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モフモフ
「嫌よ! アジス、何言ってるの!」
「嫌です! チェムさんの世界の生き物なんですね、そうなんですね! 触らせてください、あのモフモフに顔を埋めさせてください! でないと死んでしまいます!」
俺は困惑していた。
そんな俺におばあちゃんは耳元でささやいてくれる。
俺より背の低いおばあちゃんの口の高さに腰を落とす。
「アジスな、モフモフに目がないんじゃ。さっきはとても狼狽してたからの。なんとかしてやってくれ」
「わかりました」
チェムには悪いがエルフを喜ばせるためだ。なんとかするしかない。
俺は再び手を後ろへ回した。




