第一話:出会い
多少名前を変えていますが、実話です。
ジリリリリ・・・
ガチャ。
目覚ましが俺の脳天に突き刺さるように響き朝を迎える。
今日は4月14日。午前…6時30分。
起きるには早すぎるけど、大学行くのに起きなきゃ、、
準備をして大学に行く。
毎日変わらない日々…。
でもこの日だけは違ってた。
講義を終えて家路を急ぐ。今日は友達の健太郎と二人で飲む約束をしていた。
現在午後6時ちょうど。
突然ケータイが振るえ、画面を見ると健太郎だった。
「今どこ〜??」
相変わらず元気に喋るやつだ。
「今から地下鉄のってお前んち行くよ。」
口調は穏やかだったが、久しぶりに飲めると思うと心が躍った。
「今日俺の彼女来るんだよね〜」
突然、思いもよらないセリフを聞いた。
「なら今日はやめとくか??」
俺が残念そうに聞く。
別に、健太郎の彼女の怜とは仲がよくて会っても問題なかったが、最近健太郎が会っていないと言っていたのを思い出して、つい、気を使ってしまった。
「いやいや〜、今日は久しぶりに飲むんだから中止はしないよ〜」
普通のテンションで健太郎は答えた。
「まじか!?なら3人で泥酔するか?!」
やはりかなり楽しみにしていたと自分でも思う。こんな言葉滅多に出ないからだ。
「実は…」
急に健太郎はそう言って黙った。
「どうした急に??」
「今日もう一人くるんだ〜」
「誰??」
俺は期待と罪悪感を感じながら聞いた。
「怜の友達の、由江って言うんだけど…」
健太郎は申し訳なさそうに言った。
俺には彼女がいた。
大学に通うため、地元に残してきたいっこ下の彼女。
「…全然かまわねぇよ!したらまた後でな!」
自分が放った言葉に驚いた。
「お、おう!わかったわ!したらまた後でな!」
健太郎も俺がOKするとは思ってなかったような反応を見せ、電話を切った。
現代社会考えではありえないほど、俺は恋愛に対して臆病で疑り深い。
俺の中では付き合ってるのに、ほかの女と飲むことは‘浮気’の類に入る。
それなのに、なぜOKしたのか自分でもわからなかった。
いくら、彼女との仲が冷めきって、連絡を取らなかったからだとしても、今までそんなことがあっただろうか…。
今日は何かが違う気がした、
ただほんとにそんな気がした。
頭の中がグチャグチャいろんな事がめまぐるしく回りながら、気づくと健太郎の家の前にいた…。
恐る恐る、チャイムを押す、
ピンポーン。
俺の緊張は最高潮に高まった、
ガチャ、
健太郎が顔を出す。
「おう!みんな待ってたぞ!」
もうそこにいると思うと、罪悪感が一気にこみ上げてきた。
もう帰るべきだ、と考えた。しかし、みんな待っていたし、ここで帰ってもしらけるだけだ、と思い、意を決して、家に飛び込んだ。
家に入ると、相変わらず、バカっぽい顔をした怜が、
「何してたの〜!あたし待たすなんて10年早い!!」
いつも通りの明るさだ。
しかし俺の注意は令ではなく、隣にちょこんと座っている、女の子にいっていた。
整った顔立ちに、澄んだ大きな二重の目。
吸い込まれそうだった。
身長は150cmくらいだろうか??
ともかく180cm近くの俺にとっては、あまりにも小さく、あまりにも
愛らしかった。
「由江だよ、よろしくね!」
「よ、よろしく…。」
俺の直感は告げた。
今日は忘れられない日になるだろうと…。