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反省
俺はよぎる仮説を言葉にする。
「ああ、もしかして俺と同じ日本にいたのか?」
同じ場所から来たなら心強い。この世界に順応する術をなんとか学べるかもしれない。
「俺の名前はさい……」
自分の名前を名乗ろうとしたところで、チェムが勢いよく机を叩いた。
バン。
こちらを睨む。
「あっちの話はご法度よ。あなた聞かれたいの」
すごく怒気がこもっていた。
「あ、すまない。無遠慮過ぎた」
「わかればいいのよ」
たしかにせっかく転生したというのに前の人生うんぬんかんぬんの話をしては気が重い。
素直に反省した。




