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モミジをもむ  作者: 寺子屋カヤ
1/5

鳥小屋

「おぎゃー、おぎゃー」

「ん……」

ヨウコは妹イツコの声で目が覚めた。

寝巻き姿の寝ぐせがついたおかっぱ頭はまださえていない。

狭い部屋の中は7枚の布団が乱雑に敷いてある。たった今、寝ていた人が出て行ったようだ。

ヨウコがぼうっとした表情で布団を踏んで、イツコの所へ行く。

「よしよし…」

ヨウコがイツコを抱きかかえ、わずかに左右に振る。

イツコの鳴き声に混じって、外からかすかに雨の音が聞こえる。

「はあ、雨か…」

「あら、ありがと」

かっぽうぎを着た母が湯気まみれの台所から寝床に来て、イツコを背負う。

「ちょっと早いけど、ご飯食べちゃって」


ヨウコがつきたての餅を食べながら、窓を見ると、濡れた柿の木がある。

(お父さん、仕事が早いな…)


「コケ―!コッコッコッコ…、コケー!コッコッコッコ…」

汚れた小さな家畜小屋近くの柿の木。そこに死んだ鶏が数羽、つるしてある。

くたびれたシャツに少々汚れたズボンの父が回収していった。



「…ん!お母さん、もう行くよ」

ヨウコが2個目の餅を食べながら、慌ただしく部屋を行ったり来たりして、身支度をする。

「ご飯早く済ませたからって、早くに行かなくていいのよ」

「ふははっ、今雨が弱くなったから、急いで行くよ」


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