不老不死って?
それは誰もが見たことある夢。
それは誰もが求めるもの。
それは永遠の苦しみ。
それは永遠の美しさ。
それは永久の牢獄。
それは・・・不老不死。
誰もが求める一つの不変。
ずっと変わらぬモノ。
それは・・・とても美しく・・・とても寂しい。
永遠に続く別れを。
永遠に続く痛みを。
永遠に続く・・・その身、一つで。
誰もそのことに気付かぬ。
不老不死とは罪人の咎であることを。
たとえ話をしよう。
たとえば、もし自分の妻を美しいままに不老不死にしたとしよう。
それは、日々老いていく自分からしたらどう思う?
自分が皺々になっても彼女は美しいまま・・・。
それは、もう化け物と思ってしまうのではないか?
そして、妻は本当に老いないことを嬉しいと思っているか?
たとえ話をしよう。
もし、不老不死となったとしよう。
世間はソレをどう思う?
死なないからだ・・・それは異端だ。
人は異端を許さない。
なら起きることは想像できるだろう。
それは、日常の崩壊。
たとえ話をしよう。
死ねないと言うことは。
死ぬような状況で生き残り続けると言う事。
ならば・・・人類が亡んだ後は?
この星が消えてしまったら?
孤独・・・永遠の苦痛。
どちらも耐えられぬ・・・
なら・・・向かう先は・・・精神の死。
すべて、予測でしかないこと。
変わらぬと言うことは幸せではないかもしれない。
いや、変わらないことは一種の幸せであるかもしれない。
でも、変わらないことは出来ない。
どんな事があっても。
汝は世界を回す歯車の一つ。
その姿は削れていく。
削れた粉は新たな歯車に。
汝は汝であるがゆえに変わりゆく。
永遠の時はではなく、刹那に幸せを・・・・