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自分が嫌いなものは他人が嫌いとは限らない
「その、ですね、頭の後ろを触ると能力は発動して、みんな共通で3分間しか使えないんですよ」
唐突にエルフのアジスが語り出した。
「その後には少しインターバルがあって、それに関してはそれぞれまちまちなんですが……」
そうなのか。それでアジスはドラゴン、チェムは猫が『恐怖するもの』なわけか。
解説してくれるのはありがたいが、どうしてそんなことを唐突に?
俺はアジスの顔を見る。すると、彼女の様子に一瞬おののいた。
「その、あの可愛いモフモフした生き物はなんですか! もう一度なって触らせてくださーい」
表現するなら目にハートマークがついていると言うべきだろうか。
アジスの顔は青から一変して赤くなっていた。




