タイプのネフィリム襲撃の危険はいまだ拭いきれないものの、現在ワイト島は世界で唯一、人類がシェルターの外で生きられる場所だ。
『エフェソ』に収容されていた子どもたち、そして『エフェソ』所属の人類の希望であるアンドリュー・マクミラン、コードネーム『トール』の完全抗体により発症の危険がなくなった者たちは、ワイト島へと順次移送されたと聞く。
大崩壊の直後、各国で『人類の希望』――ウイルス勝利条件適合者の存在が確認されたとき、『バエル』ははじめてそれぞれの上層部に宣言した。
すなわち、今後の人類の未来を左右する彼らの存在を、『国家』という矮小な枠組みの中に押し込めることは認めない。
『人類の希望』を失うのは、文字通り世界の損失である。
彼らの生命に関わる意思決定を為す場合には、必ず『バエル』の承認を得なければならない――と。
具体的なペナルティを示されたわけではないが、ウイルス研究の中枢を担う彼らの宣言に抗える国など、あるわけがなかった。
フェンリルの『ワダツミ』派遣も、『バエル』の承認を受けてのものだ。
……『バエル』の最優先命題は、あくまでも人類の存続である。
おそらく彼らは、極東のちっぽけな島国の抱える葛藤など一切斟酌しないだろう。
そして、世界的な視点で命を数で考えたとき、中国と日本ではその差はあまりに歴然としている。
ましてや、ラファエルタイプはその群れを巨大化させればさせるほど、脅威の度合いが加速度的に増していく。
一刻も早く、確実に討伐しなければ――
(我々は……これから一体どれほど、あんな子どもに重荷を背負わせ続けるのだろうな)
――中国からの使者が訪れるのが先か、『バエル』からの判断が下りてくるのが先か。
だがいずれにせよ、隣国でネフィリムの上位種が発生した以上、すべては遅いか早いかの違いなのかもしれない。
彼の国がラファエルタイプに食い尽くされたなら、その目が次に狙いを定めるのが日本ではないなど、誰にも言うことはできないのだから。